昼間に空いている飲食店は、何を始めるとよいですか?

二毛作・店舗活用

夜営業専業の飲食店のうち、昼間に厨房・客席・設備をまったく使っていない店舗は、実は全体の相当数を占めると言われています。家賃は24時間発生しているのに、稼働しているのは夕方から深夜の数時間だけ——この構造に気づいていても、「では昼に何かやろう」と踏み出せない理由のほとんどは、「昼営業を始めると夜の営業に支障が出そう」という一点に集約されます。

今回は、静岡市清水区で夜は焼肉・ホルモン、昼は家系ラーメンという二毛作を実際に営んでいる立場から、この不安の正体と、具体的な解消策をお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 昼間の店舗・厨房が使われておらず、もったいないと感じている方
  • ✅ 昼営業を始めたいが、夜の仕込みへの影響が心配な方
  • ✅ スタッフが少なく、少人数で回せる昼業態を探している方
  • ✅ フランチャイズではなく、自由度の高い方法で新収益源を作りたい方
  • ✅ 「何から始めればいいか分からない」という状態から抜け出したい方
昼間に空いている飲食店は、何を始めるとよいですか? | 山道家二毛作モデル

「昼営業をすると夜に響く」という不安の正体は何ですか?

この不安は、漠然とした感覚のように見えて、実はかなり具体的な問題を指しています。整理すると、主に次の三つです。

  • 昼営業の片付けが終わらないうちに、夜の仕込みの時間になってしまう
  • 昼に働いたスタッフが夜も出勤する場合、休憩が取れない
  • 昼営業のために朝早くから動き始めると、店主自身が夜に疲弊する

これらはすべて、「時間の動線」が設計されていないことから起きます。昼営業そのものが夜に影響するのではなく、昼と夜の切り替えの段取りが組まれていないことが問題の本質です。

逆に言えば、時間の動線さえ整理できれば、昼営業は夜営業の邪魔にはなりません。私自身、2009年から夜の焼肉・ホルモン店を営みながら、清水駅前で昼の家系ラーメン営業を重ねてきた経験から、そう断言できます。

具体的にどう時間を組めばよいですか?

実証店舗での基本的な時間の流れは、次のとおりです。

  • 10:00〜 昼営業の仕込み・準備(スープの温め、チャーシューのセット、カウンターのセッティングなど)
  • 11:00〜14:00 昼営業(カウンター5席、基本2名で対応)
  • 14:00〜 昼営業の片付け・洗い場・仕込み道具の整理
  • 15:00〜 夜営業の仕込みへ移行

ポイントは、「14時に閉めたらすぐ片付けに入り、15時には夜の準備を始められる状態にする」という逆算です。昼の作業が夜の仕込み時間を削らないよう、昼メニューの品数と作業量を最初から絞っておくことが前提になります。

山道家モデルでは、提供するラーメンのラインナップをあえて絞っています。品数が少なければ、仕込み時間も、片付け時間も、スタッフへの教育コストも、すべて短縮できます。これは「手抜き」ではなく、夜営業との共存を前提にした設計です。

スタッフの勤務はどう組むとよいですか?

よくある懸念として、「昼も夜も同じスタッフに入ってもらうのは無理では?」というものがあります。これは正直、そのとおりです。昼と夜を同じ一人に任せると、休憩が取れず、夜のパフォーマンスが落ちます。

実証店舗では、昼営業は夜とは別の担当を基本にしています。たとえば、昼だけ入れるパートスタッフ一名+店主または責任者一名の2名体制。夜営業のホールスタッフを昼に兼務させる形は、原則として取っていません。

「新しいスタッフを採用する余裕がない」という声もよくいただきます。ただ、カウンター5席・3時間という小規模からのスタートであれば、昼のみ週3〜4日入れる人材を一人確保するだけで始められます。フルタイムの採用より、採用のハードルははるかに低い。小さく始められることが、最大の強みです。

✓ ここまでのポイント

  • 昼営業が夜に響く原因は、時間の動線が設計されていないこと。業態そのものの問題ではない。
  • 10時準備・11〜14時営業・14時以降に片付け→15時から夜仕込みへ、という流れが基本型。
  • 昼と夜でスタッフを分けることで、どちらの質も落とさず回せる。

「メニューを絞れば仕込みも片付けも短くなる」と分かっても、実際に何品に絞るべきか、どこから仕入れるか、チャーシューはどう作るかは、記事だけでは追いきれない部分です。詳細ページでは、実証店舗で使っているレシピ・仕入先・開業研修の内容を確認できます。説明会への申込みも同ページから可能です。

山道家モデルのレシピ・研修内容・説明会を確認する

どんな業態を選べばよいですか?

「では昼に何をやるか」という話になります。居酒屋・焼肉店・ホルモン店など夜業態の厨房は、大きな火力と広い作業スペースを持っていることが多い。これは昼の飲食業態を回すには十分すぎるほどの設備です。

私が選んだのは、家系ラーメンでした。理由は単純で、自分が食べ歩くほど好きだったこと、そして横浜の吉村家をはじめとする名店を何軒も食べ比べて研究してきた蓄積があったからです。

ただし、昼のためだけに何時間もスープを炊くことは、夜営業との共存を考えると現実的ではありません。そこで、業務用のスープをベースにしながら、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を丁寧に調整することで、商品としての完成度を作り上げました。長時間炊き続けることが唯一の正解ではなく、一杯として口に入ったときの満足度が評価の基準だと考えています。

実際に食べていただいたお客様からは、こんな声をもらっています。

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

実証店舗ご利用のお客様

「店炊きかどうか」ではなく、「真剣にやっているかどうか」が伝わるかどうか。飲食業に長く携わってきた立場として、この評価は素直に嬉しかったです。

昼営業で実際にどのくらいの収益が見込めますか?

数字の話をします。ただし、これはあくまで実証店舗の実績であり、立地・席数・営業日数によって変わります。保証できる数字ではないことをあらかじめお断りした上で、参考値としてお伝えします。

  • 席数:カウンター5席
  • 営業時間:11:00〜14:00(3時間)
  • 客単価:約950円
  • 月間客数:約250〜350名
  • 月商:約25万〜33万円
  • 基本運営人数:2名

5席しかない小さなカウンターで、3時間だけ開けて、月に25万円以上の売上が生まれている。この事実が伝えたいことの中心です。「新しく店舗を借りる」「設備を一から整える」のではなく、今ある店舗の昼の時間を使うだけで、これだけの数字が動きます。

もちろん、昼営業を始めることがゴールではありません。ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的です。あなたのお店に合った規模・業態・時間設計があるはずで、そこから逆算して始めることが大切です。

まとめ:昼間の空き時間を「コスト」から「利益」へ変えるために

昼営業を始めると夜に影響する——この不安は、正面から向き合えば解消できます。鍵は、昼と夜の時間の動線を先に設計することです。メニューを絞る、スタッフを分ける、14時には営業を終えて片付けを完了させる。このサイクルが回れば、夜営業を守りながら昼に利益を生み出すことができます。

「営業時間そのものを利益へ変える」という発想で、今ある店舗を活かしてみてください。清水駅前の小さなカウンターで実際に試してきた経験から言えるのは、始める前に思い描く「大変さ」より、動線を整えた後の「動きやすさ」のほうがずっと大きい、ということです。

個別の状況についてご相談がある場合は、お電話でもお気軽にどうぞ。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)

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