家系ラーメンのお店に入ったことがない、という方は意外と多いです。「常連さんばかりいそう」「注文の仕方がわからない」「なんとなく敷居が高い」——そういった声を、カウンター越しに何度も耳にしてきました。
でも実際に来てくれたお客様からよくいただく言葉があります。「思ったより食べやすい」という一言です。
このギャップ、どこから来るんだろう——と考えたとき、「そうか、ラーメンが出来上がるまでの話をしたことがなかったな」と気づきました。何が入っていて、どんな手順で作られているかを知ってもらえれば、あの「入りにくい感じ」は少し和らぐかもしれない。今回はそんな思いで、山道家の一杯が完成するまでを順番に追ってみようと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 家系ラーメンに興味はあるけど入ったことがない方
- ✅ ラーメンのスープや仕込みの裏側を知りたい方
- ✅ 清水駅周辺でランチのお店を探している方
- ✅ 昼休みに短時間でしっかり食べられる店を知りたい方
- ✅ 一人でも気軽に使える飲食店を探している方

スープは「豚骨と鶏ガラ」のダブル仕込みから始まる
山道家のスープは、豚骨と鶏ガラを合わせて炊いています。どちらか一方ではなく、両方を使うのには理由があります。
豚骨だけだと、どうしてもクセが出やすい。鶏ガラだけだと、家系らしい「重さ」が出にくい。この2つを合わせることで、濃厚なのに飲みやすい、あのまろやかな白濁スープに仕上がります。
よく「家系って脂っこいんじゃないの?」と言われるんですが、実際に飲んでみると「あれ、思ってたより全然いける」となる方がほとんど。スープのベースがしっかりしているから、後味がすっきりしているんです。「思ったより食べやすい」というお客様の声はここから来ているんだと思っています。
仕込みは営業前に行います。11時の開店に向けて、スープの状態を整えるところから一日が始まります。昼だけの営業だからこそ、仕込みに時間をかけられる。夜の居酒屋営業(侍ホルモン)の設備をそのまま活用できているので、厨房の使い勝手にも無駄がありません。
チャーシューは燻製。手間をかけているのには理由がある
チャーシューに関しては、少し変わったことをやっています。豚肩ロースを低温調理したあと、スモーカーで燻製にかけています。
なぜそこまでするかというと、単純に「それが一番おいしいから」というのが正直なところです。ただ煮込んだだけのチャーシューとは、香りが全然違う。スープに浸したときに燻製の香りがふわっと立って、全体のまとまりが出てくる。この工程、手間はかかるんですが、省けない部分です。
もともと私は居酒屋の経営者で、ホルモン専門の店を17年以上やってきました。食材の扱いや火入れへのこだわりは、その経験がベースになっています。ラーメン屋だからラーメンだけ考えればいい、ではなくて、トッピング一つひとつにも「どうすれば一番おいしいか」を考えてきた結果が、今の山道家のメニューにつながっています。
麺・海苔・ほうれん草——それぞれの役割
家系ラーメンといえば、あの組み合わせが定番です。中太麺、のり、ほうれん草——山道家でも同じです。ただ、なぜこのトッピングなのかを考えると、それぞれにちゃんと意味があります。
中太麺は、スープとの絡みがちょうどいい太さです。細麺だとスープが勝ちすぎる。太すぎると食べごたえは出るけど、昼休み中に食べきれない方も出てくる。この「ちょうどいい太さ」が、ランチ利用に向いている理由の一つでもあります。
のりはスープに浸してやわらかくなったところをご飯と一緒に食べるのがよくある食べ方です。そう、山道家ではライスが無料なんですが、こののり×ライスの組み合わせが「またここに来る理由」になっている方は多い。
ほうれん草は、脂をまとったスープの中で箸休めになります。あえてクセのない野菜を使っているのは、全体のバランスを崩したくないからです。
✓ ここまでのポイント
- 豚骨と鶏ガラを合わせたスープは、濃厚なのに飲みやすい仕上がり
- チャーシューは低温調理+燻製という手間をかけた一品
- 中太麺・のり・ほうれん草の組み合わせには、ランチ向けの理由がある
「入りにくそう」と感じていた方へ
山道家はカウンター5席の小さな店です。席数が少ないと聞くと「常連さんで埋まってるんじゃ…」と思う方もいるかもしれません。でも実際は逆で、一見さんが多い。
清水駅から徒歩1分という立地もあって、ふらっと入ってくれる方がとても多いんです。営業の合間に、現場仕事の昼休みに、「駅ついたしどこかで食べよう」という感じで。メニューもシンプルにしています。ラーメンとトッピング数種類、あとはライス。それだけです。
「何を頼めばいいかわからない」という状態にならないように、選択肢を絞っています。家系ラーメンが初めての方でも、「ラーメンください」の一言で大丈夫です。
「思ったより食べやすい」
30代・男性(営業職)
この言葉、初めて来てくれた方からもらうことが多いです。家系ラーメンに対して持っていたイメージと、実際に食べたときの感想が違った——そのギャップを埋めるために、スープのバランスや仕込みに気を使ってきた甲斐があったと思っています。
「提供が早く助かる」
40代・男性(配送業)
提供スピードも、働く方たちにとっては大事なポイントです。昼休みが短い中で食べに来てくれている方が多いので、待たせすぎないことは意識しています。注文が入ったら、できる限り手早く。それも昼営業に特化しているからこそ、毎日一定のリズムで動けるんだと思います。
一杯のラーメンには、その日の仕込みが全部詰まっている
スープを炊いて、チャーシューを燻製にかけて、麺の状態を確認して、11時の開店を迎える。毎日この流れの繰り返しですが、どこかで手を抜くと味に出ます。それがわかっているから、変えられない工程があります。
私がラーメン店を始めたのは、「夜だけ稼ぐ飲食店モデルを変えたい」という思いからでした。昼の時間帯を遊ばせておくのはもったいない。同じ厨房で、同じ設備で、ちゃんとした一杯が出せるなら、働く人たちの昼ご飯に貢献できる——そう考えて山道家を立ち上げました。
家系ラーメンに対して「入りにくい」「自分には合わないかも」と思っていた方に、一度だけ試してもらえれば、何かが変わるかもしれない。そのための第一歩として、この記事がきっかけになれば嬉しいです。
清水駅の西口を出てすぐ。火曜から日曜の11時〜14時、山道家でお待ちしています。

