飲食店の収入源を増やす方法として二毛作は有効ですか?

二毛作・店舗活用

実は、夜だけ営業している飲食店の多くは、家賃・設備費を「一日分」支払いながら、店舗を稼働させている時間は一日の3〜4割程度に過ぎません。売上があるのに手元に利益が残らない原因の一つが、ここにあります。

昼間、誰も座っていないカウンター席。火も入れていない厨房。毎月確実にかかり続ける固定費。この「空白の時間」をどう扱うかが、今の飲食店経営における大きな分かれ道になっていると、私は感じています。

私は静岡市清水区でホルモン焼肉店「侍ホルモン清水駅前店」を2009年から営みながら、同じ店舗の昼間に家系ラーメン「横浜家系ラーメン山道家」を開いてきました。その経験から、飲食店の二毛作が利益を生み出す手段として有効かどうか、正直にお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業の売上はあるのに、月末の利益がなかなか残らないと感じている方
  • ✅ 昼間の店舗・厨房・客席が空いていてもったいないと思っている方
  • ✅ 新しい収益源を作りたいが、新たに物件を借りる資金がない方
  • ✅ ラーメン導入やランチ営業に興味はあるが、何から始めればいいか分からない方
  • ✅ フランチャイズ以外の選択肢を探している飲食店オーナーの方
飲食店の収入源を増やす方法として二毛作は有効ですか? | 山道家二毛作モデル

飲食店の「二毛作」とは何ですか?

農業の言葉を借りると、同じ田畑で一年に2種類の作物を育てることを二毛作といいます。飲食店の二毛作も考え方は同じで、一つの店舗・一つの厨房・一つの客席を使い、昼と夜で異なる業態を営業することを指します。

居酒屋が昼にランチ定食を出す、焼肉店が昼だけラーメンを提供する、といった形が典型的な例です。新しく店舗を借りるのではなく、「今ある資産の稼働時間を増やす」という発想です。

家賃は昼も夜も同じだけかかります。厨房設備も、使っていれば減価償却するだけです。であれば、昼の時間にも何か価値を生み出せないか——この問いが、二毛作の出発点になります。

二毛作は夜営業の利益不足を本当に解消できますか?

「売上は出ているのに、なぜか利益が残らない」という状況を抱える飲食店オーナーは少なくありません。原材料費・人件費・光熱費が上がる中、夜一本の営業だけで固定費を回収し切るのは、年々難しくなっています。

この問題の本質は、収益を生む時間帯が限られているのに、固定費は時間に関係なくかかり続けることです。夜6時間の営業で月の家賃を払い切ろうとすれば、一時間あたりに稼がなければならない金額が大きくなる。当然、余裕が生まれにくい。

二毛作で昼の営業を加えることは、この構造に直接働きかけます。すでに払っている家賃・設備の上に、新しい売上と利益を積み上げることができるからです。追加の固定費がほぼ発生しない状態で収益源が増えれば、一時間あたりの固定費負担は自然と下がります。

私自身の実証店舗では、カウンター5席・営業時間3時間(11:00〜14:00)・基本2名体制で、月間250〜350名のお客様にご来店いただき、月商25万〜33万円の水準で推移しています(営業日数や季節による変動あり)。5席・3時間という小規模な運営でも、新しい利益の柱として機能することを実際の営業で確かめています。

✓ ここまでのポイント

  • 二毛作とは、同じ店舗・厨房・客席を使って昼と夜で別業態を運営すること。新規物件は不要。
  • 夜営業の利益不足は「稼働時間の短さ」が一因。昼の時間を活かすことで固定費の回収効率が上がる。
  • 5席・3時間という小規模でも、月25万〜33万円の売上を生み出せる実績がある。

二毛作でラーメンを導入するのはなぜ有効なのですか?

昼営業の業態として、私がラーメン——特に家系ラーメン——を選んだのには理由があります。

まず、客単価と回転率のバランスが取りやすい。家系ラーメンは一杯900〜1000円前後で、短時間で提供・完食できます。3時間という限られた営業時間でも、十分な売上を積み上げられます。

次に、少人数で回せるオペレーションを設計しやすい点です。メニューを絞り込めば、仕込みも提供もシンプルになります。夜営業のスタッフが兼務しやすく、新たな採用が難しい状況でも動かせます。

ただし、一つ正直に伝えたいことがあります。昼だけのために何時間も豚骨やガラをグツグツ炊き続けることは、夜営業を持つ飲食店には現実的ではありません。スープを炊く時間・手間・コストが、昼営業そのものを重くしてしまう。

そこで私が研究してきたのが、業務用スープをベースにしながら、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を組み合わせて完成させる設計です。スープ単体の作り方ではなく、一杯として完結した満足感を作ることに焦点を当てました。

「間違いなく正統派の家系ラーメン」

山道家 実証店舗ご来店のお客様

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

山道家 実証店舗ご来店のお客様

長時間炊いていないのに「本格的」と評価される。その背景には、スープだけを取り出して評価するのではなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・丼の温め方に至るまでを総合的に設計しているからです。良いか悪いかを最終的に判断するのはお客様——この前提に立ち、実際の営業で改善を重ねてきた結果です。

二毛作を始める前に確認すべきことは何ですか?

二毛作が有効かどうかは、あなたのお店の状況によって変わります。始める前に確かめておきたいことを整理します。

昼間の客席と厨房は本当に空いているか。当たり前に聞こえますが、仕込みのタイミングや他の用途と重なっていないかを確認する必要があります。昼11〜14時の時間帯に、厨房も客席も動かせる状態か、まずここから確認します。

何人で回すか。新しくスタッフを採用する余裕がない場合、既存スタッフの勤務体制に組み込めるかどうかが焦点になります。山道家の実証モデルは基本2名体制で設計していますが、店舗の規模や席数によって最適な人数は変わります。

夜営業への影響を最小化できるか。昼営業が終わった後、片付け・清掃・夜の仕込みへスムーズに移れる動線を作れるかどうかが重要です。10時ごろ準備を始め、14時に営業終了、その後は夜の仕込みへ——という流れが現実的に組めるかを確認してください。

商品設計と仕入先を用意できるか。「ラーメンを出す」と決めても、レシピ・仕入先・提供手順を一から作るには相応の時間がかかります。独学で試行錯誤する時間が取れない場合、すでに実証されたノウハウを活用することも一つの選択肢です。

二毛作の導入にフランチャイズは必要ですか?

「ラーメンを始めるならFC(フランチャイズ)に加盟しなければいけない」と考える方もいますが、そうとは限りません。FCは体系化されたノウハウとブランド力を一度に手に入れられる点で有効な選択肢ですが、加盟金・月額ロイヤリティ・指定仕入先・契約期間といった縛りも伴います。

二毛作の目的は、ラーメン店になることではなく、既存店舗に新しい利益源を加えることです。その目的に対して、FCの仕組みがすべての店舗に合うわけではありません。

山道家モデルでは、レシピ・オペレーション・チャーシュー製法・仕入先紹介・開業研修をまとめて提供しますが、加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間はありません。自店の屋号で始めたい方向けのオリジナルプランと、山道家のブランド・ロゴ・メニューデータを使えるブランドプランの2種類を用意しています。大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。

FCを否定したいわけではありません。ただ、「別の選択肢もある」ということを知った上で判断してほしいのです。

まとめ:二毛作は「新しく作る」ではなく「今ある店舗を活かす」という発想です

飲食店の収入源を増やす方法として、二毛作は有効です。ただし、「やれば必ず利益が出る」という話ではなく、「今ある資産の稼働時間を増やすことで、追加投資を最小限に新しい利益源を作れる可能性がある」という話です。

JR清水駅西口から徒歩約1分、静岡市清水区の小さなカウンター5席で始めたこの実証店舗は、今も毎日昼11時から営業しています。理論だけではなく、現在も動いている現場から得た知見をもとに、導入を検討している飲食店オーナーの皆様にお伝えできることがあると思っています。

昼間の店舗が空いている、夜営業だけでは利益が残らない、そんな状況をお持ちでしたら、まずは話を聞いてみてください。店舗ごとに最適解は異なります。あなたのお店の状況に合わせた二毛作の進め方を、一緒に考えることができます。

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