先日、焼肉店を営む経営者の方からこんな相談をいただきました。「昼間、店が完全に空いているんですよね。ラーメンでも始めようかと思っているんですが、うちの屋号を変えたくないんです。フランチャイズだと店名まで変えなきゃいけないケースがあるって聞いて、踏み切れなくて…」
この悩み、すごくよく分かります。長年育ててきた自分の店の名前って、簡単に手放せるものじゃない。でも、昼間の遊休時間をそのままにしておくのも、もったいない。今回は、この「屋号を守りながらラーメンを始められるか」という問いに正面から答えていこうと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 焼肉店・ホルモン店を経営していて、昼間の店舗が空いている方
- ✅ 自店の屋号やブランドを変えずに昼営業を始めたい方
- ✅ フランチャイズの指定屋号や高いロイヤリティに抵抗がある方
- ✅ 家系ラーメンの導入に興味はあるが、具体的な進め方が分からない方
- ✅ 少人数・短時間から新しい利益源を試してみたい方

焼肉店の厨房はラーメン営業に向いているのでしょうか?
結論からいうと、焼肉店の厨房はラーメン営業との相性が思った以上によいです。理由はいくつかあります。
まず、火力の強いコンロが整っている点。ラーメンのスープを温めたり、麺を茹でたりする作業には一定の火力が必要ですが、焼肉店はもともと業務用のしっかりした熱源を備えていることが多い。これはそのまま活用できます。
次に、カウンター席の存在です。焼肉店には、一人客や少人数向けのカウンターが設けられていることがよくある。夜は焼肉のお客様で埋まるこのカウンターも、昼間は完全に空いたままです。5席程度のカウンターがあれば、昼ラーメン営業を始めるには十分な環境です。
そして、もう一つ見落とされがちなポイント。焼肉店は「肉を扱う店」です。チャーシューの仕込みに対するハードルが、他業態よりも低い。肉の扱いに慣れたスタッフがいれば、チャーシューの品質を上げやすいという側面があります。
ラーメンのフランチャイズに加盟すると、自店の屋号はどうなるのでしょうか?
ここが、多くの焼肉店オーナーが二の足を踏む部分です。一般的なラーメンフランチャイズに加盟すると、FC本部が定める屋号・内装・ユニフォームに統一することを求められるケースがあります。つまり、「○○焼肉」として10年営業してきた店が、昼だけとはいえ別ブランドの看板を掲げることになる。
「お客様が混乱するんじゃないか」「常連さんに違和感を持たれないか」という心配は、決して大げさではありません。地域に根づいた店名というのは、一度変えると取り戻しにくい信頼の積み重ねです。
加えて、ロイヤリティの問題もあります。毎月一定額を本部に支払う構造は、特に昼営業の規模が小さいうちは負担になりやすい。昼に25万円の売上を作ったとして、そこからロイヤリティを引かれ続けると、手元に残る利益は想定より小さくなることがあります。
「FCを使えば楽に始められる」は半分正しくて、半分は見落としがある、というのが私の実感です。
✓ ここまでのポイント
- 焼肉店の厨房・火力・カウンター席は、昼ラーメン営業に向いている環境が整っている
- 一般的なラーメンFCでは、屋号の統一や継続的なロイヤリティが求められるケースがある
- 自店ブランドを守りながら始めるには、FCとは別の選択肢を検討する必要がある
自分の店名のまま家系ラーメンを始めることはできるのでしょうか?
できます。そして、それが私自身が山道家モデルを作った大きな理由のひとつです。
私は2009年に清水駅前で「侍ホルモン清水駅前店」を創業し、夜営業の焼肉・ホルモン店を長年続けてきました。家系ラーメンが好きで、横浜の吉村家をはじめ、全国各地の家系ラーメン店を食べ歩くうちに、「自分の店でもやれないか」と考えるようになりました。ただし、「侍ホルモン」という屋号を捨てる気は最初からなかった。あくまでも、今ある店舗の遊休時間を活かす、というのが出発点でした。
山道家モデルには、オリジナルプランとブランドプランの2種類があります。オリジナルプランは、レシピ・オペレーション・仕入先・研修などをそのまま自店に導入し、屋号は自由に使えるプランです。「○○ラーメン」「○○の昼ごはん」など、自店に合ったネーミングで始めることができます。ブランドプランは「山道家」のブランド・ロゴ・メニューデータも含めて使えるプランで、「山道家の看板で集客力を借りたい」という方向けです。
どちらにも、加盟金も月額ロイヤリティも契約期間もありません。ノウハウを導入したら、あとはあなたの店舗として運営していただく形です。
実際に「本格的な家系ラーメン」という評価は得られるのでしょうか?
これは私が一番気にしていた部分でもあります。山道家では、長時間豚骨やガラを炊き続ける方式を採用していません。昼だけのために何時間もスープを仕込むのは現実的ではないし、それが夜営業の仕込みや店主の体力に影響するなら本末転倒です。
では、どうやって本格感を出すのか。スープだけに頼らず、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を調整することで、完成した一杯としての満足度を作っています。このバランス設計に、私がラーメンを食べ歩いてきた経験と、実際の店舗営業を通じた改善が凝縮されています。
実際に食べてくださったお客様からは、こんな声をいただいています。
「本格的な家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
「店内で炊いていないから本物じゃない」ではなく、「完成した一杯がどう感じられるか」が判断の基準だと思っています。最終的に良いか悪いかを決めるのはお客様です。その評価が「本格的」であれば、それが正直な答えだと受け止めています。
実証店舗は清水駅前のカウンター5席、営業時間は11時から14時の3時間。基本2名体制で運営し、月間客数は250〜350名、月商は25万〜33万円ほどです。この規模感が、新しく店舗を構えずに昼営業を追加するモデルとして、一つの目安になると思います。
焼肉店がラーメンを昼に導入するとき、どんな点に気をつけるべきでしょうか?
いくつか現実的な注意点をお伝えします。
一つ目は、夜営業への影響を最小限にする仕込みの流れを設計すること。昼営業の準備は10時頃から始め、14時に終了後、片付けを済ませてから夜の仕込みに移る、という流れが基本です。この動線が整っていないと、夜のオペレーションに支障が出ます。店舗ごとに厨房の広さや動線が異なるため、一律の答えはなく、それぞれの状況に合わせて調整することが必要です。
二つ目は、メニューを絞ること。昼のラーメン営業を少人数で回すなら、品数は最小限にするのが現実的です。「ラーメン・ライス・トッピング数種」程度のシンプルな構成が、オペレーションの安定につながります。
三つ目は、集客の準備を事前に整えること。昼営業を始めても、告知なしでは人が来ません。既存の夜のお客様への周知、Googleビジネスプロフィールの更新、SNSでの発信など、小さくてよいので事前に動いておくことが大切です。
「始めてから考える」ではなく、「小さく整えてから始める」が、余計な混乱を防ぐコツです。
まとめ:焼肉店の昼営業とラーメン、相性はよい。ただし屋号と仕組みの選択が鍵です
焼肉店の昼営業にラーメンを導入することは、厨房環境・席数・肉の扱いという面で相性が悪くありません。むしろ、条件が整っているケースも多い。
ただし、「屋号を守りたい」「ロイヤリティを払い続けたくない」「夜営業に支障を出したくない」という条件を全部クリアしようとすると、一般的なラーメンフランチャイズでは難しい場面があります。
新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす。その考え方を軸に、自店ブランドを守りながら昼の利益源を追加する方法を探している方に、山道家モデルが一つの選択肢になると思っています。
「うちの店でできるかどうか、話だけでも聞いてみたい」という段階で構いません。お気軽にご相談ください。
お電話でのご相談も受け付けています:054-363-2766


コメント