飲食店を長く続けていると、ある問いが頭の中に居座り続けることがあります。「昼間の店舗を、このまま遊ばせておいていいのか」という問いです。
私、鈴木は2009年から静岡市清水区で焼肉・ホルモン店を営んでいます。夜は席が埋まる日もある。でも昼の厨房はシーンとしている。家賃は一日分まるごとかかっているのに、稼働は夜だけ。この現実に、ずっと引っかかりを持ち続けていました。
「じゃあラーメンをやろう」と決めた後に最初にぶつかった壁が、スープでした。居酒屋や焼肉店が昼に豚骨を何時間も炊き続けるのは、現実的ではない。夜の仕込みが押される、体力が持たない、光熱費が増える。それだけでランチ営業を諦めてしまう経営者を、私はこれまでたくさん見てきました。
今日はそのスープの問題に正面から向き合いながら、加盟金なしの仕組みを検討するある店主の一日を追った記録をお届けします。モデルになるのは私自身の実証店舗「横浜家系ラーメン山道家」の一日です。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業をしていて昼間の厨房・客席が空いている方
- ✅ ランチにラーメンを導入したいが、スープを長時間炊く余裕がない方
- ✅ 加盟金・ロイヤリティなしで新しい収益源を作りたい方
- ✅ 少人数・短時間でも回せる昼業態の実例を知りたい方
- ✅ FCとは別の選択肢としてラーメン導入を検討している方

9:30 — 仕込み開始。「炊かない」という選択から始まる一日
山道家の朝は9時半に始まります。清水駅西口から歩いて約1分の店舗に入り、まず厨房の温度を確認して、その日の仕込みに取りかかります。
最初に手をつけるのはチャーシューです。豚バラを丁寧に巻いて、タレに漬け込んで火入れする。この工程には時間がかかりますが、片手間でできる部分も多い。炊き上がりを待ちながら、次の段階へ進みます。
ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。山道家では、豚骨やガラを何時間も炊いてスープを作る方式をとっていません。これは「手を抜いている」のではなく、「昼営業だけのために長時間炊くことは夜業態には合わない」という判断からたどり着いた結論です。私自身、横浜の吉村家をはじめ多数の家系ラーメン店を食べ歩き、その上でこの方向性を選びました。
代わりに力を注ぐのが、業務用スープの選定と、それに合わせたタレ・鶏油・麺・チャーシューのバランス調整です。スープ単体ではなく、一杯全体として何を感じてもらうかを設計する。その発想が山道家モデルの出発点になっています。
10:30 — 加盟金なしを選ぶ理由を、相談者に話す時間
この日は午前中に、導入を検討している焼鳥店の店主からオンラインで相談を受けました。相手は「ラーメンFCを調べたけれど、加盟金と月々のロイヤリティがどうしても引っかかる」という状況でした。
私がお伝えしたのは、FCを否定することではありません。FCにはブランド力や本部サポートという価値があります。ただ、昼だけ・少人数・既存店舗という条件で始めるなら、その費用構造が必ずしも合うわけではない、ということです。
加盟金なしの仕組みを選ぶ最大の理由は、「初期投資を小さく抑えて、実際に試す」ことができる点にあります。月々のロイヤリティがないということは、売上が少ない月でも固定費の圧迫が小さい。カウンター5席・3時間という規模で始めるなら、この差は経営の安定に直結します。
二毛作飲食店説明会の現場がどのように進むかを別記事で紹介していますが、相談の場でよく出てくる質問がまさにこの「加盟金とロイヤリティがないとどう違うのか」という点です。
✓ ここまでのポイント
- 山道家では長時間スープを炊かず、業務用スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューの組み合わせで一杯を設計している
- 加盟金なしの仕組みは、小規模・短時間営業の夜業態に費用構造が合いやすい
- FCを否定するのではなく、自店の条件に合った選択肢を選ぶことが先決
「業務用スープを使う」とひと言で言っても、タレ・鶏油・麺・チャーシューとどう組み合わせるかで一杯の仕上がりは大きく変わります。その配合の詳細と仕入先の紹介、実際に営業できるオペレーション設計まで、説明会の場でまとめてお伝えしています。参加は無料で、個別相談の形式で進みます。
11:00 — 営業開始。「本格的」という評価の正体
11時、のれんを出して営業が始まります。カウンター5席、営業時間は14時まで。スタッフは基本2名で回しています。
席数が少ないと「回転が命」と思われがちですが、私が大切にしているのは一杯の完成度です。スープが出てきた瞬間の香り、麺を引き上げたときの質感、チャーシューを口に入れたときの柔らかさ。これらすべてが「本格的」という印象を作ります。
実際にこんな評価をいただくことがあります。
「山道家では、長時間店内で豚骨やガラを炊き続ける方式ではありませんが、スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を調整することで、本格的という評価を得ています」
「店炊きかどうか」ではなく、「食べた人がどう感じるか」が評価の基準になる。これは当たり前のことに聞こえますが、ラーメン業界では「炊いているかどうか」が語られすぎる面があります。私の立場は一貫していて、一杯の満足度こそが商品の価値だということです。
タレは複数の組み合わせを試して現在の配合に落ち着いています。鶏油は香りと量のバランスが難しく、試行錯誤の回数が最も多かった部分です。麺は茹で時間と硬さの指定を仕入先と詰めました。チャーシューは仕込みに時間をかけ、それ自体が「また来たい」と思わせる一品になるよう設計しています。
山道家モデルを検討した店主が実際に辿るプロセスも別記事で紹介しています。商品設計から仕入先の選定まで、どんな順番で進むのかを具体的にまとめていますので、参考にしてください。
14:00 — 昼営業終了。夜の仕込みへの影響を確認する
14時に営業を終えると、厨房の清掃と翌日の仕込み準備に入ります。ここで毎日確認していることが一つあります。「昼の作業が夜の仕込みを圧迫していないか」です。
夜業態の店主がランチ営業を始めて最初につまずくのが、この点です。昼に体力を使いすぎると夜の質が落ちる。昼の仕込みが長引くと夜の準備が遅れる。これでは本末転倒です。
山道家の仕組みが夜業態に向いている理由の一つが、昼の仕込み時間が短く抑えられることです。長時間スープを炊く必要がないので、開店前の準備が集中して短時間で済む。チャーシューの仕込みは前日にまとめてできる。この設計があってこそ、夜の営業との両立が現実になります。
月間で250〜350名のお客様にお越しいただき、月商25万〜33万円という数字が出ています。カウンター5席・3時間という規模で、です。この数字を「大きい」と見るか「小さい」と見るかは人それぞれですが、夜営業の邪魔をせずに生み出せる利益として考えると、意味が変わります。
不採算店舗にランチ業態を導入する現場の一日でも触れていますが、利益を生み出す仕組みとして昼営業を位置づけることが、継続できるかどうかの分岐点になります。
まとめ — 「炊けない」を理由に諦める前に
一日を振り返ると、山道家の営業は「スープを炊かない」という判断を中心にすべての設計が積み上がっています。タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法。この五つを丁寧に組み合わせることで、お客様に「本格的」と感じてもらえる一杯ができる。これが実証店舗で確認してきた事実です。
加盟金なしの仕組みを選ぶかどうかは、最終的にあなたのお店の状況次第です。ロイヤリティが発生しない分、売上が少ない立ち上がりの時期でも固定費の増加が抑えられる。独自の屋号で始めたい人も、ブランドをそのまま使いたい人も、それぞれに合った形で検討できます。
「昼間のスープが炊けないから無理」と感じている方ほど、一度話を聞いてみてほしいと思っています。まずはお電話でも構いません。054-363-2766 からご連絡ください。
「加盟金なし・ロイヤリティなしで本当に始められるのか」という疑問は、実際に話を聞いた後でなければ判断できません。オリジナルプランとブランドプランの違い、自店への導入可否の確認も含めて、説明会の申込みページから詳細を確認してください。


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