結論から言うと、「スープを店内で長時間炊くこと」と「本格的な一杯を出すこと」は、イコールではありません。この考え方にたどり着くまでに、私自身がかなりの時間と試行錯誤を重ねてきました。今回は、その理由を正直にお伝えしたいと思います。
もう一つ、この記事を書こうと思ったきっかけがあります。ラーメン営業を始めたいけれど「フランチャイズに入ると自分の店の名前が使えなくなる」という問題を抱える飲食店オーナーの声を、ここ最近とくに多く聞くようになったからです。
スープの設計と、屋号の問題。この二つは一見別の話に見えますが、実は同じ根っこにあります。「自分のお店らしさを守りながら、ラーメンで新しい利益を作る」という命題です。
こんな方におすすめ
- ✅ 昼営業を始めたいが、自店の屋号や雰囲気を変えたくない方
- ✅ FCのロイヤリティや屋号変更に抵抗を感じている方
- ✅ 店炊きスープなしでも本格的なラーメンが出せるのか知りたい方
- ✅ タレ・鶏油・麺・チャーシューの組み合わせで何が変わるのか気になる方
- ✅ 夜営業中心で昼間の厨房・客席が空いている飲食店の経営者

「店炊きスープ」が正解、という思い込みを疑うところから始まった
私が家系ラーメンを食べ歩くようになったのは、横浜の吉村家に行ってからです。以来、関東を中心にさまざまな家系の店を訪ね歩きました。その過程で気づいたのは、「炊き方が同じでも、一杯の完成度は全然違う」という事実です。
同じ骨を同じ時間炊いても、タレの設計が甘ければ味が締まらない。鶏油の質が低ければ香りが出ない。麺との相性が合っていなければ、どんなに丁寧なスープも台無しになる。食べ歩きを重ねるほど、「一杯の満足度はスープだけで決まっていない」という確信が深まりました。
では、夜営業中心の私が昼にラーメンを出すとしたら、どう設計すればいいか。「侍ホルモン清水駅前店」を2009年に開業してから15年以上、厨房と時間のやりくりを考え続けてきた立場から言うと、昼の短い時間帯のためだけに何時間もスープを炊くのは現実的ではありません。夜営業の仕込みへの影響、光熱費、スタッフの拘束時間。どれをとっても割が合わない。
だから「店炊きに依存せずに、本格的な満足感を出す方法はないか」を真剣に研究することにしました。
スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー——どこで勝負するかという話
業務用のスープを使うこと自体は、飲食業界では珍しい話ではありません。問題は「業務用スープをそのまま出すだけ」で終わってしまうことです。そこに手を加えない限り、どこにでもある味になる。
私が取り組んだのは、スープに合わせたタレの設計です。家系らしいしょっぱさと深みを出すためのタレの配合は、スープの特性に合わせて調整する必要があります。次に鶏油。これは香りと口当たりの両方に関わるため、質の選定と量のバランスが仕上がりを大きく左右します。
麺は家系らしい太さと食感を出せるものを選び、提供時の茹で時間と硬さのコントロールまで含めて設計しています。そしてチャーシュー。ここは手を抜かないと決めていました。実際、「チャーシューが本当に美味しい」という声を何度もいただいています。一杯の中でチャーシューの存在感が高いことで、全体の印象が一段上がります。
こうした各要素を組み合わせた結果、清水駅前の実証店舗では「間違いなく正統派の家系ラーメン」という評価をお客様からいただくことができました。店炊きではない、という事実を知らずに食べた方が、そう言ってくれている。これが何よりの答えだと思っています。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
✓ ここまでのポイント
- スープを店内で炊くことと、本格的な一杯を出すことは別の問題。
- タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を総合的に設計することで、満足度は大きく変わる。
- 実証店舗では「正統派の家系ラーメン」と評価されるレベルまで改善できた。
タレ・鶏油・麺・チャーシューの設計で本格的な評価を得られることは分かった。でも「自分の屋号を残したまま始める」ことが実際にどう実現できるのか、もう一段具体的な手順が知りたい——そこで止まっている方に向けて、オリジナルプランとブランドプランの違いや、導入までの流れを説明会の場でお伝えしています。
「自分の店名でラーメンを出したい」という問いに、FCは答えられるか
ここからが、この記事のもう一つの核心です。
ラーメンの導入を検討している飲食店オーナーが最初にぶつかる壁の一つが、「フランチャイズに入ると屋号を変えなければならない」という問題です。居酒屋を10年以上営んできた経営者が、明日から別の会社の看板を掲げる。それができないから、二の足を踏んでいる方が少なくありません。
FCの仕組みは、均一なブランド体験を提供するために設計されています。だから屋号や内装、メニュー表現に統一基準が設けられる。それ自体は理にかなっています。ただ、「既存の店舗を活かして、今ある自分のブランドを残したまま、新しい利益を作りたい」という目的には、必ずしも合わない。
山道家モデルには、「オリジナルプラン」と「ブランドプラン」の二つの選択肢があります。オリジナルプランは、レシピ・オペレーション・チャーシュー製法・仕入先紹介・開業研修をセットにして提供するもので、屋号は自店のものをそのまま使えます。長年育ててきた店名で、昼に家系ラーメンを始める。それが可能です。
一方、ブランドプランは「山道家」のブランド・ロゴ・メニューデータ・POPデータを含めて使いたい方向けです。新しいブランドを自分で一から作る手間を省きたい、という方には合理的な選択肢になります。
どちらを選ぶかは、店舗ごとの状況次第です。「山道家モデルには一つの正解はありません」というのが私の考えです。大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。
屋号や自分のブランドを守りたいと思うのは、経営者として当然の感覚だと思います。その感覚を「わがまま」として切り捨てる仕組みよりも、その感覚を活かせる仕組みの方が、長く続く営業になると私は考えています。自分の店名でラーメンを始められるようにした背景については、別の記事でも詳しく書いています。
「どちらを選ぶか」を判断するための、シンプルな基準
比較型の記事として、ここで少し整理しておきます。
オリジナルプランが向いている場合
・自店の屋号に愛着があり、変えたくない
・昼は「うちの店のランチ」として出したい
・すでに常連客がいて、その延長で家系ラーメンを始めたい
・ブランド素材は自分で用意できる
ブランドプランが向いている場合
・昼営業を別ブランドとして立ち上げたい
・メニュー表やPOPを一から作る時間や労力を省きたい
・「山道家」という名前に価値を感じる
・夜業態と昼業態を明確に分けて運営したい
どちらの場合も、加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間はありません。導入後に毎月費用が発生しない構造にしているのは、「売上から利益を残す」ことを優先しているからです。売上が上がっても、毎月の固定費が積み重なれば手元には残らない。少額投資の新業態にこだわる理由もここにあります。
また、自社ブランドのラーメンづくりを支える考え方についても、別の記事で詳しく触れています。屋号の問題と合わせて読んでいただくと、より具体的なイメージが持てると思います。
実証店舗での数字と、「5席・3時間」という現実
清水駅西口から徒歩約1分の実証店舗、「横浜家系ラーメン山道家」では現在もランチ営業を続けています。カウンター5席、営業時間は11:00〜14:00の3時間。基本的に2名で回しています。
月間客数は250〜350名ほど、客単価は約950円で、月商は25万〜33万円程度で推移しています。夜営業の規模からすれば小さな数字ですが、昼間に使っていなかった席と時間から生まれている利益として見れば、意味は変わります。「5席だけでも収益は生まれます」というのは、理論ではなく今も続いている実績です。
この規模感を設計したのは、「小さく始めて改善する」という考え方に基づいています。一気に大きく始めると、うまくいかなかったときの修正が難しくなる。5席・3時間という枠で始め、実際に営業しながら改善を重ねた結果が、今の形です。
まとめ:スープの炊き方より、「何で本格的な一杯を作るか」を考える
店炊きしないラーメンでも本格的な評価を得られた理由は、スープ単体ではなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を含めた一杯全体を設計したからです。「間違いなく正統派の家系ラーメン」という評価は、その設計の積み重ねの結果だと捉えています。
そして、自分の屋号を守りたいという思いを持つ飲食店オーナーには、FCとは異なる選択肢があります。今ある店舗を活かしながら、今ある自分の名前で、新しい利益を作る。それが可能な仕組みを、実際の営業を通じて作ってきました。
新しい業態を始めることに迷っている方、FCの屋号変更に踏み切れない方、まずは話を聞いてみたいという方は、お電話でも受け付けています。
📞 054-363-2766(侍ホルモン清水駅前店・山道家モデル事務局)
「自分の店名でラーメンを出したい」「毎月ロイヤリティを払い続けるFCには入りたくない」——この記事でその両方に答えを出せると感じた方は、次のステップとして説明会への申込みを検討してみてください。オリジナルプランとブランドプランのどちらが自店に合うかも、相談の中で一緒に整理できます。


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