居酒屋が家賃を払っている時間のうち、実際に売上を生んでいる時間はどのくらいでしょうか。夜の営業が18時〜24時だとすれば、1日24時間のうち稼働しているのはわずか6時間。つまり店舗コストの75%以上は、何も生み出さない時間帯に発生している計算になります。「分かってはいるけど、では昼に何をやればいいのか」——そこで詰まってしまう経営者は、実はとても多い。
私は静岡・清水駅前で夜営業の焼肉・ホルモン店を2009年から経営しながら、昼間の空き時間を使って家系ラーメンの営業を始めました。カウンター5席、11時〜14時の3時間、基本2名で回す小さな営業です。「何を始めるか」よりも「どう始めるか」に答えを出すまで、かなりの試行錯誤がありました。今回はその経験をもとに、居酒屋の昼間の店舗活用として具体的に向いていることをお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業だけで固定費の重さを感じている居酒屋・酒場の経営者
- ✅ ランチ営業に興味はあるが、何の業態が合うか判断できない方
- ✅ 少人数・短時間で昼の収益化を試したい方
- ✅ 夜の仕込みや現場に影響させずに昼営業を追加したい方
- ✅ フランチャイズよりも自由度の高い方法で新しい柱を作りたい方

「昼に何をやるか」の前に整理すること
昼間の活用を考えるとき、多くの方がまず「メニューは何にするか」から入ります。ただ、順番としては「自分の店舗が持っている資産を棚卸しする」ことが先です。
具体的には、次の3点を確認してください。
- 厨房に何の設備があるか(火力・ガス口数・冷蔵庫の空き)
- 使えるスタッフの人数と、何時から動けるか
- 昼に入れる客席数(カウンターだけでも十分です)
この3点が見えてくると、「自分の店でできること」と「できないこと」の輪郭が出てきます。夜営業の厨房は火力が強く、設備も整っていることが多い。これは昼営業にとってかなり有利な条件です。夜営業の店舗を昼に活用するメリットについては別の記事でも詳しく触れていますが、設備と人材をすでに持っている点が居酒屋の最大の強みです。
居酒屋の昼間に向いている業態とは
「昼は定食でも始めようか」と考える方は多いですが、定食業態にはひとつ難しさがあります。品数が多くなるほど仕込みの手間が増え、夜の準備に影響が出やすい。結果として「昼のために夜が忙しくなる」という逆転現象が起きます。
では何が向いているか。私の経験から言うと、「品数を絞れる一品業態」です。具体的には——
- ラーメン・麺類:提供するメニューを1〜3種類に絞れる。作業動線がシンプルで少人数向き
- 丼もの:焼肉・ホルモン店なら肉の扱いに慣れており、チャーシュー丼・肉丼との相性が高い
- カレー:仕込みをまとめて行いやすく、提供時間が短い
この中でも私が家系ラーメンを選んだ理由は、「単価が取れて、品数を絞っても成立する業態」だったからです。客単価950円前後でも、月間250〜350名に来ていただければ月商25万〜33万円の利益源になる。カウンター5席だけでその数字が出せるとわかったとき、「これは昼間の居酒屋に向いている」と確信しました。
昼間に空いている飲食店が何を始めるとよいかという視点で考えたとき、「品数が少なく・回転しやすく・単価がある程度取れる」業態は非常に限られます。その条件に当てはまるものの一つが、ラーメンなのです。
✓ ここまでのポイント
- 昼活用の第一歩は「メニュー選び」ではなく「自店の設備・人員の棚卸し」
- 定食より品数を絞れる一品業態の方が、夜営業との両立がしやすい
- ラーメンは単価・回転・品数の少なさのバランスが取りやすく、小規模営業向き
「炊かなくても本格的に見せる設計ができれば」と書きましたが、その具体的な中身——タレ・鶏油・麺・チャーシューの組み合わせ方や仕入先——は1記事では書ききれません。山道家モデルの詳細ページでは、実証店舗で実際に使っているレシピ・オペレーション・仕入先紹介の内容と、説明会への申込み方法を確認できます。
「本格的」の作り方は、長時間炊くことだけじゃない
ラーメンを昼営業で始めようとすると、多くの方が最初にぶつかる壁がこれです。「スープを何時間も炊かないと、本格的にならないのでは?」という不安。
実際、山道家では長時間店内で豚骨やガラを炊き続ける方式は採っていません。それでも、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を丁寧に調整することで、お客様から「本格的」という評価をいただいています。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
スープだけが「本格的」を作るのではありません。タレの濃度、鶏油の香り、麺の太さと茹で加減、チャーシューの食感と味付け、そして器への盛り方——これらを一つひとつ積み上げることで、完成した一杯の満足度が決まります。私自身、横浜の吉村家をはじめ多くの家系ラーメンを食べ歩いてきた経験から、「何が本格的な印象を作っているのか」を分解して考えてきました。
居酒屋で昼間にラーメンを始める場合も、「炊けないから本格的なラーメンは無理」と諦める必要はありません。炊かなくても本格的に見せる設計ができれば、昼の3時間が十分に利益を生む時間になります。
具体的な導入の流れと、夜営業との両立ポイント
「やってみたい気持ちはあるが、夜の仕込みが崩れそうで怖い」——この不安は、多くの経営者が持っています。私自身も最初はそこを一番気にしました。実際に運営してみて分かったことをお伝えします。
基本的な時間の流れはこうなります。
- 10時〜11時:昼営業の仕込み・準備(スープの温め、チャーシューのスライス、麺の計量など)
- 11時〜14時:ランチ営業
- 14時〜15時:片付け・清掃、夜営業の仕込みへ移行
このサイクルが整うと、昼と夜の作業が干渉しにくくなります。ポイントは「昼の仕込みを夜の仕込みと完全に分けて設計する」こと。昼専用の仕込みが1時間以内に完了するようにメニューを設計しておくと、夜営業に余裕を持って入れます。
また、スタッフについては基本2名で回せる設計にしておくことが重要です。新しく採用するのではなく、今いるスタッフが昼のシフトにも入れる仕組みを作ることが、コストを抑えながら始めるカギになります。店舗の遊休時間を収益化する方法として、人を増やすのではなく時間の使い方を変える発想が、小規模店には特に有効です。
まとめ:昼間の店舗は「遊ばせるコスト」から「稼ぐ時間」へ
居酒屋の昼間に向いているのは、品数が少なく・一定の単価が取れて・少人数で提供できる一品業態です。その中でも、家系ラーメンは「夜営業の厨房設備をそのまま使える」「単価と回転のバランスが取りやすい」「品数を絞っても成立する」という点で、昼の居酒屋に合いやすい業態の一つです。
大切なのは「完璧な準備が整ってから始める」ことではなく、「今ある設備と人材を使って、小さく試してみる」ことです。5席・3時間でも、設計次第で月に新しい利益源を作ることはできます。
もし昼間の活用について具体的に相談したい場合は、お電話でもお気軽にどうぞ。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル・鈴木)
昼の3時間を利益に変えるために何から手をつけるべきか、この記事を読んでもまだ迷っている部分があるはずです。説明会では、あなたの店舗の席数・厨房・スタッフ状況に合わせた導入の進め方を個別に話し合えます。オリジナルプランとブランドプランの違いも含めて、その場で確認できます。


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