スープづくりの一日に密着

梅雨が明けると、清水港の方からときどき潮の匂いが漂ってくる。そういう朝は妙に気持ちがいいもので、厨房に立つのが少し楽しくなる。

私、山道家の店主・鈴木諭です。今日は「スープをつくる一日」というよりも、スープが仕上がっていく過程の中で私が何を考え、何を気にしているか——その部分を正直に書いてみようと思います。

というのも、「家系ラーメンって入りにくそう」という声を、ときどきお客様から直接聞くことがあるんです。常連さんだらけで、一人では入りにくい——そのイメージ、少しでも薄れてくれたらいいなと思っています。だから今回は、お店の日常をそのままお見せする気持ちで書きました。

こんな方におすすめ

  • ✅ 家系ラーメンに興味はあるけど入ったことがない方
  • ✅ 山道家のスープがどうやってつくられているか知りたい方
  • ✅ 清水駅周辺で昼ランチのお店を探している方
  • ✅ 一人でも気軽に入れるラーメン店を探している方
  • ✅ お店の雰囲気を事前に知っておきたい方
スープづくりの一日に密着 | 横浜家系ラーメン 山道家

朝イチの厨房——仕込みは「静かな時間」から始まる

営業は11時スタートですが、私が厨房に入るのは8時台です。夜は「侍ホルモン清水駅前店」として使っている同じ場所を、昼は山道家として動かしているので、前日の夜営業が終わったあとの片付けと、翌朝の仕込み準備がセットになっています。

朝の作業で一番最初に着手するのが、豚骨と鶏ガラのスープです。材料を鍋に入れて火をかけ、じっくり時間をかけて煮出していく。家系の特徴でもある「濃厚だけど飲みやすい」スープに仕上げるには、火加減の調整が肝心で、ここだけは自分の目と鼻で確認しながら進めます。

厨房の中はまだ静かで、仕込みをしながらときどきドラムのリズムを頭の中で刻んでいたりします(笑)。ギターもドラムも長年やっているので、こういう「単調に見えて実はリズムが大事な作業」は自分には合っているのかもしれない。

「常連ばかりで入りにくそう」というイメージ、記事を読んで少し薄まってきましたか。実際のお店の雰囲気や日々のスープの様子は、Instagramで随時発信しています。テキストでは伝えきれない厨房や一杯の表情を、写真で確認してみてください。

山道家のInstagramで雰囲気を見てみる

スープが「整う」瞬間——あと一時間という緊張感

開店の一時間前になると、スープの状態確認がより細かくなります。豚骨の白濁、鶏ガラからの旨み、そのバランスが崩れていないかを確認しながら、味を整えていく。

よく「家系ラーメンって見た目がこってりしてて、食べきれるか不安」という話を聞きます。実は山道家のスープは、そのあたりを少し意識してつくっています。濃厚だけれど後味がすっきりしていて、ライスと合わせてもくどくなりすぎない。昼休みにひとりで来て、ちゃんと食べ終えて、午後の仕事に戻っていける——そのイメージを持ちながら仕上げています。

燻製チャーシューは前日仕込みが基本ですが、状態の確認はこのタイミングで行います。低温調理器でじっくり火を入れた豚肩ロースをスモーカーで仕上げているので、香りと食感の変化を確かめながら切り分けます。これが山道家のラーメンの中でも、わりと「おっ」と言ってもらえるポイントのひとつです。

✓ ここまでのポイント

  • 開店2〜3時間前から豚骨・鶏ガラのスープを煮出し、火加減と状態を確認しながら仕上げていく
  • 「濃厚だけど飲みやすい」スープは、昼休みに一人で来ても食べきれるバランスを意識してつくられている
  • 燻製チャーシューは低温調理とスモーカーの組み合わせで、開店前に状態チェックを行う

カウンター5席・昼のみ・メニューはシンプル——とはいえ、初めて行く前に営業時間や場所をちゃんと確認しておきたい気持ちはわかります。店舗情報ページには所在地・営業時間・定休日をまとめてあるので、行く前にサッと確認しておくと安心です。

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11時、開店——「はじめて来ました」が一番うれしい

シャッターを上げて、カウンター5席を整えると、開店です。

最初に来てくれるのは、清水駅を使って通勤している会社員の方や、近くで現場仕事をしている方が多い印象です。JR清水駅西口から歩いてすぐなので、昼休みのタイムロスがほとんどない。それが、ここで昼をやる意味だと思っています。

「はじめて来ました」という方には、なるべく声をかけるようにしています。注文の方法、麺の硬さや味の濃さの調整ができること、ライスが無料なこと——知らないと損することが多いので。でも説明が長くなるのも嫌なので、必要なことだけさらっと伝えるようにしています。

家系ラーメンに「常連ばかりで入りにくい」というイメージがあるのは、よくわかります。私自身も食べ歩きが趣味なので、知らない店に一人で入るときの緊張感は身をもって知っています。だから、山道家では「初めてでも何も身構えなくていいお店」を意識して、できるだけシンプルな構成にしています。メニューも基本のラーメンにトッピングを選ぶだけ。迷わせない、プレッシャーをかけない、それだけで変わると思っています。

「また来ます」

お客様より

この一言が、私にとっていちばん手応えのある言葉です。初めて来て、ちゃんと満足して帰ってくれた——それが伝わってくる。常連さんだけでなく、初めての方がそう言って出ていく瞬間は、何年経っても気持ちがいい。

14時、営業終了——片付けながら「今日」を振り返る

昼営業は14時で終了です。最後のお客様を送り出して、スープの残量を確認し、器を洗い、厨房をリセットします。夜は侍ホルモンとして動く場所なので、昼の痕跡をきれいに消してから引き渡す——これが昼営業モデルの大事な習慣でもあります。

片付けながら今日の営業を頭の中で振り返ります。スープの味のバランスはどうだったか、提供に手間取った場面はなかったか、初めて来た方は迷っていなかったか。飲食店を17年以上やっていても、この振り返りは毎日やめません。むしろ「もうわかってる」と思った瞬間が一番危ない、と自分では感じています。

清水港の方角がどんよりしてきたな、と思ったら今日の後片付けも終わりです。ミリタリーウェアのジャケットを羽織って、たまに清水駅周辺をぶらっとしながら帰ることもあります。古着を見たり、釣り具屋に寄ったり——そういう何でもない時間が、また明日の朝の仕込みのエネルギーになっている気がします。

「入ってみたら、思ったより全然普通だった」でいい

家系ラーメンのお店というと、どこかとっつきにくいイメージを持たれることがあります。でも山道家は、昼の2〜3時間だけ、カウンター5席で静岡市清水区の働く皆さまに向けてやっている小さなお店です。

初めて来た方が「思ったより食べやすい」「また来ます」と言って帰ってくれることが、毎日のスープづくりを続ける理由になっています。スープが整う瞬間も、シャッターを上げる瞬間も、その言葉に向かって積み上げている時間です。

清水駅の西口を出て、徒歩1分。月曜定休(不定休あり)、火〜日の11時〜14時。もし昼休みに「どこ行こうか」と迷ったときに、山道家のことが頭に浮かんでくれたら嬉しいです。

毎朝のスープ仕込みも、初めての方への声かけも、全部「また来ます」のひと言に向かっています。清水駅西口から1分、火〜日の11〜14時——次の昼休みの候補に加えてもらえるよう、まず店舗情報を見てみてください。

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