結論から言うと、焼肉店が昼営業で失敗する最大の原因は「商品選定のミス」ではなく、「オペレーションの設計ミス」です。特にラーメンを昼営業に導入しようとした際、「豚骨スープを何時間も炊かなければならない」というイメージが先行して、開業前に諦めてしまうケースが後を絶ちません。でも実際は、炊く時間がないこと自体は解決できます。問題は、その解決策を知らないまま動いてしまうことです。
今回は、焼肉店が昼営業を立ち上げるときに躓きやすいポイントを7つに整理し、それぞれに対して現場で通用する具体的な対処法をお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜の焼肉営業だけでは固定費をカバーしきれないと感じている方
- ✅ ラーメンを昼に始めたいが、スープを炊く時間を確保できない方
- ✅ 昼の仕込みが夜の準備を圧迫しないか不安な方
- ✅ 少人数・短時間から昼営業を試してみたい方
- ✅ フランチャイズ以外の低コストな参入方法を探している方

失敗の根本原因は「昼営業の仕込みが夜営業を壊す」こと
焼肉店が昼営業に踏み出すとき、まず直面するのが「仕込みの時間帯の衝突」です。夜の仕込みは早い店だと14〜15時から始まります。昼営業が11〜14時なら、洗い物・片付け・レジ締めを終えるとすでに14時30分を回っていることも珍しくない。
ここに「朝から豚骨を炊く」という工程が加わると、物理的に破綻します。店主が朝7時に来て仕込みを始め、昼営業して、夕方までに夜の準備を整える——そのスケジュールは、体力的にも時間的にも長く続けられるものではありません。
だからこそ、昼営業のメニュー設計は「炊く」前提で組んではいけないのです。これが失敗を防ぐための最初の認識です。
7つの方法:スープから提供方法まで、工程ごとに見直す
① 業務用スープを「出発点」として選ぶ
家系ラーメンに代表される豚骨醤油系のスープは、業務用として品質の高いものが流通しています。「店で炊いていないから本物ではない」という固定観念を一度外してみてください。大切なのは、そのスープをそのまま出すのではなく、自店の調整を加えて完成させることです。
業務用スープは「素材」です。そこにタレ・鶏油・麺の選定・チャーシューのクオリティ・提供温度・丼のサイズ感が組み合わさって、初めて「一杯のラーメン」になります。業務用スープを使うことと、手を抜くことはイコールではありません。
② タレの配合で「自店の味」を作る
スープの味を決定づけるのは、実はタレです。家系ラーメンの場合、醤油ダレの配合次第で同じスープベースでも全く別の印象になります。ここに店主のこだわりを入れる余地があります。
タレは少量から仕込めるため、夜営業の合間に作れます。大きな仕込み釜を使う必要もなく、焼肉店の既存厨房で十分対応できます。
③ 鶏油の品質にこだわる
家系ラーメンの特徴的なコクと香りを担うのが鶏油(チーユ)です。この仕上げ油の質と量が、スープの「厚み」を左右します。業務用スープを使う場合でも、鶏油の調整で本格感を引き上げることが可能です。
鶏油の仕込みも、夜営業の仕込みと同じ工程に組み込めるため、昼営業専用の時間をわざわざ設ける必要はありません。
④ 麺の選定は「茹で時間」から逆算する
昼営業で回転が詰まる原因のひとつが、麺の茹で時間です。家系ラーメンは麺の硬さをお客様が選ぶスタイルが一般的ですが、使う麺によって標準茹で時間が異なります。
5席・3時間という小規模運営で安定させるには、茹で上がりが読みやすく、ブレが少ない麺を選ぶことが重要です。「この麺ならX分で硬め、Y分で普通」という感覚が掴めると、少人数でも安定した提供ができます。
⑤ チャーシューは「前日仕込み」を前提に設計する
実証店舗である山道家で実際にお客様から届く声に、こんなものがあります。
「チャーシューが本当に美味しい」
実証店舗ご来店のお客様より
チャーシューは、ラーメン全体の印象を大きく左右します。そしてチャーシューは、前日の夜に仕込んで翌日昼に使うという動線が組みやすい食材です。焼肉店であれば肉の扱いに慣れていますから、チャーシューの製法を覚えることへのハードルは低いはずです。
仕込んで冷蔵保存し、営業前にスライスしてセットするだけ。このシンプルな流れが、昼営業の仕込み負荷を大きく下げます。
⑥ 提供方法を「手順書」に落とし込む
昼営業を少人数で回すためには、「誰が何をどの順番でやるか」をあらかじめ決めておくことが必要です。家系ラーメンの場合、丼の温め→スープの計量→タレの入れ方→鶏油の量→麺の湯切り→トッピングの順番、という工程があります。
これを手順書として可視化しておくと、アルバイトスタッフや普段ホールに入っている人でも対応できるようになります。焼肉店がランチ営業を始める前に整えるべき準備については別記事でも詳しく解説していますが、「手順書の整備」は最初の仕組みづくりの核です。
⑦ 「炊かない」ことを後ろめたく思わない
山道家では、長時間店内で豚骨やガラを炊き続ける方式をとっていません。それでも、お客様から届く声は次のようなものです。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様より
スープを炊いていないことを知らずに「正統派」と感じていただける。この事実が示しているのは、完成した一杯の満足度を決めるのは「工程の多さ」ではないということです。業務用スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を丁寧に設計することで、本格的という評価は十分に得られます。
✓ ここまでのポイント
- 昼営業の失敗は商品より「オペレーション設計のミス」が原因になりやすい
- 業務用スープ+タレ・鶏油・麺・チャーシューの組み合わせ設計で、炊く工程なしに本格的な一杯は作れる
- チャーシューの前日仕込みと手順書の整備が、少人数・短時間運営を支える
「炊く時間がない」という壁は、仕込みの動線を組み直せば突破できると分かった。ただ、業務用スープの選び方・タレの配合・麺の仕入先となると、どこから手をつければよいか迷うはずです。山道家モデルの説明ページでは、レシピ・仕入先紹介・開業研修の内容を具体的に確認できます。
実証店舗の数字で見る「小さく始める」の現実
焼肉店の昼営業を検討する際、「何席使えば採算が取れるのか」という疑問はごく自然です。山道家の実証店舗の運営実績は次の通りです。
- 席数:カウンター5席
- 営業時間:11:00〜14:00(3時間)
- 客単価:約950円
- 月間客数:約250〜350名
- 月商:約25万〜33万円
- 基本運営人数:2名
5席・3時間・2名という規模でも、月25万〜33万円の売上が発生しています(数字は営業日数や季節によって変動します)。
焼肉店のカウンター席や小上がりを夜に使わずに閉じているなら、その席は昼の間ずっと固定費だけを吸い込んでいる状態です。5席から動かすことで、その固定費の一部を回収する動きが始まります。
昼間の遊休時間を利益に変える具体的な考え方については別の記事でも整理していますが、「満席にならないと意味がない」という発想を外すことが、小規模スタートの第一歩です。
「昼が夜を邪魔する」を防ぐタイムライン設計
実際に昼営業を始めた焼肉店から聞く声で多いのが、「昼の片付けが終わると夜の仕込みが間に合わない」という問題です。これは時間管理の問題ではなく、動線の問題です。
おすすめのタイムラインは次の通りです。
- 10:00〜11:00 昼営業の仕込み・開店準備
- 11:00〜14:00 ランチ営業
- 14:00〜14:30 レジ締め・洗い物・片付け
- 14:30〜 夜営業の仕込みへ移行
このタイムラインが機能するのは、昼の仕込みが「10時に来れば間に合う」設計になっているからです。朝7時から炊き始める工程がないこと、チャーシューが前日仕込み済みであること——この2点が、14時30分のバトンタッチを可能にします。
夜業態の昼営業を軌道に乗せるための5つのポイントでも時間管理の考え方を詳しく書いていますので、合わせて参考にしてみてください。
まとめ:炊けなくても、昼営業は動かせる
焼肉店が昼営業で失敗しないための7つの方法を振り返ると、共通するのは「炊く時間がないことを前提に設計する」という発想です。
業務用スープを素材として捉え、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を一体として調整する。手順書を整えて少人数で回せるオペレーションを作る。チャーシューは前日に仕込んで昼の負荷を下げる。昼の片付けから夜の仕込みへのバトンタッチを14時30分以内に完了させる。
これらは理論ではなく、実際に清水駅前の実証店舗で今も繰り返している現場の手順です。「新しく何かを作る」のではなく、今ある設備・客席・人員を活かして、昼の3時間を利益に変える。その仕組みは、すでに動いています。
昼営業の導入を検討されている焼肉店オーナーの方は、まずお電話でご状況をお聞かせください。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)
7つの方法を読んで「自分の店でも動かせるかもしれない」と感じたなら、次は店舗の席数・厨房・営業時間をもとに具体的な導入イメージを掴む段階です。説明会への申込みページでは、山道家モデルの全体像とオリジナルプラン・ブランドプランの違いを詳しく案内しています。


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