10月に入ると、夜の客足の変化が肌で感じられる季節になります。涼しくなった夜風の中、ビールからお燗に切り替えるお客さんが増えてくる、そんなタイミングです。夜の商売をやっていると、この季節の変わり目に「今年も後半戦に入ったな」と気持ちが引き締まります。
でも同時に、もう一つのことも頭をよぎりませんか。昼間、店が何もしていないこと。厨房はきれいなまま。カウンターは静かなまま。家賃だけがきっちり発生しているのに、店舗は夜が来るまでずっと眠っている。
私の店「侍ホルモン清水駅前店」もかつてそうでした。夜は焼肉・ホルモンで回していましたが、昼間のカウンター席は完全に遊んでいました。そこに家系ラーメンの昼営業を加えたのが、今回お伝えしたい話の出発点です。厨房は変わっていません。席数も増えていません。変えたのは、昼間の時間の使い方だけです。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業中心で、昼間の厨房・客席がまったく使われていない方
- ✅ 固定費(家賃・光熱費)に対して稼働時間が短いと感じている方
- ✅ ランチ営業を始めたいが、何を売ればいいか決まっていない方
- ✅ 新しい店舗を出さずに収益源を増やしたいと考えている方
- ✅ 家系ラーメンの導入に興味はあるが、長時間スープを炊く自信がない方

昼間の厨房が「空白」になっていた理由
焼肉店やホルモン店の多くは、夜の仕込みを午後から始めて、夕方開店というスケジュールで動いています。午前中は仕入れや掃除で終わり、昼の時間帯は「仕込み前の準備時間」として使われているか、そうでなければ完全にオフになっている。
客席もカウンターも、昼間は使われていません。でも家賃は一日分かかっています。光熱費の基本料金も、人がいてもいなくても発生します。この「固定費は動いているのに、店舗は止まっている」という状態が、昼の遊休時間の本質的な問題です。
私自身、2009年から夜営業を続けてきて、この状態をずっと「しょうがないこと」として受け入れていました。昼の営業を追加するにしても、何を売ればいいのか。仕込みの時間はどう確保するのか。スタッフを増やすのか。考え始めると、やらない理由がどんどん積み上がっていく。夜まで眠る厨房を見て、二毛作を始めた理由のなかでも書いたことですが、最初の一歩を踏み出すまでが、実はいちばん時間がかかりました。
導入前:厨房は静かで、昼間の売上はゼロだった
ラーメンの昼営業を始める前の状態を、正直に振り返ります。
厨房の稼働は、早くても14時頃から。夜の仕込みに入るまで、設備はほぼ手つかず。カウンター席は5席ありましたが、夜の予約で埋まるのを待つだけの存在でした。昼間の売上は文字通りゼロ。家賃に換算すると、一日のうち半分以上がそのまま損失に近い状態です。
「何かを始めたい」という気持ちはありました。でも飲食の世界では「昼に何かやるなら、それ専用のスープや仕込みが必要だ」という先入観が強くある。私も家系ラーメンが好きで横浜まで食べ歩きに行くくらいですから、ラーメンへの興味はあった。ただ、「店炊きのスープをどう炊くか」という発想の枠から出られずにいた時期がありました。
導入後:カウンター5席が昼の収益源になった
実際に家系ラーメンの昼営業を始めてから、厨房の景色が変わりました。午前中に仕込みを終わらせ、11時に開店する。14時には片付けて、夜の準備に入る。このサイクルが整うまでに試行錯誤はありましたが、夜の仕込みに影響が出ることはほとんどありませんでした。
重要なのは、「スープをゼロから炊く」という発想を手放したことです。業務用スープをベースに使いながら、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供の手順を徹底的に調整する。「完成した一杯の満足度」を設計することに集中することで、長時間のスープ炊きなしに本格的な家系ラーメンを出せるようになりました。
現在の実績はこの通りです。
- 席数:カウンター5席
- 営業時間:11:00〜14:00(3時間)
- 客単価:約950円
- 月間客数:約250〜350名
- 月商:約25万〜33万円
- 基本運営人数:2名
5席・3時間という小規模でも、継続すれば月25万円を超える売上が生まれます。「5席だけでも収益は生まれます」というのは、数字として実証していることです。
お客さんからはこんな声もいただいています。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗へのお客様の声
この言葉が、私が目指していた方向性と一致していると感じました。「本物かどうか」を決めるのはお客さんです。長時間スープを炊いているかどうかではなく、一杯を口にして「ちゃんとやっている」と思われるかどうかが全てだと、この声を聞いて改めて確信しました。
✓ ここまでのポイント
- 昼間の厨房・客席が何も生み出していない状態は、固定費を一方的に消費し続けていることを意味する
- 「店炊きスープが必要」という先入観を外し、一杯全体を設計することで、本格的な満足感を実現できる
- 5席・3時間という小規模から始めても、月商25万円以上の実績は出せる
「5席・3時間でも月25万円以上」という実績を見て、「うちの厨房でも仕組みとして成立するのか」という疑問が残っている方もいるはずです。山道家モデルの詳細ページでは、レシピ・オペレーション・仕入れ先紹介を含む導入支援の内容と、説明会への参加方法を確認できます。申込み前に内容を読んで判断できる形になっています。
厨房の「ビフォーアフター」を分けた、たった一つの視点
焼肉店に家系ラーメンを導入した経緯を、焼肉店とラーメンの二毛作が相性のよい理由のなかでも詳しく書きましたが、両業態の相性がいいのには理由があります。焼肉店の厨房は「加熱設備・換気・仕込みスペース」が揃っている。家系ラーメンに必要な最低限の設備条件を、多くの焼肉店がすでに満たしているんです。
つまり、焼肉店が「昼に使えるものを持っていなかった」のではなく、「持っているものを昼に使っていなかった」だけ。この視点の転換が、導入前と導入後を分けた本質だと思っています。
新しく何かを作ろうとすると、設備投資・物件取得・スタッフ採用という壁が次々と現れます。でも今ある店舗を昼に活かすという発想に切り替えると、壁の多くは最初から存在しない。「新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす」という考え方の意味は、実際に自分の店で体感して初めてはっきり分かりました。
また、焼肉店の昼ラーメンで利益を残す5つの方法でもまとめていますが、売上を増やすことと利益を残すことは別の話です。ラーメン導入で売上が増えても、余計な仕込みや人件費が増えれば利益は出ません。5席・短時間・少人数という設計は、利益を残すための意図的な選択です。
昼の厨房を動かし始めるための、最初の判断基準
「うちの店でもできるか」と考えたとき、最初に確認してほしいのは3点だけです。
まず、昼間に使えるカウンター席が3席以上あるかどうか。次に、11時〜14時の時間帯に営業できる人員が2名確保できるかどうか。そして、夜の仕込みのスタート時間が14時以降かどうか。この3点が揃っていれば、導入の基本条件はほぼ整っています。
大きな設備投資は必要ありません。新たにスタッフを増やす必要も、必ずしもありません。ラーメンを始めることが目的ではなく、昼の遊休時間から新しい利益源を作ることが目的です。「ラーメンは手段です」という言い方を私はよくしますが、その通りで、一杯のラーメンを通じて厨房の稼働率を上げ、固定費の回収効率を改善することが本質です。
山道家モデルでは、レシピだけを渡して終わりにはしていません。仕入れ先の紹介から、オペレーションの組み方、チャーシューの製法まで含めて、実際に営業できる状態を目指しています。「大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです」というのが、私が一番伝えたいことです。
まとめ:眠っていた厨房は、動かせる
焼肉店の昼営業を始める前と後で、何が変わったか。厨房の設備は変わっていません。席数も変わっていません。変わったのは、昼間の時間に対する向き合い方だけです。
固定費は毎日発生しています。家賃もそうですし、設備の減価償却もそうです。昼間が何も生み出さない状態は、ただ見過ごしているだけで毎月の負担になっています。小さく始めて、改善しながら育てていく。それが、今ある店舗を無理なく活かす一番確実な方法だと、実際に運営して感じています。
個別に話を聞きたい場合は、電話でも受け付けています。
📞 054-363-2766(侍ホルモン清水駅前店・山道家二毛作モデル担当)
昼間の厨房が動いていない状態を「しょうがない」と受け入れてきた経営者ほど、一度この仕組みを具体的な数字で見てほしいと思っています。説明会では、5席・短時間・少人数という実証店舗の実績をもとに、あなたの店舗への当てはめ方を一緒に考えることができます。まず情報を集める段階から始められます。


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