飲食店の「仕込み」にかかる時間は、提供時間の約3〜5倍と言われています。お客様がラーメンを受け取るまでの3〜5分の裏に、何時間もの準備が積み重なっている——これを知っているかどうかで、一杯の受け取り方がずいぶん変わるものです。
今回は、清水駅西口から徒歩1分の場所で昼営業を続ける「横浜家系ラーメン 山道家」の店主・鈴木諭さんの「毎朝の仕込み」に密着してみました。
11時の開店に向けて、朝は何時から動き始めるのか。スープはどう仕上がっていくのか。「午後も頑張れる一杯」をつくるために、毎日どんな手間が積まれているのか。普段は絶対に見えない厨房の時間を、できるだけリアルに記録します。
こんな方におすすめ
- ✅ 山道家のラーメンが「なぜ満足感が高いのか」を知りたい方
- ✅ 昼営業の裏側・仕込みの実態に興味がある方
- ✅ 清水駅周辺で「本気のランチ」を探している方
- ✅ 午後の仕事に向けて、しっかり食べられるランチを選びたい方
- ✅ 家系ラーメンは食べたことがあるけど、山道家ならではの違いを知りたい方

朝7時前。スープは、もうすでに始まっている
「開店の4時間前には火を入れてますね」
鈴木さんが厨房に入るのは、毎朝7時前後。最初にすることは、スープの確認です。
山道家のスープは、豚骨と鶏ガラを合わせてとる家系ベース。前日の仕込みで下処理を済ませた骨を、朝に火にかけてじっくり煮出していきます。火加減のコントロールは、長年の感覚と時計を使い分けながら。強すぎると臭みが出る、弱すぎると旨味が出ない。「毎日同じようで、毎日微妙に違う」と鈴木さんは言います。
17年以上飲食店を経営してきた経験が、ここに滲み出ています。食品衛生責任者としての知識と、現場で積み上げてきた感覚の両方が、一鍋のスープに乗っているわけです。
仕込みの詳しい一日の流れは、スープづくりの一日に密着した記事でも紹介しています。スープがどのように時間をかけて完成するか、興味のある方はあわせてどうぞ。
仕込みの話を読んでいると、「実際どんな一杯なんだろう」と気になってきた方もいると思います。Instagramでは、仕上がったラーメンやトッピングの様子を実際の写真で確認できます。文章では伝わりにくい色やボリューム感を、まずビジュアルで見てみてください。
8時台。チャーシューと麺の準備が重なる時間帯
スープが落ち着き始める8時台、鈴木さんの手は別の作業へ移ります。山道家の大きな特徴のひとつが、燻製チャーシューです。
豚肩ロースを低温調理器でじっくり火を入れ、その後スモーカーで燻す——この工程は一朝一夕ではできません。前日仕込みのものを確認しながら、当日分の下準備を並行して進めていきます。
「チャーシューは手間がかかりますが、ここは外せない」と鈴木さん。燻製の香りとしっとりした食感は、山道家のラーメンを「また来たくなる」一杯にする重要な要素だと言います。チャーシューが完成するまでの工程の詳細は、チャーシュー完成までの工程に密着した記事でじっくりご覧いただけます。
麺は中太のもちもちタイプ。発注・受け取りのタイミングを含めて、昼の提供に間に合うよう逆算して動いています。「材料が足りなくなるのが一番困る。でも大量に仕入れすぎると鮮度が落ちる。この読みも毎日の仕事です」と語る表情は、どこかゲームを楽しんでいるようでもありました。
9時〜10時台。細部を整える時間
スープの状態が固まり、チャーシューと麺の準備が整うと、仕込みは細部の作業へ入っていきます。
ほうれん草は下茹でして水気を切る。海苔は枚数と状態を確認する。ライスの準備をする——文字にすると短くなりますが、実際にはそれぞれの工程に丁寧な判断が入っています。ほうれん草の茹で加減ひとつとっても、時期や素材の状態によって微妙に変わります。
山道家はカウンター5席という小さな空間で、昼営業専門のランチを提供しています。席数が少ないからこそ、一組一組のお客様に集中できる。限られた時間の昼休みに「提供が早く助かる」と言っていただけるのは、この仕込みの精度があってこそです。
10時を過ぎたあたりで、鈴木さんはひと通りの仕込みをチェックします。スープの塩梅、チャーシューの状態、各トッピングの準備量——頭の中で11時のオープンをシミュレーションしながら、不足があれば即対応します。
✓ ここまでのポイント
- スープは開店4時間前から火を入れ、豚骨と鶏ガラをじっくり合わせる
- 燻製チャーシューは低温調理とスモーカーを組み合わせた手間のかかる逸品
- ほうれん草・海苔・ライスまで、細部の仕込みが「提供の早さ」を支えている
「提供が早く助かる」「ライス無料が嬉しい」という声が届いている店ですが、席数や営業時間など実際に行く前に確認しておきたい情報がいくつかあります。カウンター5席・昼のみ営業という特性上、混雑状況によっては待つ場合もあります。基本情報をまとめたページで事前にチェックしておくとスムーズです。
「午後も頑張れた」
30代・男性(会社員)
この声、実は鈴木さんが一番うれしい言葉だと言います。「満腹になるだけじゃなくて、午後に繋がってる感覚を持ってもらえるのが理想」。それが、毎朝4時間かけて準備する理由のひとつでもあります。
10時50分。開店10分前の「静かな確認」
開店10分前、鈴木さんの動きはいつもより少し落ち着いています。派手な最終チェックがあるわけではなく、ただ、もう一度全体を見渡す。スープの香り、チャーシューの断面の色、トッピングの配置。
「ここで焦ってたら、仕込みが足りなかったってこと。開店前に落ち着いてられるのが、ちゃんと準備できた証拠ですね」と鈴木さんは言います。
2009年に侍ホルモン清水駅前店を立ち上げ、居酒屋として17年以上やってきた。夜の商売で培ったものを昼に転換する、というのは言葉にすると簡単ですが、実際にはゼロから組み直す部分も多かったはずです。それでも今、毎朝この時間に「準備できた」と感じられているのは、そのすべての経験が積み重なっているからでしょう。
朝の仕込みから開店までの様子をより詳しく追った記事も公開しています。今回の記事では描ききれなかった開店直前の空気感まで記録しているので、気になる方はのぞいてみてください。
まとめ——「午後も元気に」は、朝から作られている
11時に一杯のラーメンをお出しするために、鈴木さんは毎朝4時間以上をかけています。スープを煮出し、チャーシューを仕上げ、トッピングを整え、開店前に全体を確認する。この繰り返しが、「午後も頑張れた」という言葉を生んでいます。
働く皆さまの昼休みは短い。その限られた時間に、ちゃんと満足できる一杯を届けたい——その思いが、毎朝の仕込みのすべての根っこにあります。
清水駅西口から徒歩1分。火曜〜日曜の11時〜14時、山道家は今日も開いています。
4時間の仕込みが、短い昼休みの「午後も頑張れた」に繋がっている——その流れを理解したうえで食べると、一杯の重みが変わります。清水駅西口から徒歩1分、火〜日の11時〜14時営業です。場所・定休日・メニューの詳細は店舗情報ページでまとめて確認できます。

