「屋号は変えたくない。でも、昼間の店舗をこのままにしておくのももったいない。」
先日、同業の居酒屋経営者からそんな相談を受けました。話を聞いていると、フランチャイズのラーメン店に興味を持ったものの、加盟条件に「指定の屋号に変更すること」が含まれていて、踏み切れなかったと。その方が言っていた言葉が印象的でした。「15年育てた屋号を手放すのは、店を閉めるのと同じ感覚がある」と。
私自身も、同じ葛藤を経験しています。2009年から「侍ホルモン清水駅前店」を経営してきて、2023年に昼間のカウンター5席を使って家系ラーメンを始めました。そのとき、一番最初に決めたことは「侍ホルモンという看板は絶対に変えない」ということでした。
今回は、カウンター席を昼間に使い始めた実体験をもとに、「自分のブランドを守りながら新業態を立ち上げるとき、どんな判断が分岐点になったか」を5つのポイントとしてお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業中心で昼間のカウンター席が空いたままになっている方
- ✅ 新業態を始めたいが、今の屋号や店舗イメージを変えたくない方
- ✅ フランチャイズを検討したが、契約条件の縛りが気になっている方
- ✅ 5席・少人数でも昼営業を収益化できるか知りたい方
- ✅ 自分の店名で家系ラーメンを始める方法を探している方

第5位:「業態を分ける」という発想を持ったこと
最初に乗り越えなければいけなかった壁は、「焼肉・ホルモンの店がラーメンを出す」ことへの自分自身の抵抗感でした。「イメージが崩れるのでは」「常連に違和感を与えないか」と考え始めると、なかなか前に進めません。
でも、整理してみると話は単純でした。夜は焼肉・ホルモンを出す。昼はラーメンを出す。時間帯でメニューが違う飲食店は、定食屋でも蕎麦屋でも珍しくない。「業態を完全に分ける」のではなく「時間帯で使い分ける」という発想に切り替えた瞬間、ずいぶん楽になりました。
屋号もそのままで構わない。夜の「侍ホルモン」は侍ホルモンとして続ける。ただし昼は、ラーメンを軸にした別の顔を作る。この考え方が、すべての出発点になりました。
第4位:カウンター5席という制約を強みに変えたこと
私の実証店舗は、カウンター5席・営業時間は11時〜14時の3時間です。「たった5席では商売にならない」と思われるかもしれません。実際、私自身も最初はそう考えていました。
ところが、5席という制約はオペレーションを単純にしてくれます。大きな厨房設備も要らない。多人数のスタッフも要らない。基本2名で回せる。夜営業の仕込みに影響させずに済む。制約が小さな規模に合った運営を強制してくれた、とも言えます。
月間の客数は250〜350名、客単価は約950円。5席・3時間という小さな単位でも、新しい利益源は生まれます。「5席だけでも収益は生まれます」というのは、理論ではなく、今も続けている実際の数字から言っていることです。
カウンターだけでランチ営業を回すための5つの工夫についても別の記事で詳しく書いていますので、参考にしてみてください。
第3位:FCの「屋号変更条件」を知ったとき、選択肢を広げたこと
家系ラーメンを昼に始めようと考えたとき、まずフランチャイズを調べました。加盟金・ロイヤリティ・研修内容・サポート体制……それぞれに魅力はありましたが、多くのFCには「屋号を本部の指定名称に変更する」「店舗外観を統一仕様にする」という条件が含まれていました。
15年近く積み上げてきた「侍ホルモン」の看板を外すことは、私にはできませんでした。清水駅前グルメ通りで地域のお客様に覚えてもらった屋号を、別の名前に替えることは単なるリブランドではなく、積み上げてきた信頼関係を一度リセットすることを意味する、と感じたからです。
だからこそ、「FCとは別の選択肢がないか」を探し始めました。自分の屋号を守りながら、でも一からレシピ開発するのではなく、実績のある仕組みを取り入れる方法。それが、現在の山道家モデルの原型になっていきます。
✓ ここまでのポイント
- 昼夜で「業態を分ける」のではなく「時間帯で使い分ける」という発想が突破口になる
- カウンター5席・3時間という小規模でも、実際の営業で利益源は作れる
- FCの屋号変更条件が壁になるなら、自分のブランドを守る別の選択肢を検討する価値がある
屋号を守りながら昼営業を始めたい、でもFCの条件が合わない——この記事で触れた「第3位」の判断がまさに今の詰まりどころではないでしょうか。山道家モデルの詳細ページでは、オリジナルプランとブランドプランの違い、仕入先・研修・オペレーションまで含めた導入内容を確認できます。説明会への申込みも同ページから行えます。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
第2位:「店炊きスープ」を前提にしなかったこと
家系ラーメンを昼だけのために始めるとき、一番現実的でないと感じたのは「長時間スープを炊く」ことでした。夜の焼肉営業がある。昼の3時間のために朝から何時間もスープを炊き続けるのは、体力的にも燃料コスト的にも現実的ではありません。
だから私は、「店炊きスープであること」を前提から外しました。スープの仕入れ先を研究し、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を調整することで、「本格的」と評価されるラーメンを作ることに集中しました。
実際に来てくれたお客様から「本格的な家系ラーメン」「家系を食べるならここ一択」という言葉をいただいています。スープをどこで炊いたかよりも、完成した一杯が満足を届けられるかどうか。良いか悪いかを最終的に判断するのはお客様であって、製法の説明書きではありません。
レシピだけでは足りないと考えるようになった実体験にも書きましたが、一杯の完成度はレシピ単体ではなく、材料と提供の全体バランスで決まります。
第1位:「今ある店舗」と「今ある看板」をそのまま活かす決断をしたこと
すべての判断の中で、一番大きかったのはこれです。「新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす」という決断。
新しい物件を借りれば、自由に設計できます。でも新しいリスクも生まれます。初期費用・家賃・人材採用……そのどれもが、現在の経営を圧迫する可能性があります。それに対して、今使っていないカウンター5席と昼の遊休時間を使うなら、追加の家賃は発生しない。設備もそのまま使える。夜営業の体制を崩さずに始められる。
そして何より、「侍ホルモン」という屋号はそのまま残る。昼のラーメン営業で新しい顔を加えながら、夜の主力業態は変わらない。この両立こそが、二毛作という考え方の核心です。
自分のブランドを守ることと、新しい収益源を作ることは、矛盾しません。新規出店をせず、FCに加盟せず、今ある資産と屋号を活かして始める方法が、実際に存在します。
焼肉店の昼ラーメンで利益を残す5つの方法も合わせて読んでいただくと、具体的な数字の組み立て方がイメージしやすくなると思います。
まとめ:カウンターを昼に動かすとき、最初の判断が分岐点になる
振り返ってみると、カウンター5席を昼に使い始めるまでの判断は、いずれも「自分の店舗・看板・運営スタイルを守る」という軸から外れていませんでした。FCに加盟しなかったのも、長時間スープを炊くことを前提にしなかったのも、すべて同じ軸の上にある選択です。
大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。業態の二毛作に一つの正解はありません。でも「今の看板を守りながら、昼の遊休時間を利益に変える」という方向性は、多くの夜営業中心の飲食店に有効な選択肢だと考えています。
詳しい内容についてはお電話でもお気軽にどうぞ。054-363-2766(侍ホルモン清水駅前店/JR清水駅西口から徒歩約1分)
カウンター5席・3時間・2名という実際の営業数字を読んで、「自分の店でも動かせるかもしれない」と感じた方は、次のステップとして説明会の内容を確認してみてください。レシピだけでなく仕入先・研修・オペレーション設計まで含めた導入の全体像が、詳細ページに整理されています。


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