先日、焼鳥店を営むオーナーの方からこんな相談をいただきました。「昼営業を始めたいとは思っているんですが、今いるスタッフで回せるかどうかが心配で……」と。
この声、本当によく聞きます。夜営業を長年やってきて、人の動かし方はわかっている。でも昼を加えることで現場が崩れないか、スタッフの負担が増えすぎないか、不安になるのは当然です。
私自身も同じ不安を抱えながら、清水駅前の実店舗でカウンター5席・営業時間3時間・基本2名というかたちで昼営業をスタートしました。試行錯誤のなかで分かったのは、「人を増やさなくても昼営業はできる」ということです。ただし、そのためにはオペレーションの設計が要る。今日はその具体的なポイントを5つに整理してお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 昼間の厨房や客席が空いているのに活用できていない居酒屋・酒場の店主
- ✅ 新たにスタッフを採用する余裕がなく、少人数で昼営業を始めたい方
- ✅ 何を昼のメニューにすればいいか決まらずに悩んでいる経営者
- ✅ 昼営業が夜の仕込みや既存スタッフの勤務に悪影響を与えないか不安な方
- ✅ 新規出店ではなく、今の店舗を使って収益を増やしたい方

ポイント① メニューは「1本軸」で設計する
昼営業を少人数で回すうえで、最初に決めるべきはメニューの数です。夜営業の感覚でメニューを増やすと、仕込み量・調理工程・提供時間がすべて複雑になります。2名体制ではすぐに限界が来ます。
私が実証店舗でたどり着いたのは、「軸になる1品+トッピング数種」という構成です。主役を1つに絞ることで、仕込みのボリュームが読めるようになり、作業の流れが一定になります。スタッフが覚えることも減るため、慣れるまでの時間が短くて済みます。
居酒屋や焼肉店・焼鳥店の厨房には、すでにある程度の設備が揃っています。その設備で作れて、昼のお客様が喜んでくれる1品を選ぶこと。これが少人数運営の出発点です。
居酒屋の昼営業に向いているメニューの考え方についても別の記事で整理していますので、品目選びで迷っている方はあわせてご覧ください。
ポイント② オペレーションを「時間割」で組む
昼営業が夜営業に影響する最大の原因は、時間の流れが整理されていないことです。昼の片付けが終わらないまま夜の仕込みに入ると、どちらも中途半端になります。
私が実証店舗で整理した基本の時間割はこうです。
- 10:00〜10:45 仕込み・開店準備
- 11:00〜14:00 昼営業
- 14:00〜14:30 片付け・清掃
- 14:30〜 夜営業の仕込みへ移行
この流れを守ることで、昼と夜がはっきり分離されます。スタッフの動きに迷いがなくなり、夜営業の準備も予定どおりに進みます。店舗ごとに営業時間や厨房の広さは異なるので、この枠組みをベースに自分の店に合わせて調整することが大切です。
居酒屋ランチを始めるための7ステップでは、開業準備の順番も含めて詳しく解説しています。昼営業を具体的に動かしたい方の参考になると思います。
ポイント③ 「2名で完結する」導線を作る
昼営業の適正な人数は、席数と回転数から逆算します。カウンター5席・3時間の営業であれば、1人が調理、1人がホールと簡単な補助、という2名体制で十分回ります。
ただし、この2名体制が成立するには条件があります。
- 注文から提供までの手順がシンプルであること
- 盛り付けにかかる時間が読めること
- 会計の流れが滞らないこと
たとえば、トッピングを「普通・多め・少なめ」の口頭確認だけで対応できるようにしておく、会計はセルフレジや前払い方式を取り入れる、といった小さな工夫が積み重なって、2名運営の安定性を高めます。
実証店舗での月間客数は約250〜350名、月商は約25万〜33万円です。数字は営業日数や季節によって変動しますが、実績の中心的な意味は、5席・3時間という小規模営業でも収益を生み出せることです。3名・4名いなくても、設計次第で成立します。
✓ ここまでのポイント
- メニューは「1品軸」に絞ることで、少人数でも仕込みと提供が安定する
- 昼・夜の時間割を明確に分けることで、夜営業への影響を最小化できる
- 2名で完結する導線を設計すれば、新規採用なしで昼営業は動かせる
2名体制で回すための「導線設計」は分かった、でも自分の店の厨房・席数・時間帯に当てはめると何から手をつければいいか、そこで止まっている方は多いです。山道家モデルの詳細ページでは、オペレーション設計の考え方と、実店舗で検証した仕入先・研修内容まで確認できます。説明会への申込みもそのページから行えます。
ポイント④ 「商品の完成度」で人手不足を補う
昼営業の一杯に対して、お客様は正直です。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
「チャーシューが本当に美味しい」
実証店舗ご来店のお客様
この評価をいただいているのは、スタッフが多いからではありません。スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法という、一杯を構成する要素を一つひとつ丁寧に設計したからです。
人の数が少ないぶん、商品そのものの完成度で信頼を作ります。仕込みの工程を減らしつつ、お客様が満足できる品質を確保するには、「何をどこまで自前でやるか」を最初から決めておくことが重要です。何でも手作りにしようとすると2名では限界が来ます。任せられる部分は仕入れで解決し、店舗で付加価値をつける部分に集中する、という発想が少人数運営の核心です。
ポイント⑤ 「小さく始めて、数字で判断する」
昼営業を始めるとき、最初から完璧な体制を目指す必要はありません。むしろ最初は、週3〜4日・カウンターだけ・限定メニューというかたちで試してみることをすすめています。
実際に回してみると、「この時間帯にお客様が集中する」「この工程に時間がかかりすぎる」「この日はほとんど来ない」といったことが数週間でわかってきます。理論ではなく、自分の店での実数で判断できるようになります。
客単価・月間客数・月商という数字を毎月記録しておくと、改善のどこに手を打つべきかが見えてきます。小さく始めることは、リスクを抑えるだけでなく、正確な情報を早く手に入れることでもあります。
二毛作飲食店が成功するための6つの条件では、昼営業を既存店舗に組み込むときに外せない判断軸を整理しています。数字を見ながら改善していくフェーズに入った方にも役立つ内容です。
まとめ
居酒屋の昼営業を「スタッフが少ないから無理」と判断する前に、オペレーションの設計を見直してみてください。メニューを1本に絞り、時間割を組み、2名で完結する導線を作る。この3つが整えば、多くの居酒屋・酒場・焼鳥店・焼肉店で昼営業は動き出せます。
大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。5席だけでも収益は生まれます。新しく作るのではなく、今ある店舗を賢く活かす。それが昼営業を成功させる一番の近道だと、私は実店舗の経験から感じています。
ご相談・お問い合わせはお電話でも受け付けています。
電話: 054-363-2766
「5席・3時間・基本2名で月商25万〜33万円」という数字を読んで、自分の店でも具体的に試算してみたくなった方へ。山道家モデルの詳細ページでは、レシピ・オペレーション・仕入先紹介・開業研修の内容と、説明会の申込み方法を確認できます。まず情報だけ集めるところから始めてください。


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