チャーシュー完成までの裏側に密着

先日、カウンターに座ったお客様に「このチャーシュー、なんで毎回同じ味なんですかね。どこか違う店で食べると『あ、山道家とは違うな』って思うんですよ」と言っていただきました。嬉しかったですね。正直、ちょっと誇らしかった。

山道家の店主、鈴木です。チャーシューについてのご質問やお声は、これまでも何度かいただいてきました。ただ、「どう作っているか」よりも「なぜ毎日同じなのか」を聞かれたのは初めてで、その質問がずっと頭に残っています。

今回は、チャーシューが完成するまでの一日に密着する形で、その問いに答えてみようと思います。工程の話は以前にも触れてきましたが、今日フォーカスするのは「なぜ毎回同じ仕上がりになるのか」「その安定が何を生んでいるのか」という部分です。

こんな方におすすめ

  • ✅ 山道家のチャーシューが気になっている方
  • ✅ 「毎日でも食べられる」ラーメンがどこにあるか探している方
  • ✅ 行きつけの一軒が欲しいと思っている方
  • ✅ 清水駅周辺でランチの選択肢を広げたい方
  • ✅ 厨房の裏側や仕込みの話に興味がある方
チャーシュー完成までの裏側に密着 | 横浜家系ラーメン 山道家

朝、誰よりも早く始まる「温度との戦い」

チャーシューの仕込みは、営業の何時間も前から始まります。山道家は昼11時から14時の営業ですが、僕の一日はずっと手前からスタートしています。

まず豚肩ロースを準備します。部位の選定にはこだわりがあって、脂と赤身のバランスを毎回確認しながら使う場所を決めています。そのあと、低温調理器にセット。ここが「毎回同じ味」を作るための一番の要です。

低温調理というのは、文字通り低い温度でじっくり火を入れる方法ですが、「低温なら何度でもいい」というわけじゃない。1度変わるだけで、食感がまるで変わる。柔らかさと歯ごたえのバランスが崩れる。だから毎朝、温度設定を確認するのが最初の仕事です。感覚に頼らず、数字を信じる。それが再現性につながります。

飲食店を17年以上やってきて、「職人の感覚」に頼ることの危うさは身に染みています。感覚は揺れる。体調でも、気候でも。だから数字で固定できるところは徹底して固定する。それが、通い続けてくれるお客様への誠実さだと思っています。

「毎回同じ味」の裏に何があるのか、気になっているところだと思います。仕込みの様子や完成したチャーシューの表情は、Instagramでも随時投稿しています。文章では伝えきれない色や断面が、そのまま確認できます。

山道家のチャーシューをInstagramで見る

燻製の煙が教えてくれること

低温調理が終わったチャーシューは、次にスモーカーへ。ここが山道家のチャーシューのもう一つの顔です。

燻製をかけることで、香りと色が変わります。ただ「スモークをかけました」という話ではなくて、煙の量と時間のコントロールが難しい。多すぎると癖が強くなってラーメンのスープに馴染まない。少なすぎると風味が出ない。

燻製って、機械が全部やってくれるわけじゃないんですよね。煙の状態を目で確認して、香りで判断して、「あとどのくらい」を体で覚えていく。この部分だけは、数字じゃなくて経験が頼りになる。面白い工程だと思います。

ちなみに、チャーシュー完成までの工程に密着した記事でも書きましたが、燻製後はすぐには切りません。少し落ち着かせてから切ることで、断面がきれいに出る。焦らないことが、きれいな一枚につながります。

✓ ここまでのポイント

  • 低温調理器で温度を固定することが「毎回同じ味」の土台になっている
  • 燻製の工程は機械任せにできず、経験と観察が欠かせない
  • 仕込みの精度が、お客様の「また来たい」につながる

燻製チャーシューの仕上がりや、スープとの組み合わせが気になってきた頃ではないでしょうか。営業時間やアクセスなど、実際に足を運ぶために必要な情報をまとめています。清水駅西口から徒歩約1分という場所も、地図で確認できます。

山道家の場所・営業時間を確認する

「また来たい」は、安定した味から生まれる

なぜこれほど再現性にこだわるのか。答えはシンプルで、行きつけってそういうものだからです。

「前に食べたあの味が、今日も食べられる」。それが行きつけを作る条件だと思っています。一度感動した味が、次に来たら別物だったら——それは信頼を失います。反対に、いつ来ても同じ満足感があれば、自然とまた足を向けたくなる。

清水駅周辺で働く会社員の方や、現場仕事の方がランチに立ち寄ってくださるとき、僕は毎回「今日も同じ味で出せるか」を確認しながら一杯一杯を作っています。昼の限られた時間に来てくれる皆さんに、「外れ」は出せない。それがプレッシャーでもあり、やりがいでもある。

「駅から近くて便利」

常連のお客様より

この一言、短いようで実は深い言葉だと思っています。「便利」で選んでもらえたとして、でも味が安定していなければ「便利なだけの店」で終わる。「また来よう」と思ってもらうには、便利さに加えて「安心して頼める味」が必要なんです。

11時の開店までに整える「最後の30分」

チャーシューの準備が整ったら、スープの状態を確認して、麺の段取りを整えて、カウンターを整頓する。開店前の30分は、頭の中でシミュレーションを繰り返す時間でもあります。

「今日は何人来るかな」「週の真ん中だから会社員の方が多いかな」。そんなことを考えながら、一杯を出すときの動線を確認する。働く人の昼休みを支える厨房の裏側でも書きましたが、提供スピードは山道家のお客様にとって大事な要素のひとつです。昼休みは短い。だから段取りに無駄を作らない。

チャーシューをどのタイミングでスライスするか、器を温めるタイミングはどこか——小さなことの積み重ねが、「早い」という体験を作ります。

実は昼営業専門にしたのも、この「集中できる環境」が理由のひとつです。居酒屋として夜を本業にしてきた僕が、昼だけに絞って全力を注ぐ。そのほうが、一杯の質が上がると確信しています。

14時の片付けと、次への仕込み

営業が終わると、厨房の片付けをしながら翌日の仕込みを頭の中で組み立て始めます。チャーシューは一日で使い切る分量を仕込んでいるので、毎朝新たにスタートする形です。

「前日の残りを使い回さないのか」と聞かれることもありますが、使い回しません。その日に仕込んで、その日に出す。それが味の安定につながりますし、なによりお客様に対して誠実でいたい。

毎朝の仕込みについて詳しく書いた記事もありますが、「なぜ毎朝やり直すのか」の答えは、結局「行きつけになってもらいたいから」に行き着きます。通い続けてもらえる店は、毎回「今日もよかった」と思ってもらえる店です。その積み重ねしか、行きつけは作れない。

飲食店を17年以上やってきて、これだけは変わらない確信としてあります。

まとめ:安定した一杯が、行きつけをつくる

チャーシューの話から始まりましたが、結局のところ僕が大切にしているのは「また来てもらえる理由を、毎日の仕込みの中に作ること」です。

低温調理で温度を固定して、燻製で香りを加えて、営業前に動線を整える。それぞれの作業は地味ですが、この積み重ねがカウンター5席の小さな店を、誰かの「行きつけ」にしてくれている。それが嬉しいし、だからこそ毎朝手を抜けない。

清水駅西口から徒歩約1分。火曜から日曜の11時から14時まで、山道家はお昼だけ営業しています。昼休みの短い時間でも、「今日もあの味が食べたい」と思ってもらえるような一杯を、明日も用意して待っています。

「行きつけが欲しい」と思って読み始めた方が、ここまで読んでくださったなら、一度試してみる価値はあると思います。店舗情報ページでメニューやアクセスを確認して、まず一杯だけ食べに来てみてください。ライスは無料です。

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