焼肉店の空き厨房を見過ごせなかった理由

開発ストーリー・店主の想い

ある日の昼過ぎ、仕込みのために少し早めに店に来たときのことです。厨房に立って、ぼんやり店内を見回しました。カウンター5席。使われていない換気扇。磨かれたままのコンロ。誰もいない客席。

夜になればこの空間はにぎやかになる。でも昼間は、何もない。家賃は昼も夜も変わらず発生しているのに、この時間帯は何も生んでいない——そのことに、改めて気づいたとき、胃のあたりがじわっと重くなる感覚がありました。

これが、私が二毛作を始めたきっかけです。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業の売上はあるのに、月末に利益が残らないと感じている方
  • ✅ 昼間に厨房・客席が空いており、もったいないと思っている焼肉店・居酒屋の経営者
  • ✅ ランチ営業を始めたいが、何を売ればよいか迷っている方
  • ✅ フランチャイズではなく、自分のペースで新しい業態を試したい方
  • ✅ 5席・少人数からでも利益源を作れるか、実例で確認したい方
焼肉店の空き厨房を見過ごせなかった理由 | 山道家二毛作モデル

売上はあった。なのに、利益が残らなかった

2009年に「侍ホルモン清水駅前店」を始めてから、夜の焼肉・ホルモン営業を軸に店を続けてきました。JR清水駅西口から徒歩約1分という立地もあり、夜の客足はそれなりにある。お客様にも恵まれていました。

ただ、正直に言うと、売上の数字が出ていても手元に残る利益がじわじわ薄くなっていく感覚が続いていました。原材料費、人件費、光熱費——それぞれが少しずつ上がっていく中で、夜の営業だけで全部を吸収しようとすると、どこかに無理が来る。

「もっと客数を増やせばいい」という考え方もあります。でも夜の席数には限界があるし、無理に回転数を上げようとするとサービスの質が落ちる。夜の強みを崩してまで稼ごうとするのは、長期的に見てリスクが大きい。

そこで気づいたのが、「昼間の店舗」という視点でした。新しい客数を増やすのではなく、今ある店舗の稼働時間を増やす。これが、私が出した答えの方向性でした。

昼まで眠っていた厨房を見て、二毛作を始めた経緯は別の記事でも書いていますが、今回はもう少し「見過ごせなかった理由」に絞って話を進めます。

厨房を「見ていた」だけでは何も変わらない

問題は、「昼間が空いている」と気づいただけでは動けなかったことです。何を売るか。仕込みをどこまでやるか。夜の準備と干渉しないか。新しいスタッフを雇う余裕はあるか——考えれば考えるほど、踏み出せなかった。

私が最終的に家系ラーメンにたどり着いたのは、単純に好きだったからというのが最初のきっかけです。横浜の吉村家をはじめ、各地の家系ラーメン店を食べ歩いてきた経験がある。だからこそ、「どんな一杯なら納得できるか」という基準が自分の中にありました。

ただ、問題がありました。「長時間豚骨やガラを炊く」という家系ラーメンの典型的な作り方は、昼だけの営業には合わない。朝から炊き始めて昼に提供して夜はホルモン——という流れで、スープを何時間も炊き続けることは現実的ではありません。夜の仕込みにも影響する。

だから、店炊きスープを前提にするのをやめることにしました。代わりに、スープ以外の要素——タレ、鶏油、麺、チャーシュー、提供の温度感——を一つひとつ丁寧に調整することで、「本格的な満足感」を作れないかを考え始めたのです。

焼肉店のカウンター席を昼に活かすまでの実体験にも書きましたが、この「今ある設備と時間でどこまで作れるか」という問いが、山道家モデルの核心になっています。

✓ ここまでのポイント

  • 売上があっても利益が残らない原因は、夜営業だけに収益を依存し、昼間の家賃・設備・厨房を遊ばせていることにある
  • 客数を無理に増やすより、既存の店舗の稼働時間を伸ばすほうが、今ある資産を活かせる
  • 長時間スープを炊くことが難しい昼営業でも、タレ・鶏油・麺・チャーシューの総合設計で本格的な一杯は作れる

「長時間スープを炊けないから、本格的な家系は無理だ」と思い込んだまま、昼間の厨房を使わずにいる——そこで止まってしまっている方は少なくないと思います。山道家モデルの説明会では、タレ・鶏油・麺・チャーシューを含む全体設計の考え方と、実際の仕入先・オペレーションの仕組みをまとめてお伝えしています。事前に準備するものは特になく、現状の店舗状況をざっくり把握しておくだけで話を聞けます。

山道家モデルの仕組みと説明会の内容を確認する

カウンター5席、3時間で何が起きたか

実際に始めてみると、最初から順調だったわけではありません。麺の茹で加減、スープの温度管理、提供スピード——焼肉店の夜オペレーションとは全く違う動きが求められます。一つひとつ、試しながら直しながら、営業の中で改善を重ねていきました。

現在の山道家では、カウンター5席・営業時間11時〜14時・基本2名体制で運営しています。月間客数は約250〜350名、月商は約25万〜33万円という実績があります。これは「大きく稼ぐ」という話ではありません。5席・3時間という小さな単位でも、新しい収益源は作れる——その実証が、この数字の意味です。

そして、何より気になるのはお客様の反応でした。店炊きスープではない。それでも、実際に来てくれたお客様からはこんな声をいただいています。

「間違いなく正統派の家系ラーメン」

実証店舗を訪れたお客様

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

実証店舗を訪れたお客様

良いか悪いかを最終的に判断するのはお客様です。その評価を積み重ねながら、レシピとオペレーションを磨いてきました。この過程で得た仕組みを体系化したものが、山道家二毛作モデルです。

焼肉店とラーメンの二毛作が相性のよい理由についても別記事で整理していますが、夜に使う設備と昼の運営が干渉しにくいという構造的な強みは、焼肉店・ホルモン店にとって特に大きな利点です。

「見過ごせなかった」は、経営者なら誰でも持てる感覚だと思う

あのとき、昼間の厨房を見て「もったいない」と感じた気持ちは、私だけのものではないと思っています。夜営業を中心に店を回している経営者なら、一度は同じ景色を見ているはずです。誰もいないカウンター。昼間だけ止まっている換気扇。

新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす——この発想は、資金的な余裕がなくても、スタッフを新たに採用しなくても、今日から向き合えるものです。ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的。その順番を間違えなければ、始め方は意外とシンプルです。

山道家モデルには、一つの正解はありません。5席でも、週3日だけでも、夜限定でも——店舗ごとの事情に合わせた形で試せることが、この仕組みの最大の強みだと考えています。

まとめ:空き厨房を見て動いた先にあったもの

昼間の厨房を見過ごせなかったあの日から、試行錯誤を重ねて今があります。売上を増やすのではなく、新しい利益源を作る。その発想一つで、夜営業中心の飲食店の経営は変わり得ます。

同じように「昼が空いている」「このままでいいのか」と感じている経営者の方に、少しでも参考になれば嬉しいです。もし具体的に話を聞いてみたいという方は、お電話でも気軽にどうぞ。

📞 054-363-2766(侍ホルモン清水駅前店/山道家)

「5席・3時間でも収益源になる」という実績は、読んで納得するだけでは自店に活かせません。自分の店舗で同じ仕組みが成り立つかどうか、レシピ・オペレーション・仕入先の導入まで含めて具体的に確かめる場が、山道家モデルの説明会です。オリジナルプランとブランドプランの違いも含めて、この場で整理できます。

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