10月に入り、静岡でも朝晩の空気がずいぶん冷えてきました。こういう季節になると、温かいラーメンへの需要が一段と高まるのを肌で感じます。「そういえば、うちの昼間の厨房、このシーズンこそ動かせれば……」と考えている飲食店オーナーも多いのではないかと思います。
ただ、頭でわかっていても、夜営業を毎日まわしながら「さあ開業準備を始めよう」と動き出すのは、言うほど簡単ではありません。商品開発、仕入先の選定、メニュー表の作成、集客のためのPOPや告知物——やるべきことを並べただけで、すでに疲弊しそうになる。それがリアルな現場の声だと思います。
今回は、私自身がなぜ「スープを炊かない開業モデル」を選んだのか、その本音を書きます。きれいな建前ではなく、17年間飲食の現場にいたからこそ気づいた、準備負担の正体と向き合い方についてです。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業を続けながら昼の新業態を考えている飲食店オーナー
- ✅ 商品開発や仕入先探しに使える時間がなくて困っている方
- ✅ スープを炊かなくても本格的なラーメンができるのか知りたい方
- ✅ FCではなく、自由度の高い形でラーメン営業を始めたい方
- ✅ 開業準備の何から手をつければよいか分からない方

準備に時間を使えない、というのは「甘え」ではない
私が清水駅前で「侍ホルモン」を始めたのは2009年のことです。それ以来、ずっと夜営業の現場に立ってきました。仕込み、営業、片付け、翌日の発注——この繰り返しの中で、昼間に「新しい事業の準備」に集中できる時間など、ほとんどありません。
「山道家」を始める前、私が一番悩んだのもそこでした。家系ラーメンを食べ歩き、横浜の吉村家をはじめ多くの店を研究してきた。でも「好きで食べ歩く」ことと「自分の店で再現するための仕込み体制を作る」ことは、まったく別の話です。
豚骨やガラを長時間炊いてスープを仕上げる。それ自体は否定しません。ただ、昼の3時間だけのために、夜営業と並行してそのオペレーションを組み上げるのは現実的ではなかった。スープを炊くための時間・設備・人員・技術、そのすべてを確保することが、夜営業を抱えた私には難しかったというのが正直なところです。
これは能力の問題ではなく、構造的な問題です。現場を持つ店主が、並行して新規事業の準備に全力を注ぐには、そもそも時間が足りない。だからこそ、「いかに準備の総量を減らすか」を最初の設計課題にしました。
「炊かない」を選んだのは手抜きではなく、設計の話
スープを自店で炊かないことを選んだとき、正直、「それで本格的な家系になるのか」という自問はありました。家系を食べ歩いてきた人間として、妥協した仕上がりには絶対にしたくなかった。
そこで考え方を変えました。スープを炊くかどうかではなく、完成した一杯としての満足度を最大化するにはどうすればよいか。スープの仕入れ先を慎重に選定したうえで、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法のすべてを自分で調整する。この組み合わせに時間と試行錯誤を注ぎました。
実際に清水の実証店舗でカウンター5席・11時から14時の3時間営業を重ねてきた結果、お客様からいただいた声は「本格的な家系ラーメン」「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」「間違いなく正統派の家系ラーメン」というものでした。
「本格的な家系ラーメン」「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様より
山道家では、長時間店内で豚骨やガラを炊き続ける方式ではありませんが、スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を調整することで、このような評価を得ています。スープの製法そのものを価値にするのではなく、一杯として完結しているかどうかを判断基準にしたことが、この結果につながったと思っています。
「炊かない」という選択は、既存店舗の設備・時間・人員を活かすことにこだわった結果でもあります。新しい設備を増やすのではなく、今ある環境の中で成立させる——この発想が、準備負担を減らすことにも直結しています。
✓ ここまでのポイント
- 夜営業を持つ店主が新規事業の準備に使える時間は構造的に少ない。これは能力の問題ではない。
- スープを炊くかどうかより、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を含めた一杯全体の設計が評価を決める。
- 「炊かない」選択は手抜きではなく、既存店舗の環境で成立させるための合理的な設計判断。
「炊かない」設計の合理性は理解できた、でも実際に自分の店で何をどの順番で準備すればいいのかが、まだ見えていないはずです。山道家モデルの詳細ページでは、レシピ・仕入先・開業研修・販促物データまで何がセットになっているかを確認できます。
準備の何が「重い」のかを分解すると、見えてくるものがある
夜営業を持つオーナーが昼のラーメン開業を検討するとき、何が一番の障壁になるか。「スープのレシピがわからない」「仕入先がわからない」「メニュー表やPOPをどうすればいい」——それぞれが単独でも負担ですが、これらが同時にのしかかってくるのが問題です。
商品設計だけでも、スープの選定・タレの配合・鶏油の量・麺の種類・チャーシューの製法・ライスや海苔などのトッピングバランスと、決めなければならない要素が山積みです。そこに仕入先の開拓、券売機や食器の手配、看板やメニュー表の制作が加わる。
こうした準備のすべてをゼロから行うのではなく、すでに実証された仕組みをそのまま使えるかどうか——これが、昼開業の現実的な成否を分けると私は考えています。
山道家モデルでは、レシピ・オペレーション・チャーシュー製法・仕入先紹介・開業研修までをまとめて提供しています。さらにブランドプランを選べば、ロゴデータ・メニューデータ・POPデータも含まれるため、販促物を一から作る手間も省けます。30万円前後の投資で始める際に現実的に必要なものについても別の記事で整理していますが、「何をゼロから用意しなくてよいか」を明確にするだけで、準備の見通しはずいぶん変わります。
「導入前」と「導入後」で変わること
山道家モデルを通じて昼営業を始めた店主が、導入前にどんな状態だったか。「何から手をつければいいかわからない」「夜の仕込みに影響させたくないのに、どうオペレーションを組めばいいか見当もつかない」という声がほとんどです。
導入後に変わるのは、まず準備の「問い」が具体的になることです。「スープをどうするか」「麺はどこから仕入れるか」という問いに自分で答えを出す必要がなくなり、「この仕組みを自分の店のどこに合わせるか」という問いに変わります。これは地味なようで、現場業務を抱えた店主にとっては決定的な違いです。
また、少人数で無理なく回せる業態設計を最初から組み込んでいるため、「昼だけのためにスタッフを新規採用しなければならないか」という不安も和らぎます。実証店舗では基本2名での運営を継続しており、夜のチームをそのまま昼に活用している店主も少なくありません。
「5席・3時間でも収益は生まれる」というのは、口で言うより実際の数字で見ていただいた方が伝わると思います。清水の実証店舗では月間250〜350名のご来店をいただいており、月商25万〜33万円という実績を積み重ねています。小さく始めることで、夜営業への影響を最小限にしながら、新しい利益源を育てることができています。
まとめ:スープを炊かない選択は、「今ある現場を守る」選択でもある
スープを炊かないことを選んだ本音を、一言で言えばこうなります。「夜営業の現場を壊さずに、昼の利益をつくりたかった」。それだけです。
家系ラーメンへの思い入れは人一倍ありますが、思い入れと現実の運営設計は切り離して考える必要があります。炊くかどうかより、食べたお客様が「本格的だ」と感じるかどうか。その判断は最終的にお客様が下すものであり、実証店舗でいただいた評価がひとつの答えだと思っています。
「開業準備に時間をかけられない」という悩みは、意志の問題ではなく現場の構造の問題です。だからこそ、準備の総量を減らせる仕組みを選ぶことが、夜営業を続けながら新しい利益源をつくる現実的な方法だと考えています。
記事の内容について、個別に話を聞いてみたい方はお電話でもご連絡ください。
📞 054-363-2766
夜営業を続けながら昼の開業準備を進めるには、ゼロから積み上げる時間がないことが最大のハードルです。説明会では、準備の何を省けて何を自分でやるのかを具体的に整理できます。


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