居酒屋にラーメンを導入する6つのステップ

ラーメン導入・開業ノウハウ

「夜の営業は続けているのに、昼間の店が何も生んでいない」——そう感じながら、毎月の家賃の請求書を眺めたことはありませんか?

客席はある。厨房もある。ガスも電気も契約している。それなのに昼の11時から14時は鍵がかかったまま、店内は静まり返っている。夜だけで固定費をすべて回収しようとするには、今の原材料費・人件費の水準はあまりにも厳しい。

私は2009年から静岡市清水区で夜営業中心の焼肉・ホルモン店を経営しています。同じ悩みを10年以上抱えて、昼の遊休時間に家系ラーメンを導入することで解決の糸口を見つけました。今の実証店舗はカウンター5席・営業時間3時間・基本2名体制という小規模構成で運営しており、月間250〜350名のお客様にご来店いただいています。

この記事では、居酒屋・酒場系の夜業態にラーメンを追加導入するための6つのステップを、実際の経験をもとに解説します。「始め方が分からない」という段階から、「実際に売れる状態を作る」までの具体的な流れを整理しましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業中心で昼の客席・厨房が空いている居酒屋・酒場の経営者
  • ✅ ランチ営業を始めたいが、何を売るか決まっていない方
  • ✅ ラーメン導入を検討しているが、長時間スープを炊く余裕がない方
  • ✅ FCには縛られたくないが、ゼロからレシピを作る自信もない方
  • ✅ 少人数・短時間で回せる昼業態を探している経営者
居酒屋にラーメンを導入する6つのステップ | 山道家二毛作モデル

なぜ居酒屋の昼にラーメンが向いているのか

まず前提として、なぜ居酒屋の昼営業にラーメンが合うのかを整理しておきます。

居酒屋や焼肉・ホルモン店は夜の仕込みに時間がかかります。昼の業態を追加するなら、夜の仕込みに干渉しないことが絶対条件です。この点でラーメン——特に業務用のスープを活用した家系ラーメン——は相性がよい。炊き出しに何時間もかける必要がなく、提供の手順が比較的シンプルで、少人数でオペレーションが組み立てやすい。

また、ランチの客層はデリバリーやコンビニとも競合しますが、「しっかりしたラーメンを食べたい」という需要は根強く、住宅地や駅前であればターゲットが明確です。清水駅前の当店でも、地域のビジネスパーソンや買い物客が昼のコアな客層になっています。

ただし、向き・不向きは店舗によって異なります。ここで紹介するステップは「どの居酒屋でも同じ方法でうまくいく」という話ではなく、あなたの店舗の条件に合わせて考えるための枠組みです。

ステップ1:昼に使える席数と時間を確認する

最初にやることは、ラーメンのレシピ探しでも仕入れ先の選定でもありません。「今の店舗で実際に使える昼の資産を棚卸しすること」です。

確認するポイントは主に3つ。

  • 夜営業で使っていない席(特にカウンター席)が何席あるか
  • 昼に動かせるスタッフは何名いるか(夜と兼任か、専任か)
  • 昼の仕込み・提供・片付けを何時から何時までに収めれば夜に支障がないか

私の実証店舗では、夜には使わないカウンター席5席に着目しました。5席しかないからこそ、仕込み量も少なく、2名体制で回せる設計が成り立っています。「小さく始める」ことは妥協ではなく、リスクを絞りながら実績を積む戦略です。

小規模ランチ営業を始めるための6ステップでも触れていますが、最初から満席を狙う必要はありません。3〜5席の稼働から始めて、回転数と客単価を積み上げる方が現実的です。

ステップ2:商品を「家系ラーメン」に絞る理由を理解する

昼のメニューを決めるとき、「何でも作れる」居酒屋厨房の強みが逆に足かせになることがあります。定食・丼・パスタと迷い続けて、結局どれも中途半端になるパターンです。

私が家系ラーメン一本に絞った理由はシンプルです。客単価・回転率・オペレーションの単純さのバランスが取りやすいから。家系ラーメンは客単価900〜1,000円前後が自然に成立し、提供スピードを出しやすく、メニューの品数を絞っても満足度を維持しやすい。

「ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的です」というのが私の一貫した考え方で、逆に言えば、利益を生む構造に合っているからラーメンを選んでいます。

ただし、ここで一つ注意点があります。家系ラーメンは「本物かどうか」をお客様が感じ取ります。実際に当店のお客様から「間違いなく正統派の家系ラーメン」という声をいただいていますが、これはスープだけで成り立っているわけではありません。タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供の仕方——この全体のバランスが「本格的」という評価につながっています。

「間違いなく正統派の家系ラーメン」

実証店舗ご来店のお客様

一つひとつのパーツを個別に調達・調整する必要があるため、「スープを仕入れればあとは何とかなる」という発想は早い段階で捨てておいた方が、後の修正が少なくて済みます。

✓ ここまでのポイント

  • 最初のステップは「使える昼の資産(席・人・時間)を棚卸しすること」。ラーメンのレシピより先に確認する。
  • メニューを絞ることは弱点ではなく、オペレーションを安定させる設計判断。
  • 家系ラーメンの「本格感」はスープ単体ではなく、全体バランスで決まる。

スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューをそれぞれ選定し、全体のバランスを整える——ここが「分かった気はするが、実際にどう動けばいいか」が一番詰まるポイントです。仕入れ先の選び方やレシピの設計方法は、説明会で具体的にお伝えしています。お店の状況に合わせた相談も受け付けています。

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ステップ3:スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューをそれぞれ選定する

商品設計のフェーズです。ここが最も時間をかけるべき部分であり、同時に最もつまずきやすいポイントです。

多くの居酒屋経営者が「ラーメンを始めたいが、レシピや仕入れ先が分からない」という壁にぶつかります。業務用スープの問屋を探しても、どのスープを選べばいいか判断基準がない。麺のサプライヤーに問い合わせても、太さや加水率の選び方が分からない。

私自身、横浜の吉村家をはじめ多くの家系ラーメン店を食べ歩きながら、「昼だけの短い営業で、店炊きに依存せずに本格的な一杯を出せるか」を長期間かけて研究しました。調理師として17年の現場経験がある私でも、答えが出るまでに相当の時間と試行錯誤が必要でした。

選定のポイントを大まかに整理すると次の通りです。

  • スープ:業務用を活用する場合、複数の銘柄を実際に調理して比較する。味の濃度・塩分・脂分のバランスを確認する
  • タレ:醤油ダレの配合が全体の印象を大きく左右する。市販品と自家調整の組み合わせを検討する
  • 鶏油:香りと後味を決める重要な要素。スープとの相性が問われる
  • :家系は太麺が基本。地元の製麺所または通販対応の製麺所と取引先を確保する
  • チャーシュー:お客様の声に「チャーシューが本当に美味しい」という評価が何度も上がっている。肩ロースか豚バラか、巻き方・タレの配合・加熱方法まで含めて設計する

それぞれを個別に決め、全体として一杯の中でまとまるかを確認する作業が必要です。「スープは決まったが、タレと合わせると塩辛すぎる」といった修正が何度か発生するのは普通のプロセスです。

ステップ4:少人数でのオペレーションを設計する

商品が決まったら、次は「それを誰がどう提供するか」の設計です。居酒屋の昼営業が続かない理由の一つは、夜の人員構成のまま昼を回そうとすること。昼に必要な人員は夜より少なくていい、というより少なくないと利益が出ません。

当店の実証では基本2名体制でオペレーションを組んでいます。一人がスープの温め・麺の茹で・仕上げを担当し、もう一人がホール兼補助。5席という規模だからこそ、この体制が成立しています。

飲食店にラーメンを初めて導入するときの流れでも整理していますが、オペレーションは「できるだけ動作を減らす」ことが重要です。盛り付けの順番を固定する、トッピングの位置を決める、麺の茹で時間に合わせて他の作業を割り付けるといった細かい設計が、提供スピードと品質の安定に直結します。

また、夜の仕込み担当と昼の担当が同一人物の場合は、昼の終了から夜の仕込み開始までに十分な休憩時間が確保できるかを確認してください。「昼営業を始めたことで、夜の質が落ちた」では本末転倒です。

ステップ5:試験営業で実際のお客様に評価してもらう

設計が固まったら、いきなりフル営業ではなく限定的な試験営業から始めることを強くお勧めします。週に数日、あるいは席数を半分に絞って、実際に提供してみる。

良いか悪いかを最終的に判断するのはお客様です。スープのバランスが「理論上は正しい」と思っていても、実際に食べたお客様が「なんか物足りない」と感じることは起こります。試験営業の段階で聞ける生の声は、何よりも価値のある改善データです。

この段階で確認すべきポイント:

  • 提供時間はどれくらいかかっているか(10分以内を目安に)
  • 麺のかたさ・スープの温度はお客様に受け入れられているか
  • ライス・のり・ほうれん草などのサイドのニーズはあるか
  • 価格設定と満足感のバランスは合っているか

当店も現在進行形で営業・改善を繰り返しています。「完成した状態で始める」のではなく、「動かしながら整える」が現実的な進め方です。

ステップ6:集客の仕組みを作り、継続する体制を整える

試験営業で手応えが得られたら、最後のステップは集客と継続の仕組み化です。

昼営業の集客で最も手軽なのは、Googleビジネスプロフィールへの昼営業時間の追記と、実際のラーメン写真の投稿です。「清水駅 ラーメン」「〇〇駅 家系ラーメン」など地域名+業態名で検索されたときに表示されるよう、情報を整えておく。

次に、夜来ているお客様への告知も効果的です。常連さんに「実は昼もラーメンやってますよ」と伝えるだけで、最初の数週間の集客につながります。夜の来店客はすでにあなたの店を信頼しているので、新規顧客より背中の押し方が簡単です。

継続の観点では、月間の数字を記録する習慣が重要です。客数・客単価・食材原価・スタッフ人件費を月ごとに把握し、「昼営業が本当に利益を生んでいるか」を定期的に確認する。感覚ではなく数字で判断することで、改善の方向が見えてきます。

また、飲食店の二毛作を導入するまでの流れでも解説していますが、昼業態は始めたあとの「継続と改善」に力点があります。初月から理想通りの数字が出ることは少ない。3ヶ月・半年単位で見て、改善を積み重ねることで軌道に乗っていきます。

まとめ:居酒屋の昼にラーメンを導入する6ステップ

ここまでの流れをざっと振り返ると、次のようになります。

  1. 使える昼の資産(席・人・時間)を棚卸しする
  2. 商品を「家系ラーメン」に絞り、その理由を理解する
  3. スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシューを個別に選定し、全体のバランスを整える
  4. 少人数で回せるオペレーションを設計する
  5. 試験営業で実際のお客様の評価を取り、改善する
  6. 集客の仕組みを作り、数字を見ながら継続する

新しく物件を借りることなく、今ある店舗の昼の空き時間を使って新しい利益源を作る——この順番で進めることで、リスクを小さく抑えながら動き始められます。5席・3時間という規模でも、実際に利益は生まれます。

「自分の店でも本当に成り立つのか?」という疑問がある方は、まずお電話でご相談ください。お店の状況をお聞きした上で、具体的にお話しできます。

📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)

6つのステップを読んで「流れは分かった、でも自分の店に当てはめたときの具体的な進め方が見えない」と感じているなら、そこが相談の出発点になります。オリジナルプランとブランドプランの違いや、導入にかかる費用感も含めて説明会でお伝えしています。

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