居酒屋で利益が出ないとき、昼営業を検討すべきですか?

ランチ営業・小規模運営

先日、ある居酒屋のオーナーからこんな相談を受けました。「昼営業に興味はあるんですが、夜の仕込みに影響が出そうで踏み切れないんです」と。正直、この言葉はここ数年で何度も聞いてきました。昼を始めたいけど、夜を崩したくない。それはごく自然な感覚です。

結論から言うと、居酒屋で利益が出ないとき、昼営業を検討する価値は十分にあります。ただし「何でもいいから昼に始める」ではなく、夜の営業を壊さない動線を先に設計することが前提です。この記事では、その具体的な考え方と手順をお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業だけでは利益が残らず、昼の活用を考えている方
  • ✅ 昼営業を始めると夜の仕込みやスタッフ勤務に影響が出ないか不安な方
  • ✅ 少ない席数・短い時間から新しい収益源を作りたい方
  • ✅ フランチャイズではなく、自店のペースで新業態を試したい方
  • ✅ 昼営業の具体的なタイムスケジュールや運営の流れを知りたい方
居酒屋で利益が出ないとき、昼営業を検討すべきですか? | 山道家二毛作モデル

昼営業は夜の居酒屋営業に本当に影響するのか?

これが多くの経営者が最初に立ちはだかる疑問です。答えは「設計次第で影響はコントロールできる」です。

影響が出るケースのほとんどは、昼と夜の動線が整理されていないことが原因です。昼の片付けが終わらないまま夜の仕込みが始まる、スタッフが休憩を取れないまま連続勤務になる、昼に使った調理器具が夜の仕込みと干渉する——こういった状況が重なると「昼のせいで夜が回らない」という感覚が生まれます。

逆に言えば、昼営業の開始・終了・片付け・休憩・夜仕込みへの切り替えをあらかじめ設計しておけば、昼と夜はそれぞれ独立した時間帯として機能します。「昼営業が夜に影響する」のではなく、「動線が整理されていないことが夜に影響する」のです。

具体的にどんな時間の流れにすればよいのか?

私自身が清水駅前で実際に運営している「横浜家系ラーメン山道家」の動きをベースにお伝えします。

おおむね次のような流れで動いています。

  • 10:00〜 昼営業の準備(スープの温め・麺の確認・カウンターセッティング)
  • 11:00〜14:00 昼営業(カウンター5席・基本2名体制)
  • 14:00〜14:30 昼の片付け・清掃
  • 14:30〜 休憩・夜営業の仕込みへ移行

昼営業は14時に閉めているので、夜の準備が始まる前に1時間以上の余白があります。この余白があることで、スタッフも一度リセットでき、夜の仕込みに集中できます。昼と夜の間に「切り替えのための時間」をどれだけ確保できるかが、二毛作運営の設計で最も重要なポイントのひとつです。

もちろん、居酒屋によって夜の仕込みが始まる時間は異なります。16時から仕込みが必要なお店であれば、昼営業を13時終了にする選択肢もあります。一律の時間割ではなく、あなたのお店のリズムに合わせて時間を設計することが大切です。

✓ ここまでのポイント

  • 昼営業が夜に影響するのは、動線の設計が原因であることが多い
  • 10時準備・11〜14時営業・14時以降に片付けと休憩を挟む流れが基本形
  • 昼と夜の間に「切り替えの余白」を作ることが、二毛作運営の鍵になる

昼営業のメニューは何が向いているのか?

居酒屋の昼営業で悩みやすいのがメニュー選定です。「居酒屋メニューをそのままランチに出せばいいのでは」と思う方もいますが、昼の客層・回転速度・仕込みのしやすさを考えると、専用のランチメニューを用意したほうがうまく機能します。

私が選んだのが家系ラーメンでした。理由は明確で、メニューを絞れること、回転が速いこと、夜の仕込みと干渉しないこと、この3点です。居酒屋やホルモン店として夜に使う食材や火を、昼に別の目的で活用できる点も理にかなっていました。

特に意識したのは「長時間スープを炊く必要のない設計にする」ことでした。昼営業のために早朝から何時間も厨房に立つのでは、夜営業を続けながら体が持ちません。スープはもちろん、タレ・鶏油・麺・チャーシューの組み合わせ全体を調整することで、本格的な満足感を実現する方法を研究し、実店舗で繰り返し改善してきました。

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

山道家 実証店舗へのお客様の声

「チャーシューが本当に美味しい」

山道家 実証店舗へのお客様の声

長時間炊き続ける方式ではないにもかかわらず、こうした評価をいただけているのは、一杯の完成度をスープ単体ではなく全体のバランスで作っているからだと思っています。昼営業だからといって「妥協した一杯」を出す必要はありません。

5席・3時間でも収益は出るのか?

「カウンター5席しかない」「昼の3時間だけ」——こういう条件を聞くと、そもそも収益になるのかと疑問を持つ方も多いと思います。実際の数字でお伝えします。

山道家の実証店舗では、カウンター5席・11〜14時の3時間営業・基本2名体制で運営しています。月間客数は約250〜350名、客単価約950円で、月商はおおむね25万〜33万円の範囲で推移しています。数字は営業日数や季節によって変動しますが、実績の中心的な意味は、5席・3時間という小規模営業でも収益を生み出せることです。

これは「5席しかないからダメ」ではなく、「5席だからこそ管理しやすく、夜営業に影響を与えずに回せる」という考え方の転換です。大きく始めるより、小さく始めて改善するほうが、夜の居酒屋経営を守りながら新しい利益源を作るうえで現実的です。

月25万円の売上が毎月積み上がるだけで、固定費の回収効率は大きく変わります。家賃をすでに払っている店舗で、昼間の3時間だけを活用して生まれる利益です。新しく物件を借りるコストはゼロです。

昼営業を始めるとき、何から手をつければよいのか?

「やってみよう」と決めた後、多くの経営者が最初に詰まるのが「何から始めるか」です。メニューを決める前に、まず次の3点を整理することをお勧めしています。

  1. 夜の仕込み開始時刻を確認する 昼営業の終了時刻はここから逆算します。片付けと休憩に最低1時間を確保した時刻が昼の閉店目安です。
  2. 昼に使える席数を確認する 夜営業用のセッティングを崩さず、昼だけ使えるカウンター席が何席あるかを確認します。全席使う必要はありません。3〜5席から始めることで、オペレーションが安定しやすくなります。
  3. 昼専用の仕込みにかけられる時間を確認する 10時から準備を始めるとして、夜の仕込みと干渉しない昼専用の作業時間は何分取れるかを明確にします。この時間に合わせてメニューを選ぶのが正しい順番です。

この3点が整理されると、メニュー選択・人員配置・導線の設計が一気に具体的になります。「昼に何を出すか」より「昼にどう動くか」を先に決めることが、夜営業を守りながら二毛作を成立させるコツです。

まとめ:昼営業は「夜を守りながら始める」ことができる

居酒屋で利益が出ないとき、昼営業は有効な選択肢です。ただし「何でもいいから昼に始める」ではなく、夜の動線を壊さない設計が先です。

10時に準備を始め、11〜14時の3時間だけ営業して、片付けと休憩を挟んで夜の仕込みへ移る。この流れを店舗ごとに調整することで、昼と夜は干渉しなくなります。5席・3時間という小さなスタートでも、実際に収益は生まれています。新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かして利益源を増やす——この考え方が、二毛作という選択肢の本質です。

昼営業の具体的な始め方や、家系ラーメンを使った二毛作モデルの詳細について、個別にご相談いただくことも可能です。まずは話を聞いてみるところから始めてみてください。

📞 お電話でのご相談:054-363-2766

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