梅雨が明けると、清水港のあたりは昼間から観光客で賑わいはじめます。そんな季節になるたびに、「バーの昼間、うまく使えないかな」という声を聞くようになります。夜は満席なのに、日が高いうちは店のドアを閉めたまま──そういうバーや飲み屋さんが、静岡市内にも、全国にも、たくさんあると思います。
ただ、「昼営業を始めたいけど、スタッフが足りない」という悩みも同時によく聞きます。新しい人を雇える余裕はないし、今いるスタッフに無理をさせることもしたくない。そのジレンマで踏み出せない──そういう店主さんは少なくないはずです。
この記事では、バーの昼間の空き時間を飲食営業に活かす方法を、少人数でも回せるという観点から具体的に掘り下げます。「スタッフが増やせないから無理」で止まる前に、一度読んでみてください。
こんな方におすすめ
- ✅ バーや深夜酒場を経営していて、昼間の店舗が完全に空いている方
- ✅ 新しく人を採用せずに昼営業を始められないか考えている方
- ✅ 少人数・短時間でも成り立つ飲食業態を探している方
- ✅ ラーメンやランチ業態に興味はあるが、オペレーションのイメージが湧かない方
- ✅ フランチャイズではなく、自分の裁量で昼営業を試してみたい方

バーが昼に使われていない理由は「業態の特性」そのもの
バーは本来、夜の業態です。酒類の提供がメインで、客単価を支えるのはお酒と接客の時間。昼間にその機能を発揮しようとしても、需要がそもそも夜型です。だから昼間の店舗が空くのは「経営が悪い」のではなく、業態の構造としてそうなっているに過ぎません。
ただ、その構造は「損している」ということでもあります。家賃は一日24時間分かかっています。厨房設備も、カウンターも、椅子も、昼間は何も生んでいない。この店舗の遊休時間をどう収益化するかという問いに、真剣に向き合う価値はあります。
「でも昼営業を始めたら、スタッフが足りない」──この悩みは非常によく分かります。夜のバー営業を支えているスタッフが、昼も出てくれるかどうか。新しく採用すれば人件費が増える。そもそも、応募が来るかどうかも分からない。
だからこそ、「少人数でも成り立つ業態設計」が先に来る必要があります。
「少人数で回せる」ために必要なのは、商品数を絞ること
昼営業で多くの店が失敗するパターンのひとつが、メニューを作りすぎることです。「せっかく昼を開けるなら」と張り切って品数を増やすと、仕込みが増え、オペレーションが複雑になり、2人では回らなくなる。結局、慌ただしいだけで利益が残らない、ということになりがちです。
少人数で運営するなら、答えは逆です。商品数を思い切って絞り、提供の流れをシンプルに設計する。具体的には、メインとなる一品を決め、その一品を確実に提供できる仕込みと動線を整えることが先決です。
たとえば、ラーメンを昼の看板メニューにする場合。ライス・トッピング程度の選択肢はあっても、基本は「ラーメン一種+小さなサイドオプション」という設計で、2名でも十分に回せます。注文を受けてから仕上げまでの動線がシンプルであれば、1人が調理、1人がホールと会計を担当するだけで営業できます。
バーのカウンター席は、この設計と相性が良い。カウンターは構造的に、少ない席数をコンパクトな動線で提供できます。5席から8席程度であれば、2人で充分に対応できる規模感です。
✓ ここまでのポイント
- バーの昼間の遊休は「業態の特性」であり、その時間を活かすことが固定費回収の近道になる
- 少人数で昼営業を回すには、メニューを絞ってオペレーションをシンプルに設計することが前提
- バーのカウンター構造は、少人数・少席数の昼営業と構造的に相性が良い
「商品数を絞って2名で回す」という設計の方向性は分かっても、実際にどのメニューを選び、どう仕込みを組むかは、自店の厨房と席数を見ながら決める必要があります。山道家モデルの説明会では、レシピ・仕入先・オペレーション設計をまとめて確認できます。参加の形式や費用は、ページ内に案内があります。
11時〜14時という時間帯の意味
私自身が清水駅前で運営している実証店舗では、昼営業の時間帯を11:00〜14:00に設定しています。この3時間という枠は、意図的な設計です。
10時頃から仕込みを始め、11時開店。14時に閉めたら片付けと清掃を済ませ、夜営業の仕込みに入る。この流れにすることで、昼営業が夜の仕込みや休憩時間を圧迫しない設計になります。
バーの場合、夜の開店は18時〜19時が多いと思います。14時に昼営業を終えても、夜まで4〜5時間の余裕がある。その時間の中で、夜の準備も休憩も確保できます。「昼を始めたら夜が崩れるのでは」という不安は、この時間帯の設計で多くの場合は解消できます。
実証店舗の運営実績として、カウンター5席・11:00〜14:00・基本2名という体制で、月間250〜350名のお客様にお越しいただいています。月商は約25万〜33万円の範囲で推移しており、この数字は季節や営業日数によって変動しますが、「5席・3時間でも収益は生まれる」という事実として受け取っていただければと思います。
バーの昼間の空き時間を活かす方法として、この時間帯の設計はひとつの参考になるはずです。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
この声をいただいたのは、長時間スープを炊き続けるやり方ではなく、スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューのバランスを総合的に設計した結果です。「どう作るか」ではなく「何を出すか」の設計が伴えば、少人数・短時間でも本格的な一杯を提供できることは、実際の声として確認しています。
スタッフを増やさずに始めるための準備ポイント
「スタッフが足りないまま始める」というのは、無謀なことではなく、設計次第で現実的になります。そのためにあらかじめ整えておきたいことが3つあります。
① 仕込み量の上限を決める
席数に合わせて、その日に提供できる最大数を決めます。仕込みを超えた注文は受けない。「本日のスープがなくなり次第終了」というスタイルは、むしろ演出になります。仕込みの量を管理することで、少人数でも混乱しない営業が可能になります。
② 仕込み作業を夜の仕込みと分離する
昼営業の仕込みが夜の仕込みと混在すると、スタッフの動線が混乱します。昼の仕込みは昼の開始前に完結させ、夜の仕込みとは時間帯と作業を明確に分けることが重要です。
③ レジ・注文・提供の流れを事前に決める
「誰が何をするか」が曖昧なまま開けると、2人でも慌ただしくなります。カウンター席であれば、注文→調理→提供→会計の流れをシンプルに設計できます。事前に何度かシミュレーションしておくだけで、開業直後の混乱をかなり防げます。
バーはもともと、カウンター越しの接客に慣れた業態です。注文を取り、提供し、会計する流れは、夜の接客で身についているはず。その動線をそのまま昼の飲食営業に転用できる部分は多くあります。
なお、昼間の店舗を活用する際の業態選びについては別の記事でも詳しく触れていますので、参考にしてみてください。
まとめ:バーの昼間は、少人数営業と相性がいい
バーの昼間の空き時間を飲食営業に活かすことは、設計次第で現実的な選択肢になります。「スタッフが少ない」という条件は、むしろ「少なくても回せる設計を最初から作る」という前提にしてしまえば、制約ではなく出発点になります。
大切なのは、新しく何かを作ることではなく、今ある店舗・席数・スタッフの動線を整理して、昼の3時間を利益に変えることです。小さく始めて、実際に動かしながら改善していく。その積み重ねが、安定した昼の利益源になっていきます。
もう少し具体的な話を聞きたい方は、お気軽にお電話ください。
電話: 054-363-2766
記事を読んで「うちのカウンターでも3時間なら動かせるかもしれない」と感じた方は、次のステップとして実証店舗の運営モデルを詳しく見てみてください。5席・2名・11〜14時という実際の設計と、導入にあたって必要なレシピ・研修・仕入先紹介の内容が確認できます。


コメント