結論から言うと、稼働率を上げると利益は増えます。ただし「売上を増やす」ことと「稼働率を上げる」ことは、似ているようで本質的に違います。この記事では、昼間の客席や厨房が何も生み出していない飲食店の経営者に向けて、なぜ稼働率の改善が利益に直結するのかを、実際の運営数字を使いながら具体的にお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業中心で昼間の厨房・客席がほぼ使われていない方
- ✅ 家賃は毎日払っているのに、営業しているのは夜だけという状況に課題を感じている方
- ✅ 新規出店の資金はないが、売上・利益の柱を増やしたい方
- ✅ 昼営業を始めたいが、何をどう始めれば良いか分からない方
- ✅ 小規模・少人数から新しい業態を試したい方

そもそも「稼働率を上げる」とはどういう意味ですか?
飲食店において稼働率とは、簡単に言うと「店舗・厨房・客席が、営業可能な時間のうち実際に使われている割合」のことです。
たとえば、夜20時から24時の4時間だけ営業している居酒屋があるとします。一日24時間のうち、実際に収益を生んでいる時間はわずか4時間。残りの20時間は、店舗も厨房も客席も、何も生み出していない状態です。
この状態でも家賃は毎月発生し、設備の減価償却は進み、光熱費の基本料金はかかり続けます。固定費というのは、営業していなくても止まらないのです。
だからこそ「稼働率を上げる」、つまり現在使われていない時間帯に別の収益を乗せることは、新たな固定費をほとんど増やさずに利益を増やす、経営効率の高い手段になります。
稼働率が低いと、なぜ利益が残りにくいのですか?
夜営業だけを続けていても「売上がある」ように見えることはあります。ただ、その売上から家賃・水道光熱費・人件費・食材原価を引いたとき、手元に残る利益が薄くなりやすい構造があります。
その大きな理由のひとつが、固定費を夜の売上だけで回収しなければならない点です。
家賃10万円の店舗であれば、それは昼も夜も変わらず発生しています。夜だけで回収しようとすれば、その売上に対する家賃の比率(家賃比率)は当然高くなります。一方で、昼も営業して追加の売上を作れれば、同じ家賃10万円を昼夜合計の売上で割ることになる。相対的に固定費の重さが軽くなります。
これが「稼働率を上げると利益が増える」仕組みの核心です。新しい設備も、新しい物件も、必ずしも必要ない。今ある店舗の空き時間を収益に変えるだけで、利益構造が変わります。
✓ ここまでのポイント
- 稼働率とは「店舗・厨房・客席が収益を生んでいる時間の割合」であり、夜専業は構造的に低くなりやすい
- 固定費は営業の有無にかかわらず発生するため、昼の空き時間を使うだけで利益率は改善しやすくなる
- 新規出店ではなく、今ある店舗の空き時間を活かすことが、最もリスクの少ない選択肢のひとつ
実際に5席・3時間で収益は生まれるのですか?
「稼働率を上げると良いのは分かるけど、昼に少し開けたくらいで本当に収益になるの?」という疑問を持つ方は多いと思います。ここで、私自身が清水駅前で運営している実証店舗の数字をそのままお伝えします。
- 席数:カウンター5席
- 営業時間:11:00〜14:00(3時間)
- 客単価:約950円
- 月間客数:約250〜350名
- 月商:約25万〜33万円
- 基本運営人数:2名
数字は営業日数や季節によって変動しますが、5席・3時間という小規模な昼営業でも、月25万〜33万円の売上が生まれているのが実際のところです。
この売上は、夜営業の焼肉・ホルモン店の設備と客席を昼間に活用することで実現しています。新たに店舗を借りていないため、かかる固定費は昼営業のために発生した食材費・人件費・光熱費の増加分だけです。家賃の追加負担はゼロです。
もちろん、月商の全額が利益になるわけではありません。ただ、もともと「何も生み出していなかった時間」から生まれた売上であることを考えると、同じ月商25万円でも意味がまったく違います。既存の固定費の上に乗った売上ですから、利益に転換しやすい構造になっています。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
「チャーシューが本当に美味しい」
実証店舗ご来店のお客様
家系ラーメンとしての品質についても、来店されたお客様からこういった声をいただいています。長時間スープを炊き続ける方式ではありませんが、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を全体で調整することで、「本格的」と感じていただける一杯に仕上げています。品質と運営効率を両立できた、というのが実証店舗を通じて確認できたことのひとつです。
昼営業を始めると、夜の仕込みに影響しませんか?
「昼に開けたら夜が回らなくなりそう」という不安は、夜業態の経営者の方からよく聞く声です。この点は、オペレーションの設計で解決できることが多いです。
私が実証店舗で実際に動かしているのは、おおよそ次のような流れです。
- 10時頃:昼営業の仕込み・開店準備
- 11時〜14時:昼営業(ラーメン提供)
- 14時以降:片付け・清掃を済ませ、夜営業の仕込みへ移行
昼と夜の間にしっかりと切り替えの時間を作ることで、夜営業の準備に支障が出ない流れを組んでいます。昼のメニューをあえて絞っているのも、この理由からです。品数が少なければ仕込みも少なく済み、片付けも早く終わります。
少ない品数・少ない席数・短い営業時間という設計は、利益効率だけでなく、夜業態への影響を最小限にするためでもあります。店舗ごとに営業時間帯や厨房の状況が異なるため、「この流れをそのまま全員に当てはめる」のではなく、それぞれの店舗に合わせた動線を作ることが大切です。
稼働率を上げるために、まず何から始めるべきですか?
昼の空き時間を使って新しい収益を作るとき、最初にやるべきことは「何の業態を始めるか」よりも前に、自分の店舗の状況を正確に把握することだと思っています。
たとえば、次のような点を整理してみてください。
- 昼間に使えていない客席は何席あるか
- 厨房は昼にどこまで使えるか(ガス台・冷蔵庫など)
- 昼に動けるスタッフは何人いるか
- 夜営業の仕込みは何時から始める必要があるか
この4点が整理できると、「昼に何時間・何席・何人で動けるか」が自然に見えてきます。そこから始められる業態の選択肢が絞られてきます。
私自身が「侍ホルモン清水駅前店」の夜営業を続けながら、昼に家系ラーメンを始めたのも、この整理から出発しています。カウンター5席・3時間・基本2名という条件は、最初から理想で設定したものではなく、夜営業に支障が出ない範囲で動ける現実的な枠から逆算した数字です。
「小さく始められることが最大の強みです」というのは、リスクが小さいという話だけではなく、今ある条件の中で始められるという意味でもあります。準備が完璧になってから始めるのを待つより、今の条件で動ける範囲を見つけて動き出すほうが、結果として早く改善できることが多いと感じています。
まとめ:稼働率を上げることは、利益を増やす最もシンプルな手段のひとつです
今回の問いへの答えを改めてまとめます。
店舗の稼働率を上げると、本当に利益は増えます。ただし、それは「客数を増やす」ことだけを指しているのではありません。今ある店舗の空き時間・使われていない設備・眠っている客席を、別の収益に変えること。その結果として、同じ固定費の上に新しい利益が乗ってくる。これが稼働率改善の本質です。
5席・3時間という条件でも、月25万〜33万円の売上は実際に生まれています。規模が小さくても、既存の固定費に乗った売上であれば、利益への転換効率は高くなります。
昼間の店舗が空いていることに気づいているなら、それはすでに改善できる余地がある、ということです。大切なのは、あなたのお店に合った方法で始めることです。
山道家二毛作モデルでは、実際に今も運営している実証店舗の経験をもとに、夜業態の飲食店が昼に家系ラーメン営業を始めるための仕組みを提供しています。加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間はなく、既存の屋号のまま始めることも可能です。まずは詳細や導入の流れを確認してみてください。
ご不明な点や、自店の状況をもとにした個別の相談は、お気軽にどうぞ。
📞 054-363-2766


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