飲食店の家賃は、売上に対して10〜15%以内に抑えるのが理想とされています。ところが、実際には20%を超えている店舗も珍しくなく、「売上は立っているのに、月末になると手元にほとんど残らない」という声をよく聞きます。
家賃の問題を解決しようとするとき、多くの経営者がまず考えるのは「もっと客数を増やす」か「家賃を交渉する」かのどちらかです。しかし、もうひとつ見落とされがちな視点があります。それは、今払っている家賃に対して、店舗がどれだけの時間・稼働で応えているか、という問いかけです。
夜だけ営業している飲食店にとって、家賃は24時間分発生しています。でも店が動いているのは、夕方から深夜のほんの数時間。その構造そのものを変えない限り、家賃という固定費との戦いはなかなか終わりません。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業だけで利益がなかなか残らないと感じている方
- ✅ 昼間に客席や厨房が空いたままになっている方
- ✅ 新規出店はせず、今の店舗で収益を改善したい方
- ✅ 家賃・光熱費・人件費の上昇に対策を取りたい方
- ✅ 低リスクで昼の売上をプラスできる方法を探している方

家賃が「重い」と感じるのは、売上が足りないからだけですか?
家賃の負担感は、必ずしも売上の絶対額だけで決まるわけではありません。問題の本質は「固定費に対して、店舗がどれだけ稼働しているか」のバランスにあります。
たとえば、月の売上が300万円あったとしても、家賃が45万円(15%)かかり、そこに原材料費・人件費・光熱費が重なれば、手残りはあっという間に薄くなります。しかも夜だけの営業であれば、その300万円を稼ぐために使っている時間は、一日のうちほんの数時間に過ぎません。
家賃は営業していない昼間も発生し続けています。厨房の設備費、エアコンや照明の基本料金、店舗の修繕費——どれも「開いていようが閉まっていようが」かかるものです。夜営業だけに収益を依存しているということは、固定費の回収を限られた時間だけに押し込めているということでもあります。
客数を増やす努力はもちろん大切ですが、稼働していない時間そのものを利益へ変えるという発想の転換が、家賃問題の根本的な答えになることがあります。
夜営業だけで利益が残らない、その本当の原因はどこにあるのでしょうか?
「売上はある程度あるのに、利益が残らない」——これは夜営業中心の飲食店に非常によく見られる構造的な問題です。
原因を整理すると、以下のような構図が浮かび上がります。
- 家賃は月払いで、夜だけ営業しても同額が発生する
- 冷蔵設備・換気・基本電力は営業時間外でもコストがかかる
- 仕込みスタッフの人件費は売上の有無に関係なく発生する
- 原材料費の上昇分を、夜の客単価だけで吸収しようとすると値上げ幅が大きくなる
つまり、固定費が分母として大きい状態で、夜の売上だけを分子にしているため、どう頑張っても改善しにくいという構造になっています。
私自身、2009年から静岡市清水区で「侍ホルモン清水駅前店」を経営してきた中で、この問題に長く向き合ってきました。夜の売上が安定していても、物価や人件費が上がるたびに利益が削られていく感覚は、経営者なら誰しも経験があると思います。
そこで私が行き着いたのが、「夜に使っていないカウンター席と昼の遊休時間をそのまま収益化できないか」という発想でした。
✓ ここまでのポイント
- 家賃の重さは「売上が少ない」だけでなく、「稼働時間が短い」ことが原因になっている
- 夜営業だけへの依存は、固定費の回収効率が構造的に低くなる
- 解決策は客数を増やすことだけでなく、今ある店舗の稼働時間を増やすことにある
昼間に何も生み出していない店舗をどう活かせばいいのでしょうか?
夜営業中心の飲食店にとって、昼間は本来「準備の時間」であり「空白の時間」です。しかし、その空白を少し変えるだけで、家賃の一部を回収する新しい利益源になります。
ポイントは、「昼に何かを追加する」のではなく、「今ある設備と空間を使う」という視点です。新しく物件を借りる必要はありません。新しい厨房設備を購入しなくても構いません。今すでにある客席、今すでにある調理設備、今すでに払っている家賃——これらをそのまま活かして、昼の時間帯に収益を作ることができます。
具体的には、昼営業として家系ラーメンを導入するという方法があります。居酒屋やホルモン店のカウンター席は、ラーメン店のカウンターとしてもそのまま使えます。夜の仕込みに影響しない形で、11時から14時の3時間だけ営業するスタイルは、夜業態との共存として現実的な選択肢になります。
私が実際に運営している実証店舗では、カウンター5席・11〜14時の3時間営業・基本2名で動かしています。月間客数は約250〜350名、月商は約25万〜33万円ほどで推移しています。数字は営業日数や季節によって変動しますが、実績の中心的な意味は、5席・3時間という小規模営業でも収益を生み出せることです。
「5席では大した売上にならないのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし大切なのは、その5席がこれまでゼロだった時間帯に生み出す収益であるという点です。家賃はすでに払っています。光熱費の基本料もすでにかかっています。そこに昼営業をプラスするということは、追加の固定費をほとんど増やさずに売上を積み上げることができるということです。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
「チャーシューが本当に美味しい」
実証店舗ご来店のお客様
山道家の家系ラーメンは、長時間店内でガラを炊き続ける方式ではありませんが、スープだけでなくタレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を総合的に設計することで、このような評価をいただいています。夜に仕込みで手間をかける業態の経営者でも、昼の負担を最小限に抑えながら本格的な一杯を提供できる仕組みを目指しています。
家賃対策として昼営業を始める際に、気をつけるべきことは何ですか?
昼営業を追加する際に多くの経営者が心配するのが、「夜の仕込みや営業に影響が出ないか」という点です。これは実際に設計しなければならない重要な問題です。
基本的な動線の考え方としては、以下のような流れを想定しています。
- 10時ごろから昼営業の仕込みと準備を開始
- 11〜14時で昼営業を行う
- 14時以降、片付けと清掃をしながら夜営業の仕込みへ移行
この流れが成立するかどうかは、昼に扱う商品の仕込み量と複雑さによって大きく変わります。だからこそ、商品数を絞り、オペレーションをシンプルに設計することが前提になります。
家系ラーメンは商品の種類が少なく、調理のステップが比較的明確です。「豚骨を何時間も炊く」という工程が不要な設計にすることで、昼だけのために厨房を長時間占有しなくて済みます。夜の仕込みを圧迫しない形で昼営業を組み込む——この設計ができるかどうかが、二毛作を成立させるカギです。
また、スタッフについても「新たに何人も採用しなければ始められない」という状況は避けたいところです。私の実証店舗では基本2名での運営を続けており、その経験をもとに、少人数でも回るオペレーションの組み立て方を整理しています。店舗の構造や動線は一律ではないため、それぞれの店舗に合わせた最適解を一緒に考えることが大切だと思っています。
フランチャイズに加盟する以外に、ラーメンを導入する方法はありますか?
「ラーメンを始めたいけれど、フランチャイズの加盟金やロイヤリティは負担が大きい」「自分の店名を変えたくない」——そういう声はよく聞きます。
フランチャイズを否定するわけではありません。ただ、既存の夜業態に昼ラーメンを追加するという目的であれば、フランチャイズの仕組みが必ずしも最適とは限りません。毎月のロイヤリティは、昼の小規模営業で得た利益を継続的に削り続けることになります。
私が体系化した「山道家モデル」は、加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間のない形で、レシピ・仕入先・研修・オペレーション設計をまとめて導入できる仕組みです。自分の屋号で始めたい方向けのオリジナルプランと、山道家のブランドやロゴ・メニューデータを活用したいブランドプランの2種類を用意しています。
「ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的」——この考え方をベースにしているため、必要なものを必要なだけ導入できる設計にしています。
まとめ:家賃対策は「稼働時間を増やす」という発想から始まる
家賃が高い飲食店がまず取り組むべきことは、今ある店舗・客席・厨房がどれだけの時間にわたって収益を生み出しているかを見直すことです。夜だけの営業であれば、家賃の回収は一日のうちの数時間だけに集中しています。その構造を変えずに「もっと売る」だけを追い続けても、固定費との差は縮まりにくい。
小さく始められることが最大の強みです。5席でも、3時間でも、今ある場所で新しい利益源を作ることは現実的に可能です。私自身がその実証を続けながら、同じ課題を持つ飲食店経営者の皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
昼間の空いている時間をどう活かすか、どんな商品を選ぶか、夜の営業にどう影響させないか——具体的なご相談はいつでもお気軽にどうぞ。まずは話を聞くだけでも構いません。
📞 お電話でのご相談:054-363-2766


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