結論から言うと、焼肉店の昼営業メニューは「夜との差別化」より「夜との連動」で考えたほうがうまくいきます。その理由を、数字と現場の実感を交えながら順を追ってお伝えします。
売上はそこそこある。でも毎月末に手元に残る金額を見て、「これだけ働いてこれか」と感じたことはありませんか。焼肉店・ホルモン店の経営者と話すと、この感覚を持っている方がとても多い。原材料費・人件費・光熱費が上がり続けるなかで、夜だけの営業では構造的に利益を出しにくくなっています。
問題の本質は、客数ではありません。昼間、家賃を払っている店舗の厨房も客席も、ほぼ何もしていない。その遊休時間こそが、利益を圧迫している大きな要因の一つです。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜の売上はあるのに月末の利益が薄いと感じている焼肉店・ホルモン店のオーナー
- ✅ 昼間の厨房や客席を遊ばせたままにしていることが気になっている方
- ✅ 昼営業を始めたいが、何をメニューにすればよいか決め手がない方
- ✅ 夜の仕込みを増やさずに昼営業を成立させたい方
- ✅ FCには縛られず、自店の屋号のまま新しい収益源を作りたい方

方法① 夜の仕込みと「原価の流れ」を先に整理する
昼メニューを考えるとき、多くの方が「何を出せば売れるか」から入ります。ただ、焼肉店が昼営業で先に確認すべきは「夜の仕込みで何がどれだけ出るか」という流れです。
たとえば、夜にカルビやハラミを仕込む過程で出るスジ・端材・骨まわりの肉。これらは夜のメニューとしては出せないけれど、昼ならしっかり価値になります。ダレに浸けてチャーシュー的に使う、煮込みにする、スープの出汁に転用する——こうした「夜の原価の続き」として昼を設計することで、仕込みの手間は増えず、食材の歩留まりだけが改善されます。
この視点を持てるかどうかで、昼営業の原価率はかなり変わります。夜と完全に切り離した別メニューを作ろうとすると、仕入れも仕込みも二重になって結局しんどくなる。焼肉店ランチを始めるための6つの準備でも触れているように、昼のメニュー設計は夜との仕込みの連動から考えるのが鉄則です。
方法② カウンター席の稼働時間に着目する
焼肉店のカウンター席は、夜の時間帯にはほとんど使われないことが多い。一人焼肉が普及してはいますが、カウンターで焼肉を食べるスタイルはまだ主流ではありません。この「夜に使っていないカウンター」こそ、昼営業の出発点になります。
私自身、清水駅前で夜に焼肉・ホルモンを営業しながら、昼はそのカウンター5席だけを使って家系ラーメンの営業を始めました。テーブル席には手をつけず、カウンターだけ。11時から14時の3時間。この小さな単位から始めたことで、夜営業への影響をほぼゼロに抑えながら新しい利益源を作ることができました。
5席・3時間という規模でも、月間250〜350名のお客様にご来店いただき、月商25万〜33万円という実績が出ています。「5席だけでも収益は生まれます」というのは、理屈ではなく実際に今も動いている数字の話です。
方法③ 「単品完結型」メニューで回転を設計する
昼の焼肉店で失敗しやすいのは、夜と同じ感覚で「品数を増やせばよい」と考えることです。昼の客は回転時間が短い。ランチで1時間以上かける人は多くありません。だとすれば、注文から着席・提供・退席までを30〜40分以内で設計できるメニューが適しています。
単品で完結し、ライス・スープがセットになっていて、提供が早い——この3条件を満たすメニューが昼には強い。焼肉店であれば、焼いて盛るだけで提供できる「焼肉定食」系は当然の選択肢です。ただ、それだけだと昼の集客に限界が出ることもある。
そこで検討する価値があるのが、ラーメンとの組み合わせです。焼肉店の昼営業でラーメンは相性がよいのでしょうか?という問いには、私自身の経験からはっきり「相性はいい」と答えられます。焼肉の仕込みで出る素材とラーメンのスープは親和性が高く、昼の単品完結型メニューとしてラーメンは非常に機能しやすい。
方法④ スープを「炊く」ことにこだわらない設計をする
ラーメンを昼に出すと言うと、「スープを何時間も炊かないといけないんでしょ?」という反応が返ってきます。これが焼肉店にとっての最大のハードルに見えている。でも、実際はそこにこだわる必要はありません。
私が今提供している家系ラーメンは、長時間店内で豚骨やガラを炊き続ける方式ではありません。それでもお客様から「本格的な家系ラーメン」「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」という評価をいただいています。なぜそうなるかというと、スープ単体ではなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を調整しているからです。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
一杯の満足度は、スープを何時間炊いたかではなく、口に入ったときの全体のバランスで決まります。この視点に立てると、昼だけのために大型の寸胴を用意して朝から炊き続けるという選択肢をとらなくてもよくなります。夜営業への影響もなく、仕込みの時間も大幅に短縮できる。
✓ ここまでのポイント
- 昼メニューは「夜との差別化」より「夜の仕込みとの連動」で設計する
- カウンター席など夜に使っていない席から小さく始めることで、夜営業への影響をゼロに近づけられる
- スープを長時間炊くことにこだわらなくても、全体のバランス設計で本格的な評価は得られる
スープを長時間炊かなくても本格的な評価が得られるという話は分かった、でも「じゃあ具体的に何をどう仕入れて、どう組み合わせるのか」という部分がまだ見えていないはずです。説明会では、タレ・鶏油・麺・チャーシューの仕入先と組み合わせ方まで含めた山道家モデルの全体像をお伝えしています。オンラインでの個別相談にも対応しています。
方法⑤ 客単価・回転数・営業日数から「出口の数字」を先に決める
メニューを決める前に、もう一つ確認しておきたいのが「どれくらいの利益が出れば昼営業を続ける意味があるか」という出口の数字です。
たとえば、月に10万円の新しい利益が生まれれば年間120万円。これだけで夜営業の固定費の一部をカバーできる計算になります。客単価950円・5席・1日3回転・月22営業日で計算すると、月商は約31万円。ここから原価・消耗品・光熱費の昼分を引いた額が利益になります。
この数字を最初に持っておくと、「何席使うか」「何時間営業するか」「客単価をいくらに設定するか」が逆算で決まります。感覚で決めるのではなく、数字から設計するのが小規模昼営業を無理なく続けるコツです。焼肉店の昼営業で失敗しない7つの方法では「失敗しないための前提条件」を詳しく解説していますので、数字の設計と合わせて参考にしてみてください。
方法⑥ 少人数オペレーションを「仕組み」として作る
昼営業がうまくいかない理由として、「人が足りない」という声をよく聞きます。でも多くの場合、人が足りないのではなく、オペレーションが昼営業向けに設計されていないだけです。
私の実証店舗は基本2名で回しています。1名が厨房、1名がホールという構成で、5席・3時間という小さな単位に絞っているからこそ成立しています。夜のスタッフが昼の少しの時間だけシフトに入る形でも十分に回せる設計にしておくことが、新しいスタッフを採用せずに昼を始めるための前提条件です。
オペレーションを設計するうえで鍵になるのは「何をしないか」の決定です。昼だけで仕込む食材を増やさない、昼だけで使う機材を買い足さない、昼のために夜の段取りを変えない——この「しない」の整理が、少人数で回せる仕組みを作ります。
「チャーシューが本当に美味しい」
実証店舗ご来店のお客様
チャーシューは夜の仕込みと連動させています。昼のためだけに別で仕込む必要はなく、夜の仕込みで作ったものをそのまま昼にも使う。この連動が、少人数オペレーションを支える大きな要素になっています。
まとめ:「新しく作る」のではなく「今ある店舗を活かす」
焼肉店の昼営業メニューを作る6つの方法を整理すると、共通するのは一つのことです。「夜営業の延長線上に昼を置く」という発想です。
夜の仕込みと連動させ、夜に使っていない席から始め、夜のスタッフで回せるオペレーションにする。新しく何かを足すのではなく、今ある資産の稼働時間を増やす。これが「売上ではなく、新しい利益源を作る」という考え方の中身です。
昼に何を出すかという「メニューの答え」は、正直なところ店舗ごとに違います。立地・夜の業態・スタッフ構成・客層——これらが違えば、最適な答えも変わります。ただ、考え方の骨格はこの6つの方法に集約されます。
記事を読んで「自分の店に当てはめるとどうなるか」が気になった方は、まずお電話でご相談ください。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)
6つの方法を読んで「自分の焼肉店に当てはめると、どの席を使って、何席から始めればいいのか」という具体的なイメージがまだ固まっていないなら、説明会で店舗の状況を聞かせてください。カウンター席数・夜の営業時間・スタッフ構成をもとに、あなたのお店に合った昼営業の設計を一緒に考えます。加盟金もロイヤリティも発生しません。


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