飲食業界において、1店舗あたりの平均的なアルバイト・パート従業員数は年々減少傾向にあります。現場の実感としても、「人を増やしたくても増やせない」という声は日常的に聞かれるようになりました。実際に私が静岡市清水区で運営する実証店舗でも、スタッフ確保の難しさは身をもって経験してきた課題です。
だからこそ、山道家二毛作モデルを設計する上で、最初に決めた原則がひとつあります。それは「多人数がいないと回らない業態は作らない」ということです。
新業態に興味はある。でも今いるスタッフだけで回せるのか分からない。そのまま踏み出せずにいる経営者の方に向けて、今回は「少人数で回せるラーメン店を目指した理由」を、実際の数字と現場の判断を交えながらお話しします。
こんな方におすすめ
- ✅ 新業態を始めたいが、新たにスタッフを採用できない方
- ✅ 夜営業の人員のまま昼営業を追加したい方
- ✅ 少人数で安定して回せるオペレーションの設計を知りたい方
- ✅ ラーメンFCへの加盟を検討しているが継続費用が気になる方
- ✅ 5席前後の小規模なカウンターで昼営業を試したい方

「2名で回せるか」を最初に問いとして置いた
私が家系ラーメンの昼営業を始めたとき、前提にしたのは「夜営業のスタッフが、そのまま昼にも動ける体制」でした。焼肉・ホルモンの夜営業を長年やってきた身として、昼のためだけに別途スタッフを雇う余裕はない。それは最初から分かっていたことです。
だから逆算しました。使える人数は基本2名。その前提で「できること」と「やらないこと」を仕分けしていったのが、オペレーション設計の出発点です。
結論から言えば、現在の実証店舗ではカウンター5席・11時〜14時の3時間営業・基本2名体制で運営しています。月間の来客数は250〜350名程度、月商は25万〜33万円という水準で推移しています。決して大きな数字ではありませんが、これが「2名・3時間」で生み出せる利益の実態です。
規模が小さいからこそ、ミスが出にくい。お客様を待たせにくい。そして何より、夜営業の仕込みに影響を与えずに昼営業を終えられる。これは数字に出ない大切な条件でした。
商品数を絞ることで「オペレーションの複雑さ」を排除する
少人数で回す上で、最大の障壁になるのは「メニューの多さ」です。品数が多ければ、当然ながら仕込みの種類も増え、提供中の判断も増え、ミスが起きやすくなります。2名体制でこれをやると、どちらかが手を離せなくなった瞬間に詰まります。
山道家の実証店舗では、ラーメンの種類を最小限に絞り、トッピングの組み合わせで対応できる設計にしています。「何を出すか」より「何を出さないか」を先に決めた、という感覚が近いかもしれません。
ラーメン以外のサイドメニューについても、夜営業の設備や食材と共有できるものに限定しています。新たに仕入先を開拓する必要がなく、仕込みの動線がシンプルに保てる。これが2名でも破綻しない理由のひとつです。
商品数を絞ることへの不安は分かります。「選択肢が少ないとお客様に物足りなく思われないか」という懸念は、私自身も最初に持っていました。ただ、実際に営業を続けていく中で気づいたのは、少ない選択肢でも「一杯に集中して磨く」ことができれば、お客様には届くということです。
✓ ここまでのポイント
- 「基本2名で回せるか」を前提に置いてオペレーションを逆算設計した
- 商品数を絞ることで仕込みの複雑さを排除し、少人数でも安定して動ける仕組みにした
- 夜営業の設備・食材と重複させることで、新たな負担を最小限に抑えた
商品数を絞り、役割分担を明確にすることで2名運営が成立することは分かった。ただ、「自分の店に当てはめたとき、具体的に何を絞ればいいのか」という部分は、記事だけでは埋まらない部分が残ります。山道家モデルの説明会では、オペレーション設計の考え方を個別の状況に照らし合わせて確認できます。
「本格的」という評価は、人数ではなく設計から生まれる
少人数・少ない品数で回していると言うと、「クオリティは大丈夫なのか」と思われることがあります。これは正直なところ、私が最も気にしていた部分でもあります。
実証店舗を訪れたお客様からいただいた声で、今でも印象に残っているものがあります。
「本格的な家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
この一言は、単純に嬉しかっただけではありません。「本格的かどうかは、炊き方の手間の多さではなく、完成した一杯の全体設計で決まる」という判断が間違っていなかったことの確認でした。
山道家モデルでは、スープだけを単体で評価するのではなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体バランスを整えることに力を注いでいます。各パーツの調整と組み合わせによって、少人数のオペレーションでも「本格的」と感じてもらえる一杯に仕上げる。これが設計思想の核にあることです。
チャーシューについても「チャーシューが本当に美味しい」という声をいただいており、提供する一品一品の完成度を高めることで、少人数体制でも評価を得られることを実店舗で確認し続けています。
オペレーションの設計と商品の品質設計は、切り離せません。初期費用を抑えながらも味を妥協しない考え方についても、別の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
「役割を明確にする」ことが少人数運営の要になる
2名で回す場合、最も重要なのは「誰が何をするか」の線引きです。この役割分担があいまいなまま動くと、2名でも混乱します。
実証店舗での基本的な役割分担はシンプルです。一人が調理・盛り付けに集中し、もう一人が接客・配膳・会計・簡単な補助を担う。この構造を崩さないことが、短い営業時間の中でお客様を待たせずに提供できる鍵になっています。
3時間という営業時間も、意図的な設定です。ランチのピーク帯を外れずに終えることで、スタッフへの過負荷を防ぎ、夜営業の準備に影響を出さない。この「終わりを決める」という発想が、持続できる体制を作ります。
また、少額投資で新業態を始める際の考え方でも触れていますが、「始めやすさ」と「続けやすさ」は別物です。少人数体制を無理なく維持できるかどうかは、最初のオペレーション設計で8割が決まると私は考えています。
「人を増やさずに収益を増やす」ことを目指した理由
私が2023年に山道家二毛作モデルとしてこの仕組みを体系化したのは、同じ悩みを持つ経営者が全国にいると気づいたからです。夜営業中心の居酒屋・焼肉店・焼鳥店・ダイニングバーなど、昼間の店舗・厨房・客席が使われていない飲食店は決して少なくありません。
「昼にラーメンをやってみたいが、人が増やせない」——その一点で踏み出せずにいる経営者のために、5席・基本2名・3時間という実績を積み上げてきました。新しく店舗を借りずに始めることを勧める理由とも重なりますが、新規出店に頼らず今ある環境で収益源を追加できるかどうか、それがこのモデルの根幹にある問いかけです。
調理師として17年、夜営業の現場を動かし続けてきた経験から言えることがあります。人員が少ないことは、必ずしもハンデではない。設計が正しければ、少ない人数の方が動きが読みやすく、品質がぶれにくい局面もあります。問題は人数ではなく、人数に見合った設計があるかどうかです。
まとめ:少人数で回せる設計をしてから、始める
今回の話をひとことでまとめると、「始める前に設計する」ということです。スタッフが少ないという条件を前提に、商品・オペレーション・役割分担・営業時間をセットで設計する。その順番が守られていれば、少人数でも持続できる昼営業は作れます。
山道家モデルが目指しているのは、ラーメン店を増やすことではなく、今ある店舗で無理なく利益源を追加できる経営者を増やすことです。「2名で回せるか」という問いを最初に置いたのも、その姿勢そのものです。
導入を検討している方、あるいは「うちの店でも試せるか」と思っている方は、まずお気軽にお電話でご相談ください。
📞 054-363-2766(侍ホルモン清水駅前店・山道家二毛作モデル担当)
「基本2名・5席・3時間」という実績は、読んで納得するより、自分の店に当てはめて検討することで初めて意味を持ちます。オリジナルプランとブランドプランの違いも含め、導入前に確認しておきたい内容は説明会ページにまとまっています。次の一手を具体的に動かすための場として使ってください。


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