「ラーメンをやってみたいけど、スープって何時間炊くの?」「タレはどこで仕入れるの?」「麺はどこに頼めばいいの?」——こういった疑問が積み重なって、「何から手をつければいいか分からない」という状態になっている飲食店オーナーは、思いのほか多いと感じています。
夜の居酒屋や焼肉店を長年やってきた方でも、ラーメンは別の世界の話に見えてしまう。調理師の資格があって、仕込みにも慣れていても、「家系ラーメン」という業態に特有のパーツが多すぎて、独学では商品開発に時間がかかりすぎる。仕入先を探し、試作を重ね、提供手順を整える——気がつくと半年が過ぎている、という話もよく聞きます。
今回は、そういった悩みに正面から答えるために、私が「二人体制」を前提にオペレーションを設計した裏側を話したいと思います。なぜ「二人」という人数を基準にしたのか、そしてスープ・タレ・麺・チャーシューそれぞれをどういう考え方で組み立てたのか。実際の店舗運営の中で見えてきたことを、できるだけ具体的にお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ ラーメン営業に興味はあるが、スープやタレの知識が全くない方
- ✅ 夜営業だけで昼間の厨房と客席が空いている飲食店オーナー
- ✅ 少人数・短時間でのランチ営業を現実的に検討したい方
- ✅ 独学の試行錯誤に時間を使いたくない方
- ✅ 家系ラーメンの商品設計の考え方を知りたい方

「二人」を前提にした理由
山道家の実証店舗は、カウンター5席・11:00〜14:00の3時間営業です。この規模感で始めたのは、「小さく始めて改善する」という考え方が根本にあるからですが、もう一つ大きな理由があります。
夜営業を持つ飲食店が昼にラーメンを始めようとする場合、すでに夜の仕込みや仕事を抱えているスタッフに、大きな負担をかけるわけにはいかないという現実があります。新しくスタッフを採用する余裕もない。だからこそ、「二人いれば回せる」という設計を最初の前提に置きました。
「三人必要な仕組みを二人で回す」のではなく、最初から「二人で成立する仕事量と動線」を設計する、という順番です。この違いは、実際にやってみると大きく違ってきます。
一人がホール兼レジを担当し、もう一人が調理を担当する。この役割分担を固定して、動線が交差しない配置に仕込み・提供・洗い場の流れを組み込んでいます。二人体制のランチ営業をどう設計したか、その思考の流れについてはこちらでも触れていますが、今回はその「なぜそう設計したか」という裏側に踏み込んでいきます。
スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー——各パーツを選んだ基準
ラーメン営業に慣れていない飲食店オーナーがまず戸惑うのが、「一杯のラーメンがいくつのパーツで構成されているか」という点です。家系ラーメンの場合、スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・ほうれん草・のり、それぞれが独立した仕事を持っています。これを全部「一からゼロで作る」と考えると、確かにハードルは高い。
私が取った考え方は、「何を自分で作り、何を業務用で調達するか」を最初に仕分けする、というものです。
スープについては、昼営業だけのために長時間炊き続けることは現実的ではないと判断しました。夜の営業がある店舗で、昼に大鍋を何時間も火にかけ続けるのは、熱や匂いの問題だけでなく、仕込みの動線にも干渉します。だからこそ、業務用スープを軸に据えながら、「完成した一杯の満足度」を別の部分で引き上げる設計を選びました。
その「別の部分」が、タレ・鶏油・麺・チャーシューです。ここは自分でコントロールできる領域として、丁寧に設計しました。
タレは家系ラーメン特有のしょうゆダレで、スープとの配合バランスを何度も調整しています。鶏油は香りとコクに直結する部分で、量と質の両方に気を使っています。麺は家系に合う太麺を選ぶことで、食感と吸汁のバランスを整えています。
そしてチャーシューは、特に力を入れた部分です。お客様からも「チャーシューが本当に美味しい」という声をよくいただきます。独自の製法でしっかりと仕上げていて、これがラーメン全体の印象を大きく変えています。
「スープを炊かないなら本格的ではないのでは?」と思う方もいるかもしれません。ただ、実際にお客様から「本格的な家系ラーメン」「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」「間違いなく正統派の家系ラーメン」という声をいただいているのは、この全体のバランス設計があってのことだと考えています。
✓ ここまでのポイント
- 二人体制のオペレーションは、「二人で回せる仕事量」を先に設計することで成立する
- スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューのうち、どこを自分で作り、どこを業務用で調達するかの仕分けが最初の判断
- スープの炊き方ではなく、一杯の完成度のトータルバランスで本格感を作る
スープ・タレ・麺・チャーシューのどこを自分で作り、どこを調達するかの仕分けが最初の壁だ、と感じたはずです。実証店舗で使っているレシピ・仕入先・調理手順の具体的な中身は、説明会の場でお伝えしています。初回の相談から始められます。
「知識がない」ことが一番のブレーキになる
ラーメン営業を始めようとした方が途中で止まってしまう理由を聞くと、ほぼ共通しているのが「仕入先が分からなかった」「試作を繰り返す時間がなかった」という二点です。
これは決して努力が足りないわけではありません。夜営業を抱えながら、昼のラーメン開業を独学で進めるのは、単純に時間と情報量が不足しているからです。
たとえば、業務用スープを選ぶだけでも、複数のメーカーを比較し、自分のタレとの相性を確認し、提供温度と粘度のバランスを確かめる——この作業だけで相当な時間がかかります。麺も同様で、茹で時間・太さ・吸水率によって同じスープでも仕上がりが変わります。
私自身、横浜の吉村家をはじめ多数の家系ラーメン店を食べ歩き、自分の店舗で実際に提供しながら改善を重ねてきました。その過程で蓄積した仕入先の情報・調理の手順・提供の流れを、一から独学でたどる必要はないと思っています。
低資金で始めるラーメン営業に必要な準備の考え方も参考になるかもしれませんが、仕入先・レシピ・オペレーションをまとめて導入できる仕組みがあれば、独学の遠回りをかなり減らせます。
「家系を食べるならここ一択」
実証店舗 来店客より
11:00〜14:00という3時間に、何を詰め込んでいるか
実証店舗の営業時間は11:00〜14:00です。この3時間に、仕込み・開店・ピーク対応・閉店・片付けのすべてが収まるよう設計しています。
ポイントになるのは、「11:00に開けるために、何時から何をするか」という逆算です。提供できる状態にスープを仕上げておく時間、麺を茹でる段取り、チャーシューのスライスと保温、トッピングの仕込み——これを二人の動線に落とし込んでいます。
夜営業を持つ店舗の場合、夜の仕込みが始まる前に昼の片付けが完全に終わっている必要があります。14:00に閉めて、片付け・洗い場・翌日の仕込み確認まで含めると、15:00前後には昼の仕事が終わるように設計しています。この流れが崩れると、夜の営業に影響が出る。そこだけは絶対に守るべきラインです。
5席という規模は「少なすぎる」と感じるかもしれませんが、月間250〜350名・月商25万〜33万円という実績は、この小さな枠の中で積み上げてきた数字です。5席・3時間という制約の中でオペレーションを徹底的に整えた結果が、この数字につながっています。
5席のラーメン店を動かすオペレーションの具体的な中身についても別の記事で詳しく触れているので、合わせて読んでみてください。
まとめ——「知識がない」ままで止まっている必要はない
ラーメン営業に興味があっても、スープ・タレ・麺・チャーシューの知識がないと感じて踏み出せずにいる飲食店オーナーは少なくありません。ただ、その知識は「一から自分で積み上げなければいけないもの」ではありません。
実店舗で検証されたレシピ・仕入先・調理手順・オペレーションをそのまま導入できる仕組みがあるなら、独学の試行錯誤に時間を使う必要はない。大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。
「二人で回せるか」「夜の仕込みに影響しないか」「仕入先はどこか」——この記事で触れた疑問の先を、個別の状況に合わせて確認したい方は、まずお電話でも構いません。054-363-2766(山道家二毛作モデル)までお気軽にどうぞ。
「二人体制・3時間営業」という枠の中で何ができるか、自分の店舗に当てはめてみたくなった方もいると思います。山道家モデルの説明会では、あなたの店舗の席数・時間帯・スタッフ数をもとに、導入の現実的なかたちを一緒に整理できます。


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