バーの昼時間に別業態を作る理由

二毛作・店舗活用

バーを経営されている方から、こんな相談をいただくことがあります。「昼間、店が完全に空いているんです。家賃はもちろん払っているし、何かできないかとずっと考えているんですが…」と。

その言葉を聞くたびに、私は自分の失敗を思い出します。

静岡・清水で焼肉・ホルモン店を長年やってきた私が、昼に家系ラーメンを始めようと最初に思い立ったのは2022年のこと。「どうせ店も厨房も空いてるなら、ラーメンをやればいい」と、随分と軽い気持ちで動き始めました。最初につまずいたのが、スープでした。

「家系ラーメンなら豚骨を炊かないと」という思い込みがあって、朝から骨を仕込んでみたんです。でも夜は夜で焼肉の営業があります。スープを炊きながら夜の仕込みをして、気づいたら一日中厨房に立っている。翌日にはもう続けたくないと感じていました。体力の問題もありますが、何より夜営業のクオリティに影響が出始めたんです。昼のために夜を犠牲にするなら、本末転倒です。

その失敗があったから、「炊かずに作る」という発想に辿り着けました。今日はその話をします。

こんな方におすすめ

  • ✅ バーや酒場を経営していて、昼間の店舗・厨房・客席が使われていない方
  • ✅ 昼営業を始めたいが、長時間の仕込みが夜営業に響くことを心配している方
  • ✅ 豚骨スープを炊かずに本格的なラーメンが出せるのか知りたい方
  • ✅ ロイヤリティなしで、自分の屋号のまま新業態を始めたい方
  • ✅ 5席・少人数という小規模から試してみたい方
バーの昼時間に別業態を作る理由 | 山道家二毛作モデル

「炊けばいい」と思っていた、あの頃の間違い

家系ラーメンへの思い入れは、人一倍あると思っています。横浜の吉村家をはじめ、数えきれないほどの家系の店を食べ歩いてきました。だから余計に、「家系ラーメンといえば長時間炊いたスープ」という刷り込みが強かった。

でも現実を見れば、昼だけのために何時間も骨を炊くのは、バーや居酒屋の経営者にとって現実的ではありません。夜の営業準備や仕込みが昼の作業と重なれば、どちらかのクオリティが落ちる。私はそれを身をもって体験しました。

昼のスープを炊きながら夜の仕込みが追いつかず、夜の常連客に「今日のホルモン、なんか違うね」と言われた日のことは今でも覚えています。あの一言が、転換点になりました。

「どちらかを守ろうとするから、両方が崩れる。設計を変えなければ」と。

スープを炊かなくても、一杯は完成する

試行錯誤の末にたどり着いたのは、スープを自分で炊くことを前提にしない設計です。業務用のスープベースを使いながら、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法のトータルで「一杯の満足度」を作ることができる、という考え方です。

正直に言えば、最初はその発想を受け入れることができませんでした。「業務用スープでは本格的にならない」という思い込みがあったからです。でも実際に何度も調整を重ね、静岡市清水区の実店舗でお客様に提供し続けた結果、こんな声をいただくようになりました。

「本格的な家系ラーメン」「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」「間違いなく正統派の家系ラーメン」

実証店舗に来店されたお客様より

評価してくださったのは、家系ラーメンを食べ慣れたお客様です。スープを炊いているかどうかを基準に判断しているわけではなく、「この一杯が美味しいかどうか」を正直に伝えてくれた言葉だと受け取っています。

大切なのは製法の「正しさ」ではなく、飲食店の本質である「お客様が満足するかどうか」です。良いか悪いかを最終的に判断するのはお客様です。

タレひとつ、鶏油ひとつで、スープの印象はかなり変わります。麺の太さや茹で加減、チャーシューの仕込み方、どんぶりの温め方。そういった細かい要素の積み重ねが、一杯の完成度を決めます。スープを炊く時間がなくても、調整できる余地はたくさん残っています。

この発想の詳細については、セントラルキッチンを持たずに家系ラーメンを始める方法にもまとめていますので、あわせて読んでみてください。

✓ ここまでのポイント

  • 昼営業のためにスープを長時間炊くことは、夜営業の仕込みや店主の体力を圧迫する
  • 業務用スープ+タレ・鶏油・麺・チャーシューの組み合わせで、本格的という評価を得ることは可能
  • 「炊いているかどうか」ではなく、「お客様が満足するかどうか」が判断基準

スープを炊かない設計ができると分かっても、「タレや鶏油をどう調整すればいいか」「麺はどこから仕入れるか」という次の問いが残ります。山道家モデルの詳細ページでは、レシピ・仕入先紹介・オペレーション設計・開業研修の内容と、説明会への申込み方法を確認できます。

山道家モデルのレシピ・仕入先・研修の詳細を見る

バーの昼時間に、別業態を作ることの意味

バーという業態は、夜の空間設計が徹底されています。照明・BGM・カウンターの作り込み。その分、昼間の店舗は別の顔を持てます。

私の実証店舗では、カウンター5席・11:00〜14:00という営業形態で家系ラーメンを提供しています。夜営業の合間に収まる3時間の昼営業です。基本の運営人数は2名。夜営業が始まる前には完全に片づいている状態になります。

バーのカウンターは、ラーメン一杯を食べる空間として違和感がありません。むしろ、丁寧に作られたカウンターで食べるラーメンに、独自の雰囲気が生まれることもある。「新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす」という考え方を、バーという業態は特に体現しやすいと思っています。

夜に使っていないカウンター席があるなら、それはすでに設備投資が終わっている場所です。あとは何を提供するかを決めるだけ。ここに家賃を一日分払い続けながら、昼間は閉めているというのは、やはりもったいない。

夜だけ営業する店に昼の可能性がある理由について、別の角度から書いた記事もあります。バー以外の業態にも共通する話ですので、参考にしてみてください。

「始められない理由」を一つひとつ外していく

「ラーメンを昼に始めたい」と考えている経営者の方と話すと、止まっている理由がいくつか出てきます。スープをどうするか。レシピはどこから手に入れるか。仕入先が分からない。スタッフを増やす余裕がない。フランチャイズの費用は払えない、でも独力では何も分からない。

どれも正直な悩みです。私自身が同じ場所で止まっていました。

山道家モデルとして体系化したのは、その「止まっている理由」を一つひとつ外す仕組みです。レシピだけでなく、仕入先・チャーシューの製法・オペレーション・開業研修まで含めて提供しています。ブランドを使いたい方には「山道家」のロゴやメニューデータも提供できますし、自分の屋号で始めたい方はそちらでも問題ありません。

加盟金も月額ロイヤリティも契約期間もありません。フランチャイズを否定しているわけではなく、それとは別の選択肢として作ったものです。ラーメン二毛作のオペレーションをどう設計したかについても、別の記事で詳しく書いていますのでご覧ください。

小さく始められることが最大の強みです。5席だけでも収益は生まれます。最初から完璧に作ろうとしなくていい。動かしながら改善していく、その繰り返しです。

「チャーシューが本当に美味しい」「家系を食べるならここ一択」

実証店舗に来店されたお客様より

こうした声は、何度調整しても「もう少しできる」と積み重ねてきた結果です。一発で完成したわけではありません。営業しながら改善する、その姿勢がなければこの言葉は出てこなかったと思っています。

まとめ:昼の3時間を、夜に影響させずに動かす

バーの昼時間に別業態を作ることは、夜営業を守ることと矛盾しません。スープを炊かない設計を選べば、夜の仕込みに影響させずに昼を動かすことができます。

実証店舗では11:00〜14:00の3時間で毎月250〜350名のお客様に来ていただいています。5席・2名という小さな規模でも、新しい利益の柱はできます。

「昼の店舗が空いている」「夜だけでは利益が残りにくくなっている」「何かを始めたいが最初の一歩が分からない」。そう感じているバーや酒場の経営者の方に、この記事が何かのきっかけになれば嬉しいです。

直接話を聞いてみたい方は、お電話でも受け付けています。
📞 054-363-2766(侍ホルモン清水駅前店/山道家)

「5席・3時間・夜営業に影響させない」という形を自分のバーで再現できるか、まず確認したい方は詳細ページへ。オリジナルプランとブランドプランの違い、説明会の日程、導入の流れを一度見てみてください。

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