「屋号を変えずに、新しい営業を始められる」——これを初めて聞いたとき、多くの飲食店オーナーが「え、それって本当にできるんですか?」と顔つきを変えます。
フランチャイズへの加盟を検討したことがある方ならわかるはず。資料を取り寄せて読み進めると、どこかに必ず「屋号の統一」「店舗デザインの指定」「販促物の共有」といった文字が出てきます。仕組みをまるごと借りる以上、それは当然のことでもある。でも一方で、「うちの店名を変えてまでやる必要があるのか」と立ち止まってしまう経営者の方が少なくないのも事実です。
今回は、そういう迷いを持ったまま山道家の開業支援の場を訪れた、ある飲食店オーナーの一日に同席させてもらいました。私、鈴木諭が実際にどのような話をして、その方がどう受け取ったのか。時間の流れに沿って書き留めています。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業で培ってきた自店のブランドを守りながら昼営業を始めたい方
- ✅ フランチャイズの屋号統一ルールに引っかかりを感じている経営者
- ✅ 昼間の客席や厨房が空いていて、何かを始めたいが一歩が踏み出せない方
- ✅ 家系ラーメンの導入を検討しているが、具体的な相談の場がわからない方
- ✅ 開業支援を受ける前に、どんな一日になるのかイメージしたい方

10:00 — 準備と会話の始まり。最初に聞くのは「屋号をどうするか」ではない
今日の相談者は、県内で居酒屋を営むオーナー。夜は活気があるが、昼間の店舗が完全に空いている。家賃は一日分かかっているのに、使えているのは夕方以降だけ——という状況に、ずっとモヤモヤしていたそうです。
ラーメンFCの資料を数社取り寄せたものの、「うちの店名を出せなくなる」「ロイヤリティが毎月かかる」という点でなかなか決断できず、今回の相談に至ったと話してくれました。
10時過ぎ、静岡市清水区の実証店舗(JR清水駅西口から徒歩約1分)に到着。私が最初に聞いたのは、屋号の話でも売上の数字でもありませんでした。「いまのお店で、一番大事にしていることは何ですか?」という問いかけからです。
これには理由があります。屋号をどうするかは、手段の話。その前に、その方がどんな店を作ってきて、何を守りたいのかを聞かなければ、「オリジナルプランにしますかブランドプランにしますか」という話が空振りになるからです。
10:30 — 「屋号を守る」ことの、具体的な意味を整理する
話が進む中で、相談者のオーナーはこんなことを言いました。「FCさんの仕組みは素晴らしいと思う。でも、うちの店名で10年お客さんとの関係を作ってきた。それを手放すのは違う気がして」
この感覚は、まったく正しいと思います。飲食店の屋号は、ただの看板ではありません。常連客との関係、地域の中での認知、スタッフが誇りを持てる場の名前。それをリセットすることは、事業の形を変える以上のことです。
山道家モデルでは、こうした相談者に対して二つの方向を提案しています。一つは、現在の屋号のまま、そこに「ランチ・ラーメン」という機能を乗せるやり方。もう一つは、夜業態とは別に、ラーメン専用の新しい屋号を自分で作り、昼だけそのブランドで営業するやり方です。
どちらが正解かは、店舗ごとに違います。「山道家モデルには一つの正解はありません」というのは、こういう場面でこそ言葉に実感が生まれます。今日のオーナーの場合は、夜の居酒屋名をそのまま使いつつ「ランチのみラーメン提供」という形が、常連へのわかりやすさという点で合いそうだという話になりました。
11:00 — 実際の営業が始まる。「正統派」と言われる一杯の作り方
相談の途中で、ちょうど昼営業の時間になりました。今日は相談者にも、実際のオペレーションを見てもらいながら話を続けます。
うちの店では、スープを長時間店内で炊き続ける方式をとっていません。それを聞くと「え、それで本格的な家系ラーメンになるんですか?」と驚く方が多い。でも実際にお客さんから届く声は、こうです。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
この評価は、スープ単体の話ではありません。タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供のタイミング——それぞれを個別に調整し、一杯として届いたときの満足感を組み立てている結果です。昼だけの営業のために長時間スープを炊くことは、現実的ではない。だから「一杯のバランスで勝負する」という設計に行き着きました。
相談者のオーナーは、カウンター席でその一杯を食べながら、「こういう仕組みなら自分のところでもできそうかもしれない」と呟いていました。
✓ ここまでのポイント
- 屋号を守ることと新業態を始めることは、矛盾しない。現在の店名のままラーメン営業を追加する選択肢がある。
- フランチャイズの仕組みを否定するのではなく、「屋号の統一が難しい」という一点の課題に対して別の経路を選ぶことができる。
- 店炊きに依存せず、トータルバランスで本格的な評価を得ている実証店舗が、清水に今も営業している。
「屋号を変えずに始められる」という話は理解できても、では実際に自分の店でどう動かすのか、そのオペレーション設計の部分がまだ見えていないはずです。説明会では、仕入先紹介・研修・オペレーションの組み立て方まで含めた全体像を確認できます。参加にあたって準備しておくものは特にありません。
12:30 — 繁忙の波が落ち着いた後に、オペレーションの話をする
昼のピークが過ぎたころ、改めてオペレーションの話に戻ります。「人が増やせない」「夜の仕込みに影響させたくない」——この二つは、今日のオーナーが事前に送ってくれた質問にも入っていました。
実証店舗は、カウンター5席・3時間・基本2名で動いています。席数が少ないことは制約ではなく、小さく始めて改善するための条件です。最初から満席を目指すのではなく、運営に慣れながら質を上げていく。夜の仕込みに影響が出ないよう、動線と仕込みのタイミングを最初に設計することが重要で、そこは店舗ごとに一緒に考えます。
新業態立ち上げの一日に密着。開店前から閉店後までの記事でも書いていますが、「営業できる状態を作る」ことと「ラーメンのレシピを渡す」ことは別のことです。レシピだけもらっても、動かなければ意味がない。だから研修・仕入先紹介・オペレーション設計まで一緒にやる形にしています。
14:00 — 営業終了後、相談者が出した「自分なりの答え」
昼営業が終わり、片付けをしながら最後の話をしました。今日のオーナーが最終的に出した方向性は、「いまの居酒屋の屋号のままランチ営業に家系ラーメンを加える。まずはカウンター数席から試してみる」というものでした。
ブランドプランではなく、オリジナルプランを選ぶ可能性が高いと話してくれました。「山道家という名前を使わなくても、同じノウハウを自分の店名で使えるなら、それが一番自分らしい形だ」という言葉が印象に残っています。
山道家モデルの開業支援は、「うちのブランドに入ってください」というものではありません。仕入先・レシピ・研修・オペレーション——必要なものを必要なだけ持ち帰ってもらい、その人のお店で使えるようにすることが目的です。
大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶこと。今日の密着が、その選び方の参考になれば幸いです。
開業支援を検討している方は、家系ラーメン開業支援を選ぶ7つの基準も合わせて読んでみてください。相談前に整理しておきたいポイントをまとめています。また、静岡でラーメン二毛作を始めた3ヶ月後のリアルでは、導入後の変化をそのまま書いています。今日の話との続きとして読んでもらえると、より具体的なイメージが持てると思います。
まとめ — 屋号を守ることと、利益を増やすことは両立できる
今回の密着を通じて、改めて感じたことがあります。「自分の店名を変えたくない」という気持ちは、経営者として当然の感覚です。それを「FCでは難しい」という理由で諦める必要は、必ずしもない。
新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす。今ある屋号を守りながら、昼間の遊休時間を収益に変える。そのための手段として家系ラーメンを位置づけているのが、山道家モデルの考え方です。
ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的です。その順番を間違えなければ、どの業態から始めても正しい判断に近づけると思っています。
個別に話を聞いてみたい方は、まずお電話でも構いません。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)
今日の密着で見えてきたのは「屋号を守りながら昼ラーメンを始める」という一つの形です。ただし、それがあなたのお店に合うかどうかは、店舗の構造・現在の客層・使える時間帯によって変わります。詳細ページから説明会に申し込むことで、自分の店に引き寄せた具体的な話ができます。


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