先日、居酒屋を営む経営者の方からこんな相談をいただきました。「昼営業を始めたいとは思っているんですが、夜の仕込みに影響が出るのが怖くて、なかなか踏み出せないんです」と。
その言葉を聞いて、「あ、これは私が2023年に昼営業を始めた時に最初に考えたことと全く同じだ」と思いました。夜の焼肉・ホルモン営業が本業である私にとって、昼に何かを始めるということは、夜を守れるかどうかが最大の関心事でした。だからこそ、「夜営業へ影響させない」という一点を軸に昼営業の設計を組み立ててきたんです。今日はその裏側を、できるだけ正直にお話しします。
こんな方におすすめ
- ✅ 昼間に店舗・厨房・客席が余っているのに活かせていない方
- ✅ 昼営業を始めたいが、夜の準備や品質への影響が心配な方
- ✅ 夜営業だけでは光熱費・家賃をカバーできないと感じている方
- ✅ ラーメン導入に興味があるが、仕込みの負担が読めずに迷っている方
- ✅ 小規模・少人数で昼の利益源を作れるか確かめたい方

「昼営業が夜を壊す」という恐怖の正体
多くの夜業態の店主が昼営業に踏み出せない理由は、大きく二つあると感じています。一つは「スタッフや自分が昼から疲弊して、夜に力が出なくなる」こと。もう一つは「昼の仕込みや片付けが、夜の仕込み時間を食いつぶす」ことです。
この恐怖は、全くもって正当です。実際、昼営業の設計を間違えると、夜の営業クオリティが下がり、本業を自分で壊すことになりかねません。私自身、そのリスクをずっと考え続けていました。
だからこそ、山道家の昼営業は「営業時間: 11:00〜14:00」という3時間に絞り込むことにしました。これは「もっと売りたいから短くする」のではなく、「夜を守るために上限を決める」という発想から来ています。14時には厨房を昼の状態から解放し、夜の仕込みに必要な時間と体力を確保する。この線引きがなければ、昼と夜の両立は長続きしないと判断しました。
仕込みを「分離」するという設計の核心
昼営業が夜に影響しない最大の理由は、仕込みの構造にあります。私が選んだのは、業務用スープを活用することで試行錯誤を経て辿り着いた方法で、長時間スープを炊き続けることをしない設計です。
一般的なラーメン店のイメージでは、早朝から豚骨を炊き始めて、何時間もかけてスープを仕込むものだと思われがちです。しかしそれをやると、昼の準備が夜の仕込み時間に食い込みます。夜に焼肉やホルモンの仕込みが控えている店舗では、物理的に両立が難しい。
だから、昼の仕込みは「夜の仕込みを始める前に完全に終わる」ことを大前提にしています。具体的には、昼営業が終わった14時以降、昼の後片付けと軽い洗い物を終えたら厨房を切り替える。ここで大切なのは、昼のラーメン営業が使った器具・カウンターが、夜の営業の邪魔にならない状態に戻っていることです。それを実現するために、使う鍋の数、カウンター上の配置、器の保管場所まで細かく決めています。
また、二人営業を前提にオペレーションを組んだ裏側でも触れていますが、昼の担当者と夜の仕込みを行う人間の役割分担を明確にしておくことも、夜への影響を防ぐ重要な要素です。「昼が終わったら夜の人に渡す」という引き継ぎのイメージを最初から設計に組み込んでいます。
「カウンター5席・3時間」に絞ったのは妥協ではない
実証店舗の規模はカウンター5席、営業時間は11:00〜14:00、基本2名体制です。この数字だけ見ると、「小さすぎて意味があるのか」と思われるかもしれません。でも私は、この規模にしたことを後悔したことは一度もありません。
理由は明快で、5席・3時間という枠が、夜営業への影響をゼロに近づける「安全ライン」だからです。席数が増えれば回転管理も複雑になり、人手も必要になる。営業時間が伸びれば夜の準備時間が削られる。小さく設定することは、夜を守るための積極的な選択です。
そしてこの規模でも、月間で250〜350名のお客様にお越しいただき、月商25万〜33万円という実績を作れています。家賃はすでに夜営業で払っているわけですから、この売上のほとんどが新しい利益として積み上がります。「売上を増やす」というより、「今払っている固定費の分を昼にも回収する」という感覚が正確です。
✓ ここまでのポイント
- 昼営業の時間を11:00〜14:00に限定することで、夜の仕込み時間と体力を守る設計にしている
- 長時間スープを炊く方式を採用しないことで、昼と夜の仕込みを「完全分離」できる構造を実現している
- カウンター5席・3時間という小規模設定は妥協ではなく、夜営業への影響をゼロに近づける積極的な判断
仕込みの分離や時間の上限設定まで読んで、「では自分の店舗の場合、夜の仕込みが始まる何時までに片付けられるか」という具体的な問いが頭に浮かんでいるのではないかと思います。山道家モデルの説明会では、営業時間の設定やオペレーション設計について、店舗の状況に合わせた相談ができる場を設けています。
「本格的」という評価は、設計の積み重ねから生まれた
昼営業を始めて実感したことがあります。それは、提供する一杯の完成度が、仕込み方法の「見た目の正統性」ではなく、食べたお客様の感想で決まるということです。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様より
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様より
これらの声は、スープだけをどうにかしても生まれません。タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供のタイミング、その全体が噛み合って初めて「本格的」と感じてもらえる一杯になります。私が横浜の吉村家をはじめ、各地の家系ラーメンを食べ歩いてきた経験は、この「全体バランスを見る目」を養うためでもありました。
昼に仕込む時間が限られているからこそ、何を削らず、何を外せるかの判断が研ぎ澄まされた。短時間営業という制約が、結果的に設計の精度を上げてくれたと思っています。
夜営業を守るために「昼営業を設計する」という順序
私がこの仕組みをまとめた理由は、同じ悩みを持つ飲食店の経営者に、「夜を壊さずに昼の利益源を作る方法がある」と伝えたかったからです。店舗を増やさずに売上を増やすという発想は、新しく物件を借りることでも、スタッフを大量に採用することでもありません。今ある店舗の昼間という「使われていない時間」を、丁寧に設計して収益に変えることです。
山道家モデルに一つの正解はありません。居酒屋・焼肉店・焼鳥店・ダイニングバー、それぞれの店舗によって、夜の仕込みが始まる時間も、厨房の広さも、使えるカウンターの席数も違います。だからこそ、「夜への影響を最小化しながら昼の利益を最大化する」ための設計を、店舗ごとに考える必要があります。大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。
昼営業を始めることを、夜営業への「リスク」として見るのか、夜の固定費をカバーする「資産活用」として見るのか。その視点の転換が、最初の一歩を踏み出す力になると、私は自分の経験から確信しています。
まとめ
夜営業に影響させない昼営業設計の核心は、「時間の上限を決めること」「仕込みを分離すること」「小さく始めること」の三つです。この三つを最初から設計に組み込んでおけば、昼営業は夜の敵ではなく、夜の固定費を回収する味方になります。
私自身、静岡市清水区の実店舗で毎日この設計を実際に動かしながら、改善を続けています。「理論として正しいかどうか」より「今日も夜の営業に影響が出なかったかどうか」が判断基準です。その積み重ねが、山道家二毛作モデルの土台になっています。
昼営業のことで話を聞いてみたい、自分の店舗に当てはめるとどうなるか考えたい、という方は、お電話でもお気軽にどうぞ。
054-363-2766(山道家二毛作モデル/侍ホルモン清水駅前店)
「夜を守りながら昼の利益源を作る」という設計の全体像を読み終えて、次は自分の店舗でどこから手をつければいいかを確かめたい段階に来ているはずです。山道家モデルの詳細ページでは、オリジナルプランとブランドプランの内容・費用感・研修の流れを確認できます。まず情報を揃えてから判断したい方は、こちらから内容を見てみてください。


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