結論から言うと、居酒屋での昼ラーメンは「ラーメンの作り方が分からない」という状態からでも始められます。ただし、闇雲に始めると商品開発だけで数ヶ月が過ぎてしまう。今回は、その時間を大幅に縮めるための6つのポイントを、実際の運営データをもとにお伝えします。
私(鈴木諭)は2009年に焼肉・ホルモン店を創業し、2023年から昼の遊休時間を使って家系ラーメンの営業を始めました。スタート時の席数はカウンター5席、営業時間は11:00〜14:00のわずか3時間。それでも月間250〜350名のお客様にご来店いただき、月商25万〜33万円という実績を積み重ねています。この数字は「居酒屋の昼営業でラーメンが売れる」ことを、身をもって証明してくれているものだと思っています。
スープを一から炊いた経験がない方でも、タレや麺の調達先が分からない方でも、この記事に書いてあることを順番に確認していただければ、商品設計の全体像がつかめるはずです。
こんな方におすすめ
- ✅ 居酒屋の昼間を活かしたいが、何から始めればいいか分からない方
- ✅ スープ・タレ・麺・チャーシューの知識がゼロの状態でラーメン営業を検討している方
- ✅ 独学で商品開発を試みたが、時間ばかりかかって進まない方
- ✅ 仕入先や提供手順を一から探すことに不安を感じている方
- ✅ 少人数・短時間でも成立するラーメン業態の具体像を知りたい方

ポイント① スープは「炊く技術」より「選ぶ目」を磨く
居酒屋がラーメンを始める際、最初につまずくのがスープです。「豚骨を何時間炊くのか」「骨の配合はどうするのか」——そこから調べ始めると、それだけで数週間が消えます。
私自身、横浜の吉村家をはじめ多くの家系ラーメン店を食べ歩いてきましたが、昼だけの短時間営業で長時間スープを炊き続けることは現実的ではないと早い段階で判断しました。夜の仕込みに影響が出てしまうからです。
そこで行き着いたのが、業務用スープを「選ぶ」というアプローチです。重要なのは、業務用スープをそのまま使うことではなく、それを土台にしてタレ・鶏油・提供温度との組み合わせを設計することです。「何を使うか」ではなく「どう組み合わせるか」に時間を投資する。これが短時間営業のラーメンを成立させる最初の考え方です。
ポイント② タレと鶏油は「自家製」にこだわる価値がある
スープを業務用に頼る場合でも、タレと鶏油は自店で仕込む余地が大きい部分です。ここに手をかけることで、一杯の完成度が大きく変わります。
醤油ダレの配合は、塩分濃度・旨味のバランス・後味の切れ方に直結します。鶏油は香りの出方で印象が変わる。スープ本体は共通でも、タレと鶏油が違えば、出来上がりの個性はまったく別物になります。
居酒屋の場合、夜の仕込みの合間に少量を仕込める点がむしろ強みです。昼だけのために厨房を一から稼働させる必要がなく、既存の導線に組み込みやすい。タレ・鶏油を自店で作ることは、手間のわりにリターンが大きい工程です。
ポイント③ 麺は「太さ・かたさ」の基準を先に決める
家系ラーメンの麺は、提供前に「麺のかたさ・味の濃さ・油の量」を確認するのが一般的です。この3つの問いかけ自体が、家系ラーメンの「型」を構成しています。
麺の仕入先を探す際は、まずこの型に合う太麺・中太麺を扱う業者を絞り込むことから始めます。自店のスープとタレのバランスを決めてから麺を選ぶ順番が正しく、先に麺を決めてしまうと後から調整が難しくなります。
なお、麺の仕入先候補をゼロから探すのは想像以上に時間がかかります。実際に複数の業者からサンプルを取り寄せ、自店のスープで試作する——この工程だけで1〜2ヶ月かかることは珍しくありません。ここを短縮できるかどうかが、開業までのスピードを決める分岐点になります。
✓ ここまでのポイント
- スープは「炊く技術」より「組み合わせの設計」に集中することで短時間営業でも成立する
- タレ・鶏油は自店で仕込むことで一杯の個性と完成度が大きく変わる
- 麺はスープとタレのバランスを固めてから選ぶ順番が重要
スープの選び方、タレの仕込み、麺の仕入先——それぞれの工程は分かってきても、「どう組み合わせれば一杯として成立するか」がつかめないまま止まっているのではないでしょうか。山道家モデルの詳細ページでは、実証店舗で検証されたレシピ・仕入先・オペレーションの体系について確認できます。商品開発の方向性を決める前に、全体像を把握しておくと次の一手が見えやすくなります。
ポイント④ チャーシューは「差」を作れる工程
ラーメンの評価において、チャーシューの印象は思った以上に大きい。「チャーシューが本当に美味しい」という声は、実際に山道家の実証店舗でも繰り返し届いています。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
この評価をいただけているのは、スープだけでなくチャーシューの製法を一杯の中で機能させているからだと感じています。チャーシューは、肉の種類・タレへの漬け込み時間・加熱方法の3点で品質が変わります。居酒屋であれば肉の仕入れルートがすでにある場合も多く、そこを活かせる工程でもあります。
ただし、製法を一から考えるのは意外と難しい。「なんとなく美味しい」と「再現性がある」は別物で、提供するたびに品質がブレると評価は安定しません。製法の基準を数字で持つことが、毎日の営業を安定させる前提になります。
また、居酒屋にラーメンを導入する際の全体ステップを事前に把握しておくと、チャーシューを含む各工程をどの順番で準備すべきかが整理しやすくなります。
ポイント⑤ 仕入先は「一覧」より「実績のある組み合わせ」を使う
スープ・タレ・麺・チャーシュー用の肉、それぞれの仕入先を独立して探すと、組み合わせの検証に膨大な時間がかかります。業者Aのスープに業者Bの麺が合うとは限らず、試作を重ねる中でコストと時間が積み上がっていきます。
実際に営業している店舗が「このスープ・このタレ・この麺・このチャーシュー製法」という組み合わせで成立しているなら、その組み合わせごと活用する方が効率的です。仕入先の紹介と合わせてレシピとオペレーションを受け取れる形が、独学より早く開業できる理由はここにあります。
山道家の実証店舗では、カウンター5席・3時間・2名という体制で検証を重ね、この組み合わせを積み上げてきました。飲食店の昼にラーメン営業を始める際の全体像も参考にしながら、どこから手をつけるかを整理してみてください。
ポイント⑥ オペレーションを「2名・3時間」で設計する
商品の設計が整っても、提供の流れが決まっていないと昼営業は安定しません。特に居酒屋の場合、昼の担当者が夜の営業と兼務するケースが多く、少人数でも回せるオペレーションの設計が必要です。
山道家の実証店舗では、仕込み・提供・片付けまでを基本2名で完結できる動線を整えています。「何を事前に準備しておくか」「注文から提供まで何分かけるか」「チェックアウトの流れをどうするか」——こうした細かな設計が、毎日の営業負荷を決めます。
居酒屋の昼ラーメンで失敗するパターンの多くは、商品開発に集中しすぎてオペレーションの設計が後回しになるケースです。レシピと仕入先が決まった段階で、提供の流れを同時に設計することを強くおすすめします。
なお、居酒屋の昼営業を成功させるための全体ポイントと合わせて読むと、オペレーション設計の位置づけがより具体的につかめます。
まとめ:「知識がない」は、始められない理由にならない
スープ・タレ・麺・チャーシュー——どれか一つでも「よく分からない」という状態でラーメン営業を検討するのは、むしろ自然なことです。飲食業の経験が長くても、ラーメンは別ジャンル。独学で一から商品開発を始めれば、数ヶ月かかっても形にならないことは珍しくありません。
大切なのは、「何を自分で作るか」と「何を既存の実績から取り入れるか」を分けて考えることです。タレと鶏油のように自店で差をつけられる工程は自分で手をかけ、スープの組み合わせや仕入先・オペレーションは実績のある形を活用する。この判断が、開業までの時間と試行錯誤のコストを大きく左右します。
新しく店舗を借りるのではなく、今ある居酒屋の昼間を活かすこと。それが、ラーメン営業を「始められる選択肢」にする前提です。
個別の状況についてのご相談は、お電話でも受け付けています。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)
6つのポイントを読んで「自分の店で実際にどう組み立てるか」が次の問いになっているなら、それは具体的に動き始めるタイミングです。山道家モデルの詳細ページと説明会申込みから、店舗の規模・営業時間・既存設備に合わせた導入の相談ができます。まずは情報として受け取るだけでも構いません。


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