二毛作飲食店が成功するための6つの条件

二毛作・店舗活用

夜営業中心の飲食店が、昼に別業態を追加して軌道に乗せられる割合はどのくらいだと思いますか。感覚値ではありますが、私の周囲を見ていると、「始めること」と「続けて利益を出すこと」の間には、思った以上に大きな壁があります。メニューを用意して貼り紙を出せば人が来る、そう思って始めたものの、3カ月で静かに終わっていく昼営業を、私はこれまでいくつも見てきました。

私は2009年に「侍ホルモン清水駅前店」を創業し、焼肉・ホルモン店として夜営業を続けてきました。そして3年前、夜には使っていないカウンター5席と昼の時間を活用して「横浜家系ラーメン山道家」をスタートしました。最初から順調だったわけではなく、試行錯誤の連続でした。その過程で気づいたことを、今回は「6つの条件」という形で整理しています。

特に今回深く掘り下げたいのは、「長時間スープを炊けない」という問題です。夜営業をしながら昼のラーメン営業を支えるスープをどう確保するか——これは二毛作を考えるすべての経営者が必ずぶつかる壁です。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業中心で昼間の客席・厨房が空いている飲食店の経営者
  • ✅ 昼営業を始めたいが何のメニューを出せばよいか決めかねている方
  • ✅ ラーメン導入に興味はあるが、スープを炊く時間が取れないと感じている方
  • ✅ 二毛作営業を試みたものの、続かなかった経験がある方
  • ✅ フランチャイズ以外の方法で新しい収益源を作りたい方
二毛作飲食店が成功するための6つの条件 | 山道家二毛作モデル

条件①「スープを炊く」という前提を手放す

正直に言います。私もかつては「ちゃんとした家系ラーメンを出すなら、自分で豚骨やガラを炊かなければ」と思っていました。横浜の吉村家をはじめ、各地の有名店を食べ歩くうちに、家系ラーメンの奥深さにどっぷりはまっていたからです。

ただ、夜営業を抱えながら毎朝早くから数時間スープを炊く、という生活を現実として想像したとき、それは私には続かないと判断しました。夜の仕込みに影響が出る。体力が持たない。スタッフへの負担も増える。そのどれもが、長続きしない理由になり得ます。

二毛作を成功させる最初の条件は、「店炊きスープでなければ本格的な一杯は出せない」という思い込みを手放すことです。スープは、一杯の完成度を決める要素のひとつに過ぎません。それよりも大切なのは、スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法という全体のバランスです。

条件②「一杯のバランス設計」に時間をかける

業務用のスープを使うことで、「手を抜いている」と感じる方もいるかもしれません。しかし私は逆の発想をしています。スープの炊き方に時間と労力を割くより、タレの配合・鶏油の質と量・麺の種類と茹で加減・チャーシューの製法——これらを丁寧に調整する時間を確保する方が、結果として完成度の高い一杯に近づけると考えています。

実際、山道家の実証店舗ではお客様からこのような声をいただいています。

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

実証店舗ご来店のお客様

「間違いなく正統派の家系ラーメン」

実証店舗ご来店のお客様

長時間スープを炊いているわけではないのに、こうした言葉をいただける。その理由は、スープ単体だけに集中するのではなく、一杯を構成する全要素をトータルで設計したからだと思っています。特にチャーシューについては「チャーシューが本当に美味しい」という声も複数いただいており、製法にかなり時間をかけました。二毛作飲食店で昼に出す一杯を設計するとき、この「全体設計」の視点が二つ目の条件です。

条件③ 夜営業の仕込みと「動線を分ける」

昼営業を始めて最初に崩れやすいのが、夜の仕込みタイムです。昼営業の後片付けが終わらないまま夜の準備が始まる、という状態になると、スタッフの疲弊が早く、品質も安定しません。

私が実証店舗で採用したのは、「10時に昼の準備開始 → 11時〜14時営業 → 14時以降に昼の片付けと夜の仕込みをセットで流す」という流れです。昼と夜の準備が混在しないよう、作業の順序と担当をはっきり決めることが安定運営の鍵でした。

特に業務用スープを使う場合、炊き出しの時間が不要な分、14時以降の動きにゆとりが生まれます。これが夜営業の質を守ることにも直結します。三つ目の条件は、昼と夜の「作業動線を切り離すこと」です。

✓ ここまでのポイント

  • 「店炊きでなければ本格的な一杯は出せない」という前提を見直すことが、二毛作の入り口になる
  • スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を総合的に設計することで、本格的という評価は十分に得られる
  • 昼と夜の作業動線を分けることが、どちらの業態も崩さない安定運営につながる

スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューの全体設計が必要だとわかっても、具体的にどう組み合わせるか、仕入先をどこにするかは記事だけでは伝えきれません。山道家モデルの詳細ページでは、レシピ・仕入先紹介・開業研修の内容を確認できます。説明会の申込みも同ページから行えます。

山道家モデルのレシピ・研修内容・説明会申込みを見る

条件④ 席数とメニューを「最初から絞る」

「せっかく始めるなら、いろんなメニューを出したい」という気持ちはよくわかります。しかし、少人数で回す二毛作営業において、メニューの多さは混乱と品質ブレの原因になります。

山道家の実証店舗はカウンター5席・3時間の営業で、月間250〜350名・月商25万〜33万円という実績を出しています。この数字は、メニューを絞り、オペレーションをシンプルに保ったことで生まれたものです。5席だけでも、収益は生まれます。最初から大きく構える必要はありません。

「小さく始めて改善する」という姿勢は、二毛作においては特に有効です。席数が少ないほど、回転・提供・片付けの精度が上がります。四つ目の条件は、「席数とメニューを欲張らないこと」です。

条件⑤ 集客は「場所と看板」から始める

JR清水駅西口から徒歩約1分という立地で営業していて実感するのは、昼間の通行人の多さです。ただし、「営業している」ということが伝わらなければ、どれだけ良い一杯を用意しても素通りされます。

清水駅前グルメ通り振興会の事務局長という立場から言わせてもらうと、地域の飲食店が昼間に灯りをつけていること自体が、街全体の賑わいに影響します。昼に营业していることを、外から見てすぐにわかるようにすること。これが五つ目の条件です。POPや看板・のれんを用意するだけで反応が変わった、という話は実際によく聞きます。

条件⑥ 「何のために始めるか」を決めておく

最後の条件は、少し抽象的に聞こえるかもしれませんが、実は最も実務的です。ラーメン営業を導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的です。この順序を間違えると、「ラーメンを始めたけど、手間ばかりかかって利益が残らない」という結果に終わります。

私が山道家モデルを設計するときに一番意識したのは、「夜営業に支障をきたさない範囲で、新しい利益源を作る」という点でした。昼営業が夜の質を下げるなら、それは本末転倒です。売上を増やすことより、利益を増やすことを軸に設計する。この視点が、六つ目にして最も大切な条件だと思っています。

まとめ:「今ある店舗」の昼時間が利益に変わる

6つの条件を振り返ると、共通しているのは「足し算ではなく、整理すること」だということがわかります。新しいものを大量に加えるのではなく、今ある時間・設備・客席を整理して活用する。これが二毛作の本質です。

スープを長時間炊けなくても、本格的な一杯を提供できる。カウンター5席でも、月に新しい利益を生み出せる。私がそれを実証店舗で示してきたのは、「本当に同じ悩みを持つ飲食店オーナーに使えるモデルを作りたい」と思ってきたからです。

この記事を読んで「自分の店でもできるかもしれない」と感じた方は、まず気軽にご連絡ください。店舗の状況をお聞きしながら、あなたのお店に合った方法を一緒に考えます。
電話でのご相談は 054-363-2766 まで。

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