「ランチ営業を始めたいけど、フランチャイズに入ると店の名前まで変えないといけないのか…」
そんな引っかかりを感じて、一歩を踏み出せずにいる居酒屋オーナーは、意外と多いのではないでしょうか。
長年かけて育ててきた屋号。常連さんが覚えてくれているのれん。それを手放してまで新業態を始めることには、どうしても抵抗があります。でも、昼間の店舗と厨房が毎日そのまま眠っているのも、経営者として見過ごせない現実です。
私は静岡市清水区で「侍ホルモン清水駅前店」を2009年に開業し、夜営業中心の焼肉・ホルモン店を17年間運営しています。その経験から生まれたのが、夜は居酒屋・昼はラーメンという「二毛作モデル」です。今回は、自店のブランドを守りながら二毛作を成功させるための7つのコツを、数字と実体験をもとにお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 自店の屋号や世界観を守りながら昼営業を始めたい方
- ✅ 夜営業だけでは利益が残らず、新しい収益源を探している居酒屋・焼肉店オーナーの方
- ✅ FCの加盟金やロイヤリティなしで二毛作を試したい方
- ✅ 少ない席数・短い営業時間から小さく始めたい方
- ✅ ラーメン導入を検討しているが、何から手をつければいいか分からない方

なぜ「屋号を変えたくない」という悩みが生まれるのか
一般的なラーメンFCに加盟する場合、チェーンの屋号を掲げることが条件になるケースが少なくありません。看板・のれん・メニュー表・SNSアカウントにいたるまで、統一されたブランドに揃えることを求められます。それ自体は本部にとって合理的な話ですが、すでに地域に根ざした屋号を持つ既存店にとっては、大きな障壁になります。
清水駅前グルメ通りの振興会で事務局長を務めていると、「ランチ導入を考えているけれど、FC加盟で看板を変えなければいけないなら、うちには合わない」という声を何度も耳にしてきました。既存のお客さんとの関係を大切にしてきた店主ほど、この悩みは深いのです。
二毛作を成功させる最初の前提は、「屋号はそのままでいい」という判断軸を持つことです。今の店名のまま、あるいは独自の新しいブランドを自分でつけて、ラーメン営業を始める方法は、現実的に存在します。
二毛作経営を成功させる7つのコツ
コツ1:屋号の使い方を最初に決める
「夜の業態名のまま昼もやる」か、「昼だけの別ブランドを作る」か。どちらでも機能しますが、この判断を最初に固めることが重要です。夜の居酒屋名でラーメンを出す場合、「あそこ昼もやってるの?」という発見が口コミになりやすい。一方、昼専用ブランドを別に作ると、ランチの集客に向けた発信が独立してできる利点があります。どちらが正解かは店舗の立地・客層・SNS運用方針によって変わります。大切なのは、あなたのお店に合った方を選ぶことです。
コツ2:FCではなく「ノウハウ導入」という選択肢を知る
FCに入らなくても、レシピ・オペレーション・仕入先・研修をセットで導入できる仕組みがあります。ロイヤリティや契約期間の縛りなく、必要なノウハウだけを手に入れて、自分の屋号で営業を始める方法です。私自身がそのモデルを実証店舗で検証し続けています。
実際の数字で言うと、清水駅前の実証店舗(カウンター5席・11時〜14時の3時間営業・基本2名運営)では、月間250〜350名のお客様にご来店いただき、月商25万〜33万円を確認しています。小さな規模から始めても、収益は生まれます。
コツ3:スープの選び方で仕込みの負担を決める
夜営業の仕込みを抱えながら、昼のために長時間スープを炊くのは現実的ではありません。私自身、横浜の吉村家をはじめ多くの家系ラーメン店を食べ歩いてきましたが、「店炊きかどうか」より「完成した一杯がどう感じられるか」のほうが、来店するお客様にとっては重要だと気づきました。スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を設計することで、「本格的」という評価は作れます。
コツ4:席数は5席からでも収益になる
居酒屋のカウンター席が夜に使われていない店は多くあります。昼間だけそのカウンターをラーメン席として活用するだけで、新しい利益源になります。5席という小規模でも、月商換算で25万円以上の実績があるのはそのためです。「席数が少ないから無理」と諦める前に、今ある設備を一度棚卸ししてみてください。
コツ5:オペレーションを夜と干渉させない設計にする
昼営業を始めて失敗するパターンのひとつが、夜の仕込みや仕入れと昼のオペレーションが混在して、どちらも中途半端になるケースです。食材の動線・スタッフのシフト・仕入れ時間を、できるかぎり分離して設計することが長続きの条件です。14時に昼営業を終えれば、夜の仕込みには十分な時間がある。この時間割の設計が、二毛作の現実的な土台になります。
コツ6:集客はラーメン単体ではなく「昼の店」として発信する
「夜に来ている常連さんに昼も来てもらう」という発想だけでなく、「昼だけ来る新しいお客さんを獲得する」という視点が必要です。Googleビジネスプロフィールに昼の営業時間とメニューを正確に登録し、清水駅周辺のような徒歩圏の通勤・通学層へのリーチを意識するだけで、集客の入口は大きく変わります。居酒屋の昼ラーメンを成功させる具体的なポイントについては別記事でも詳しく整理していますので、あわせて読んでみてください。
コツ7:小さく始めて、データを見て改善する
最初から満席・行列を目指す必要はありません。最初の1か月は「何が売れるか・何が難しいか・お客さんはどんな人か」を把握するための期間と位置づけてください。月250名来れば十分な利益になりますが、それも最初から狙うのではなく、週単位で客数と客単価を確認しながら調整していく。「新しく始めるのではなく、賢く始める」という感覚が、二毛作を長続きさせるコツです。
居酒屋にラーメンを段階的に導入するプロセスについては、居酒屋にラーメンを導入する6つのステップも参考にしていただけます。
✓ ここまでのポイント
- 屋号の扱い(既存名か新ブランドか)を最初に決めることが、二毛作設計の起点になる
- FCに頼らずノウハウだけを導入する方法があり、5席・3時間の実証店舗で月商25万〜33万円の実績がある
- 昼と夜のオペレーションを干渉させない時間設計が、長続きの条件になる
「屋号は変えたくないけれど、ラーメン導入の具体的な手順が分からない」という部分で止まっているとしたら、それは情報の量ではなく設計の順番の問題です。山道家モデルの詳細ページでは、レシピ・オペレーション・仕入先紹介・開業研修の内容と、説明会への参加方法を確認できます。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
この声は、店炊きスープを使っていない状態でいただいたものです。スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューの全体を丁寧に設計することで、「本格的」という評価は一杯の組み立て方で実現できる。その手応えが、私がこのモデルを体系化した理由のひとつです。
なお、昼営業で利益を残す設計については、焼肉店の昼ラーメンで利益を残す5つの方法でも業種別に整理しています。焼肉店・ホルモン店の経営者にも参考になる内容です。
「自分の屋号を守る」ことと「新しい収益を作る」は両立できる
二毛作経営において、屋号や店の世界観を守ることと、新しい利益源を作ることは、決してトレードオフではありません。むしろ、今ある店舗・厨房・客席・信頼関係をそのまま活かすことが、最も低コストで安全な新規事業の始め方です。
新しく物件を借りるわけではなく、スタッフを大量に採用するわけでもなく、FCに多額の加盟金を払うわけでもない。今ある資源の使われていない時間帯を、収益へ変えていく。それが山道家モデルの根本的な発想です。
「ラーメン店を増やす」のではなく、「利益の出る飲食店を増やす」という目的で考えれば、二毛作は夜営業中心の飲食店にとって、現実的な選択肢のひとつになります。
まとめ:ブランドを守りながら二毛作を始める7つのコツ
最後に今回の内容を整理します。
- 屋号の使い方(既存名か新ブランドか)を最初に決める
- FCではなく「ノウハウ導入」という選択肢を知る
- スープの選び方で仕込みの負担をコントロールする
- 5席からでも収益になることを数字で確認する
- 昼と夜のオペレーションを分離して設計する
- 集客は「昼の店」として独立した発信を行う
- 小さく始めてデータを見ながら改善を重ねる
どれか一つでも「自分の店で試せそう」と感じたものがあれば、そこから動いてみてください。二毛作の正解は一つではなく、店舗ごとの最適解があります。
個別のご相談はお電話でも受け付けています。
電話:054-363-2766
7つのコツを読んで「うちの店でも動けそうだ」と感じた次の一歩は、実証店舗の数字と導入の流れを自分のケースに当てはめて考えることです。山道家モデルの詳細ページと説明会申込みから、オリジナルプランとブランドプランの違いも含めて整理できます。


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