夏前後のタイミングや連休明けになると、「昼間の売上をなんとかしたい」という声をよく聞くようになります。夜の客足が読みにくい時期だからこそ、昼の時間帯に目が向くのは自然な流れです。
ただ、昼営業を検討するとき、多くの居酒屋オーナーが最初につまずくのが「メニュー選び」と「人手の問題」です。この記事では、スタッフが少ない居酒屋でも現実的に回せる昼メニューの考え方を、具体的な視点でお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 昼間の店舗や厨房が空いていて、何か始めたい方
- ✅ スタッフが少なく、新たに採用する余裕がない方
- ✅ 昼営業に向いているメニューの選び方を知りたい方
- ✅ 夜営業の仕込みに影響させずに昼を回したい方
- ✅ 居酒屋・焼肉店・焼鳥店など夜業態を運営している方

昼営業に「向いているメニュー」の条件とは?
昼営業に向いているメニューとは、単純においしいものではありません。「少人数で、短時間で、安定して提供できるもの」という条件が加わります。
居酒屋の昼営業で失敗しやすいのは、夜のメニューをそのまま昼に転用したケースです。焼き物・揚げ物・煮物を複数ラインナップしてしまうと、仕込みも調理も複雑になり、2名程度では対応しきれません。
向いているメニューの条件を整理すると、次のようになります。
- 仕込みが前日または当日朝にまとめてできる
- 提供時の調理工程がシンプル(加熱・盛り付け・トッピング程度)
- 品数を絞っても「これを食べに来た」と思ってもらえる看板性がある
- 夜営業で使う食材や設備と重複させやすい
この観点で考えると、ラーメン・丼・定食(1〜2種)・カレーなどが候補に上がります。中でも「看板性があり、1本に絞りやすい」という点で、ラーメンは昼営業の軸商品として機能しやすい業態です。
なぜ「品数を絞る」ことが少人数運営の前提になるのか?
人手不足と人件費の高騰は、飲食業界全体で深刻です。新しく昼営業を始めるにあたって、「まず2〜3人採用してから」と考えると、それだけで採算が取れなくなります。
品数を絞ることは、妥協ではありません。少人数で安定した品質を出すための、正しい設計です。
たとえば、メニューが10種類あれば、仕込みは10種類分必要です。お客様から注文が入るたびに、どれが来るか分からない状態で調理を進めなければなりません。これを2名でこなすのは、慣れたスタッフでも負荷が大きい。
一方、ラーメン1〜2種に絞れば、仕込みは前日または開店前に完了できます。注文が入ったら、決まった手順を繰り返すだけ。ホール・調理を2名で分担しても、スムーズに回せます。
私自身、清水駅前で夜は焼肉・ホルモンの居酒屋を営みながら、昼はカウンター5席で家系ラーメンの営業を始めました。最初から「夜の仕込みに影響させない」「2名で完結する」を設計の前提にしています。実際に今も、基本2名・3時間という形で運営を続けています。
✓ ここまでのポイント
- 昼営業に向いているメニューは「おいしい」だけでなく、「少人数・短時間で安定提供できる」ことが条件
- 品数を絞ることは妥協ではなく、少人数運営を成立させるための設計判断
- ラーメンは看板性・仕込みのシンプルさ・昼メニューとしての需要のバランスが取りやすい
昼ラーメンは、夜営業の設備・食材とどう組み合わせられるか?
居酒屋にとって、昼ラーメン導入のメリットのひとつは「設備の重複活用」です。
焼肉店や焼鳥店は、夜に使う厨房機器・冷蔵設備・作業台が昼間は空いています。チャーシュー(豚バラや肩ロース)は、夜の仕入れと食材を共有しやすいケースもあります。麺の茹で釜はあらたに設置が必要な場合もありますが、スペース的な負担は小さい。
スープについては、昼営業のために何時間も豚骨や鶏ガラを炊き続けるのは現実的ではありません。夜の仕込みを始める前に厨房を占拠してしまいますし、スタッフへの負担も大きい。
業務用スープを活用し、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を丁寧に組み合わせることで、「本格的」と感じてもらえる一杯を作ることは可能です。山道家の実証店舗では、実際にそうした設計で運営しており、お客様から次のような声をいただいています。
「チャーシューが本当に美味しい」
実証店舗・来店客の声
スープの炊き方だけが「本格的」を決めるわけではありません。チャーシューの仕上げ方、タレのバランス、麺の選定、鶏油の使い方、そして提供のタイミング。これらを全体として設計することで、お客様の満足度は変わります。
少人数で昼ラーメンを回すオペレーションは、どう設計すればよいか?
実際に2名で昼ラーメンを運営するとき、何をどの順番で行うかが重要です。以下は、山道家モデルで実際に運用している流れの考え方です。
- 10時頃〜:スープの準備、チャーシューのスライス、トッピングの仕込み。麺の確認。
- 11時〜14時:営業。1名が麺茹で・盛り付け担当、1名がホール・会計担当。注文はシンプルなメニュー構成なので、複雑なオーダー管理は不要。
- 14時以降:片付けと、夜営業の仕込みへ移行。
このサイクルが機能するのは、メニューを絞っているからです。「今日何をどれだけ仕込むか」が毎日ほぼ決まっているため、2名の動きを無駄なく設計できます。
また、夜のスタッフが昼も入るのか、昼専任のパートを1名入れるのかは、店舗ごとに状況が異なります。一律に「こうすれば正解」とは言い切れません。大切なのは、あなたのお店の人員構成と夜の仕込みスケジュールに合わせて、昼の動線を設計することです。
居酒屋が昼営業を始めるとき、最初に決めるべきことは何か?
メニューを決める前に、まず確認しておきたいことがあります。
「昼に動けるスタッフは何名か」「夜の仕込みは何時から始まるか」「席数はいくつ使えるか」——この3点が明確になって初めて、現実的なメニューと営業時間を設計できます。
席数が少なくても、利益は生まれます。山道家の実証店舗はカウンター5席・営業3時間で、月間客数250〜350名、月商25万〜33万円という実績があります(数字は営業日数や季節によって変動します)。5席だけでも収益は生まれる、というのは実際の運営で確認していることです。
ラーメン導入に限らず、昼営業を始めるなら、「何席からでも、何時間からでも始められる」という発想が出発点になります。新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす。これが、少人数・低投資で新しい利益源を作るための基本的な考え方です。
まとめ:居酒屋の昼営業は、まず「何品で何人で回すか」から設計する
昼営業に向いているメニューは、おいしさだけでなく「少人数・短時間・安定提供」を満たせるかどうかで選ぶ必要があります。品数を絞り、仕込みをシンプルにし、2名で完結するオペレーションを設計すること——これが、新たにスタッフを採用しなくても昼営業を始められる現実的な道筋です。
ラーメンはそのひとつの選択肢として、看板性・仕込みの合理性・夜業態との設備共有のしやすさという点で、居酒屋の昼メニューとして機能しやすい業態です。スープを何時間も炊かなくても、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を丁寧に組み合わせることで、お客様から「本格的」と感じてもらえる一杯は作れます。
もし「自分の店でもできるか試してみたい」「まず何から手をつければいいか分からない」という段階であれば、ぜひ一度ご相談ください。あなたのお店の現状に合わせた話ができると思います。
📞 お電話でのご相談:054-363-2766

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