「家賃は一日分払っているのに、営業しているのは夕方から深夜だけ」
「昼営業をやってみたいけど、スープを何時間も炊く時間なんてない」
「昼の仕込みが夜の仕込みを圧迫したら、本業がおかしくなる」
こういった声を、焼肉・居酒屋・酒場を営む経営者の方々からよく聞きます。昼間の店舗が空いている問題には気づいているのに、「でも現実的に動けない」という状況。その一番の原因が、「昼営業=長時間の仕込みが必要」という思い込みにあることが多いのです。
この記事では、飲食店の稼働率改善における昼営業の効果と、長時間スープを炊かなくても本格的なラーメンを提供できる仕組みについて、静岡市清水区で実際に運営している実証店舗のデータをもとに解説します。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業中心で昼間の厨房・客席が空いている飲食店オーナー
- ✅ 昼営業を始めたいが長時間の仕込みが難しいと感じている方
- ✅ ラーメン導入に興味はあるが、スープの炊き方が分からない方
- ✅ 新しい利益源を作りたいが、新規出店の資金がない方
- ✅ フランチャイズ以外の選択肢を探している飲食店経営者

飲食店の稼働率とは何を指すのか?
飲食店の稼働率とは、店舗・厨房・客席が「使われている時間」と「営業可能な時間」の比率を指します。たとえば、一日14時間使える厨房のうち夜の6時間しか使っていなければ、稼働率は約43%にとどまります。残りの57%は、家賃や光熱費だけが発生して何も生まれていない時間です。
夜営業中心の飲食店の多くは、この構造の中にいます。家賃・設備費・光熱費といった固定費は曜日や時間帯を問わず発生しているにもかかわらず、売上を生んでいるのは営業時間だけ。利益が残りにくい理由の一つは、客数が少ないことよりも、「使える時間を使えていないこと」にあります。
昼営業を加えることは、単に売上を増やす行為ではなく、すでに発生している固定費に対して、回収できる時間を増やす行為です。この視点で考えると、昼営業の効果は「新しい売上」ではなく「遊休コストの回収」という意味を持ちます。
昼営業を阻む「スープ問題」は本当に解決できないのか?
昼営業の候補として、ラーメンは非常に相性がいい業態です。客単価が設定しやすく、回転が速く、調理工程がある程度標準化できる。夜の焼肉や居酒屋とは業態が異なるため、同じ客層と競合しにくいという利点もあります。
ところが、「ラーメン=スープを何時間も炊く」というイメージが先行してしまいます。特に夜営業中心の店主にとって、朝6時から豚骨を炊き始めて昼11時に開店する、という流れは現実的ではありません。昼の仕込みが夜の準備を圧迫し、本業である夜営業のクオリティが落ちてしまっては本末転倒です。
私自身も、2009年から清水駅前で焼肉・ホルモン店を経営してきました。昼間のカウンター席が使われていないことは以前から気になっていましたが、「スープを炊く時間も体力もない」という現実はよく分かっていました。だからこそ、店炊きスープに依存しない方向で商品設計を研究し始めたのです。
✓ ここまでのポイント
- 飲食店の稼働率改善とは「遊休時間を収益に変えること」であり、昼営業はその代表的な手段
- 「昼ラーメン=長時間のスープ仕込みが必要」という前提は、必ずしも正しくない
- 夜営業の仕込みを守りながら昼営業を成立させるには、仕込みの設計そのものを変える必要がある
スープを炊かずに本格的な評価を得られるのか?
結論から言うと、得られます。ただし「業務用スープを使えば解決する」という話ではありません。
山道家では、長時間店内で豚骨やガラを炊き続ける方式ではありませんが、スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を調整することで、本格的という評価を得ています。
実際にお客様からいただいている声を見ると、
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
という言葉をいただいています。長年横浜の吉村家をはじめ、多くの家系ラーメン店を食べ歩いてきた私が正直に言えば、「スープだけが家系の命」ではありません。スープはもちろん重要ですが、タレの塩分バランス、鶏油の質と量、麺の太さと茹で加減、チャーシューの食感と香り、どんぶりの温度、提供のタイミング——これらの総合が、口に入れた瞬間の満足感を決めています。
業務用スープを使いながらも、それ以外の要素を丁寧に設計することで、お客様が「本格的」と感じる一杯は作れます。逆に言えば、スープだけに時間をかけても、他の要素がおろそかになれば評価は下がります。
具体的にどんな仕込みフローになるのか?
山道家モデルの基本的な昼営業の流れは次のとおりです。
10:00〜11:00 / 準備
スープの加熱・タレの準備・麺の確認・チャーシューのセット・どんぶりの温め準備など。大半の作業は1時間以内に完了します。
11:00〜14:00 / 営業
カウンター5席で提供。一杯一杯の仕上げに集中できるシンプルな工程です。
14:00〜 / 片付けと夜の仕込みへ
昼営業終了後、速やかに片付けを行い、夜の焼肉・居酒屋営業の仕込みへ移行します。
この流れを設計するにあたって重要なのは、「昼と夜の仕込みが干渉しない動線を作ること」です。同じ鍋・同じコンロ・同じまな板を取り合うような状況では、どちらかが犠牲になります。昼営業を加える前に、厨房の使い方を整理しておくことが、長続きするかどうかを左右します。
清水駅前の実証店舗では、カウンター5席・営業3時間・基本2名という体制で、月間250〜350名のお客様にご来店いただいています。客単価は約950円で、月商ベースでは25万〜33万円。「5席だけでも収益は生まれます」というのは、数字として確認していることです。
昼営業を始めることで稼働率はどれくらい改善するのか?
先ほどの稼働率の話に戻ります。夜だけ6時間営業している店が、昼に3時間加えると、純粋な営業時間は1.5倍になります。固定費の回収効率という観点では、新しい物件を借りることなく、新しいコストをほぼかけずに収益機会を増やせることになります。
もちろん、「昼営業を始めれば必ずうまくいく」とは言いません。立地・客層・メニュー設計・集客の方法によって、結果は変わります。ただ、こちらの実証モデルが示しているのは、「夜営業をしている店の昼間に、5席・3時間・2名で月25万〜33万円の新しい売上ラインを作れた」という事実です。
ここで大切なのは、この数字をそのままあなたのお店に当てはめることではありません。立地や客数の目安として参照しながら、自分のお店に合った設計を考えることが出発点です。「ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的です」という原点に立ち返って考えると、何を優先すべきかが見えてきます。
まとめ:昼営業の効果は「稼働率の改善」という視点で考える
飲食店の稼働率改善における昼営業の効果は、「新しい売上を作ること」と同時に、「すでに払っている固定費を回収する時間を増やすこと」にあります。特に夜営業中心の店舗にとって、昼間の時間は未使用の経営資源です。
長時間スープを炊くことが昼ラーメン営業の前提である必要はありません。スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を設計することで、お客様に満足していただける一杯は作れます。私自身が清水駅前の実店舗で、今もそれを続けています。
「新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす」。この考え方に共感していただける飲食店オーナーの方に、山道家モデルの仕組みをご覧いただければと思います。加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間のない形で、実証済みのレシピ・オペレーション・仕入先情報をご提供しています。
詳しい内容や導入の流れについては、以下よりご確認ください。個別のご相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
お電話でのご相談も歓迎しています:054-363-2766


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