飲食店が新しい収益源を作るなら、何から始めるべきですか?

二毛作・店舗活用

飲食店の固定費のうち、家賃が「売上ゼロの時間帯にも同額発生している」という事実に、改めて気づいている経営者は意外と少ないものです。たとえば夜18時から24時の6時間だけ営業している店舗でも、家賃は24時間365日かかっています。残りの18時間、店舗は何も生み出していない。この「空白の時間」こそが、利益を圧迫している根本原因の一つです。

私は静岡市清水区で焼肉・ホルモン店「侍ホルモン清水駅前店」を2009年から経営してきました。夜営業一本で17年近く走ってきて、同じ壁にぶつかりました。売上は立っているのに、原価・人件費・光熱費を引いたあとに残るものが薄い。その経験から「新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす」という方向に舵を切り、昼の家系ラーメン営業「山道家」を始めました。この記事では、その具体的な考え方と手順をお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業中心で昼間の厨房・客席が空いたままになっている方
  • ✅ 売上はあるのに月末の利益が薄いと感じている飲食店オーナー
  • ✅ 新規出店の資金はないが、収益源を増やしたい経営者
  • ✅ ランチ営業を始めたいが、何を売ればいいか決まっていない方
  • ✅ フランチャイズ以外の選択肢を探している店主
飲食店が新しい収益源を作るなら、何から始めるべきですか? | 山道家二毛作モデル

なぜ「売上があるのに利益が残らない」のか?

夜営業だけで経営している飲食店の多くが直面するのが、「売上はそれなりにあるのに、手元に残らない」という状態です。原因を分解すると、構造的な問題が見えてきます。

家賃・水道光熱費・設備のリース料といった固定費は、営業時間に関係なく発生します。夜6時間しか使っていない厨房に対して、1日分の家賃を払い続けている。この「固定費の回収効率の低さ」が、利益を薄くしている大きな要因です。

さらに、夜営業は客単価が高い反面、来客数が読みにくく、天候や曜日の影響を受けやすい。原材料費・人件費が上昇している今、夜の売上だけで固定費全体をカバーし続けるのは、以前より難しくなっています。

解決策は「客数を増やす」だけではありません。既存の資産——厨房、客席、スタッフ——の稼働時間そのものを増やすことで、同じ固定費から生み出せる利益の総量を変えることができます。

新しい収益源として「昼営業の追加」が有効な理由は?

新規出店や新業態への投資を考えたとき、多くの経営者は保証金・内装費・採用コストを想像して腰が重くなります。でも、昼の空き時間に既存店舗で別業態を始めるなら、その多くが不要です。

たとえば私の実証店舗「山道家」は、侍ホルモンのカウンター5席と既存厨房をそのまま使い、11:00〜14:00の3時間だけ家系ラーメンを提供しています。基本2名のスタッフで回し、月間の客数は250〜350名、月商は約25万〜33万円の実績があります(数字は営業日数・季節によって変動します)。

5席・3時間という小さな枠でも、継続的な利益源になり得る。それを実店舗で検証しながら体系化したのが「山道家二毛作モデル」です。

重要なのは、昼営業が夜営業の邪魔をしないことです。10時に準備を始め、14時に閉め、その後に夜の仕込みへ移る。この流れを店舗ごとに調整することで、夜の品質を落とさずに昼を動かすことができます。

✓ ここまでのポイント

  • 利益が残らない原因の一つは、固定費の回収効率の低さ——つまり「昼間に店舗が何も生んでいないこと」にある
  • 新規出店ではなく、今ある厨房・客席・スタッフの稼働時間を増やすことが低投資で収益を作る近道
  • 5席・3時間の小規模昼営業でも、月単位で新しい利益源になることは実証済み

昼営業に何を売ればいいのか? 家系ラーメンが選ばれる理由は?

「昼に何を出すか」が決まらずに、二毛作を先送りしている経営者は少なくありません。私自身も長年、横浜の吉村家をはじめとする家系ラーメンを食べ歩いてきた経験から、家系ラーメンを選びました。

家系ラーメンが昼業態として機能しやすい理由は、客単価・回転率・仕込み量のバランスが取れているからです。客単価は800〜1,100円前後で設定しやすく、提供時間が短いため少ない席数でも回転する。また、夜の焼肉・居酒屋業態とメニューが被らないため、既存客層と昼客層が自然に分かれます。

「でも家系ラーメンって、スープを何時間も炊かないといけないんじゃないの?」という疑問はよく受けます。山道家では長時間のスープ炊きに依存する方式は取っていません。スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法を総合的に設計することで、お客様から本格的という評価を得ています。

「家系を食べるならここ一択」

実証店舗ご利用のお客様

この声は、長時間スープを炊いて得たものではありません。一杯として完成した満足度を作ることに集中した結果です。昼営業のために夜の仕込みを圧迫しないよう、長時間炊きに頼らない設計にしたことが、結果として持続可能な運営につながっています。

具体的にどんな手順で始めればいいですか?

「何から手をつければいいかわからない」という声には、ステップを整理してお伝えするのが一番です。私自身が実店舗を動かしながら改善してきた流れをもとに、現実的な順序をお伝えします。

ステップ1:自店の「空き時間と空き席」を把握する
昼間の何時間が実際に空いているか、カウンターや厨房がどの程度使えるか、現状を数字で確認します。5席あれば始められる余地があります。

ステップ2:夜の仕込みへの影響を逆算して営業時間を決める
「14時には昼営業を終えて、夜の準備に移れるか」を基準に、昼の営業時間を設定します。無理のない枠組みを先に決めることが長続きのコツです。

ステップ3:売る商品とオペレーションを決める
商品数を絞ることが少人数運営の前提です。ラーメン1〜2種類に限定し、提供手順を標準化することで、新たにスタッフを大量採用しなくても回せる仕組みになります。

ステップ4:仕入先・レシピ・研修を整える
ここが独力では一番時間がかかる部分です。何をどこから仕入れるか、タレや鶏油の配合をどう調整するか、チャーシューをどう仕込むか——これらをゼロから開発しようとすると、半年以上かかることもあります。実証済みのレシピ・仕入先・研修を活用することで、この時間を大幅に短縮できます。

ステップ5:小さく始めて、数字を見ながら改善する
最初から満席を目指す必要はありません。月商・客数・原価率を毎月確認しながら、少しずつ調整していく。「小さく始められることが最大の強み」だと、私は実体験から思っています。

フランチャイズとの違いは何ですか?

昼営業を新業態として加えるとき、ラーメンのフランチャイズを検討する経営者も多いです。FCが悪いわけではありません。ブランド力・集客力という点でメリットがあるのは確かです。

ただ、既存の焼肉店や居酒屋が昼だけ別業態を加えるケースで課題になるのは、加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間・指定ルールといった継続的なコストと制約です。5席・3時間の昼営業で月商25万〜33万円の規模から、毎月ロイヤリティを引き続けるとなると、利益率への影響は小さくありません。

山道家モデルは、加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間を設けていません。必要なノウハウ——レシピ・仕入先・チャーシュー製法・オペレーション・開業研修——を導入したあとは、自分の店のルールで運営できます。自店の屋号を使いたい経営者向けの「オリジナルプラン」と、山道家のブランド・ロゴ・メニューデータ・POPデータをまとめて使える「ブランドプラン」の2種類があり、自分の店舗の状況に合わせて選べます。

FCが最適な場合もあります。でも、「別の選択肢もある」ということを知った上で判断してほしいと思っています。

まとめ:新しい収益源は「今ある店舗」の中にある

売上はあるのに利益が残らない——その原因の多くは、夜営業だけに依存した構造にあります。家賃・光熱費・設備費は昼間も発生しているのに、その時間が何も生んでいない。この構造を変えることが、新しい利益源を作る出発点です。

新しく店を作る必要はありません。今ある厨房・客席・スタッフの稼働時間を増やすことが、低投資で収益を作る最も現実的な方法です。静岡市清水区の実証店舗では、カウンター5席・3時間の小規模昼営業でも、継続的な利益源として機能しています。

山道家モデルには一つの正解はありません。店舗ごとの状況——席数、スタッフ数、夜の営業スタイル——に合わせた最適解があります。まずは現状の整理と相談から始めてみてください。

詳しい内容や導入の流れ、オリジナルプランとブランドプランの違いについては、説明会や個別相談でお伝えしています。お気軽にご連絡ください。

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