炭火を管理する店主の仕事に密着しました

先日、常連のお客様から「鈴木さんって、営業中ずっと炭の面倒を見てるんですか?」と聞かれました。そのとき自分でも少し驚いたんですが、正直なところ「面倒を見る」という感覚があまりないんです。炭と向き合うことが、もう仕事の一部というより、自分の呼吸に近いくらいになっている気がして。

今回は、侍ホルモン清水駅前店の一日を通して、炭火を管理する仕事の中身をありのままお伝えしてみようと思います。ホルモンが好きな方にも、まだ食べたことがない方にも、七輪を囲む時間の向こう側で何が起きているか、少し知っていただけたら嬉しいです。

こんな方におすすめ

  • ✅ 炭火焼きのお店がどうやって炭を管理しているか知りたい方
  • ✅ ホルモン焼き居酒屋の裏側に興味がある方
  • ✅ ホルモンが初めてで、どんなお店か雰囲気を知ってから来店したい方
  • ✅ 清水駅周辺で個人店の炭火焼きを楽しみたい方
  • ✅ 仕事帰りにゆっくり過ごせるお店を探している方
炭火を管理する店主の仕事に密着しました | 侍ホルモン 清水駅前店

午後3時。炭の準備は、開店より先に始まる

店に来て最初にすることは、火を起こすことではありません。まず炭の状態を確認します。前の日に使った炭が残っていれば、湿気を帯びていないか、形が崩れていないかを見る。炭は生き物みたいなもので、保管状態が悪ければすぐに火の乗りが変わります。

当店で使っているのは、備長炭に近い硬質な炭です。火が長持ちし、遠赤外線でじっくり熱が通るので、ホルモンの脂が適度に落ちながら中はしっとりと焼き上がる。これがガスとの一番大きな違いだと思っています。

開店の1時間半ほど前から、卓上七輪に炭を並べはじめます。七輪の数は席数に合わせて変わりますが、混んでいる日には20台以上の七輪が動くこともあります。一台一台に炭をセットして、着火のタイミングを調整していく。この作業、地味に見えるかもしれませんが、ここがずれると営業中に炭が足りなくなったり、逆に燃えすぎてお客様の卓が熱くなりすぎたりする。毎日の積み重ねで、今日のお客様の入りや天気まで考えながら量を決めています。

開店前の仕込み。ホルモンの下処理に妥協しない理由

炭の準備と並行して、ホルモンの仕込みも進めます。下処理は毎日欠かさず行います。ホルモンに対して「臭い」というイメージを持っている方が少なくないのですが、それはほとんどの場合、鮮度と下処理の問題です。適切に処理されたホルモンは、臭みよりも旨味と脂の甘さが先に立ちます。

ここ17年間、清水でホルモンを焼き続けてきて思うのは、初めてホルモンを食べる方が「美味しい」と感じてくださるかどうかは、この仕込みの段階で半分以上決まっている、ということです。「部位が分からなくて不安だった」「苦手かもしれないと思っていた」という方が、食べてみたら好きになってくれる。そういう瞬間を何度も見てきたから、下処理を手抜きしようと思ったことがないんです。

仕込みの後半には、ホルモンミックスボウルの盛り付けの確認もします。このメニューは、初めてご来店される方や部位選びに迷っている方に特にお勧めしているもので、当店の人気ホルモンをバランスよく組み合わせた一皿です。レギュラー・大盛り・超大盛りとサイズが選べて、塩ダレか味噌ダレかもお好みで。「まず何を頼めばいいか分からない」という方には、まずこれを出すことが多いですね。

✓ ここまでのポイント

  • 炭の準備は開店1時間半前から始まり、天候や混み具合まで考えて火を管理している
  • ホルモンの下処理を毎日丁寧に行うことで、初めての方にも安心して食べていただける状態を整えている
  • 部位選びに迷う初心者の方には、人気ホルモンを盛り合わせたメニューから始めることをお勧めしている

開店後。七輪の炭は、営業中も生きている

17時30分に開店し、最初のお客様が席に着かれたらすぐに七輪を運びます。炭がちょうどいい熾き(おき)の状態になっているかを確認して、卓に置く。熾きとは、炎が落ち着いて炭の表面が赤くなった状態のことです。この段階になってはじめて、均一な熱でホルモンを焼ける。

営業中、私は料理を出しながら各テーブルの七輪の状態を常に見ています。炭が少なくなったら補充する、火が弱くなったら調整する。これは厨房にいながらでも体で覚えているような感覚で、「あの卓の七輪そろそろかな」というのが、なんとなく分かるようになっています。

ホルモン初心者の方がいらっしゃるときは、テーブルに伺って焼き方を少しご説明することもあります。「最初は強火で表面を焼いて、裏返したらゆっくり」「脂が落ちて煙が出てきたら食べ頃のサイン」など。説明するといっても、堅苦しくならないように気をつけています。焼くこと自体を楽しんでほしいので。

宴会の夜。炭の火は、場の空気をつくる

週に何度かは、会社の宴会でご利用いただく夜があります。歓迎会や送別会、忘年会、暑気払いなど、シーズンによってさまざまです。宴会のときは七輪の管理がより慌ただしくなりますが、この日の炭の状態がそのまま場の雰囲気に出る、と思っています。

炭が安定して燃えていれば、お客様は焼くことに集中できる。炭が弱くなっていれば、焼き上がりが遅くなって会話が途切れることもある。七輪は料理道具であると同時に、テーブルの真ん中で場を温めるものでもあるんです。

「宴会で利用したら参加者全員に喜ばれた」

40代・男性(会社宴会幹事の方)

こういった声をいただくたびに、炭の管理も含めた準備全体が伝わっているんだな、と感じます。幹事の方が「このお店にしてよかった」と思っていただけるのが、一番うれしいことの一つです。宴会コースはホルモン・和牛焼肉・牛骨塩もつ鍋など当店の人気メニューを組み合わせた内容になっていますが、テーブルに置く炭の量もコース用に調整しています。食べるペースやお酒のペースに合わせて、炭が途切れないように。

閉店後。炭を落として、また明日の準備へ

営業が終わり、最後のお客様をお送りしたら、七輪の炭を安全に処理します。炭は完全に火が消えるまで管理が必要で、水をかけて急冷するのではなく、専用の消壺(けしつぼ)で酸素を遮断して消火します。このひと手間が、翌日再利用できる炭の品質を保つことにもつながります。

全ての七輪を片付け終えると、厨房の清掃と翌日の仕込みリストの確認。炭の在庫も確認して、足りなければ翌朝の仕入れに備えます。

一日の終わりにこうして七輪を磨きながら、今日来てくださったお客様の顔を思い返すことがあります。初めてホルモンを食べてくださった方が「これ美味しいです」と言ってくれた顔とか、宴会が盛り上がっていた席の様子とか。そういうことが積み重なって、17年続けてこれた気がしています。

炭の火は、単に肉を焼くためのものではなくて、テーブルを囲む時間そのものをつくっているものだと思っています。その火を毎日管理することが、自分の仕事の中心にある、とこれを書きながら改めて感じました。

まとめ

開店前の炭の準備から、営業中の七輪管理、閉店後の後片付けまで、炭火を扱う仕事は一日中続いています。それは手間ではなく、お客様に炭火焼きを楽しんでいただくための当たり前のことだと思ってやってきました。

ホルモンが初めての方でも、七輪の前に座って炭の熱を感じながら焼いていると、自然と楽しくなってくれる。そういう時間を毎日用意しておくことが、この店の仕事だと思っています。

清水駅西口から徒歩約1分の場所で、今日も火を起こしてお待ちしています。宴会のご相談や、初めてのご来店のご質問など、お気軽にお問い合わせください。

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