ラーメン店経営で利益を出すには何杯売ればよいですか?

ラーメン導入・開業ノウハウ

先日、焼肉店を経営している方からこんな質問をいただきました。「昼にラーメンを出したいんだけど、何杯売れれば利益になるんですかね?」

一見シンプルな問いですが、実はここに飲食店経営の核心が詰まっています。ラーメン店経営で利益を出すために必要な杯数は、固定費をどれだけ既存の資産で吸収できるかによって大きく変わります。新規出店か既存店での二毛作かで、その答えはまったく異なるのです。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業だけでは利益が残らないと感じている飲食店オーナー
  • ✅ ラーメン営業を始める前に収益の仕組みを理解したい方
  • ✅ 昼間の客席・厨房が空いていてもったいないと思っている経営者
  • ✅ 何杯売れば元が取れるか逆算してから動きたい方
  • ✅ FCではなく自由度の高い方法で新業態を試したい店主
ラーメン店経営で利益を出すには何杯売ればよいですか? | 山道家二毛作モデル

ラーメン1杯の利益はいくらになるのか?

まず基本から整理します。ラーメン1杯の利益は、「売価-原価-その杯数に紐づくコスト」で求められます。たとえば1杯950円で提供する場合、原材料費(食材原価)が30%前後だとすると、1杯あたりの粗利は650〜700円前後。ここから人件費・光熱費・家賃などの固定費を回収していく計算になります。

ただし、これはあくまで「売上ベース」の話。経営者が本当に考えるべきは「追加的な固定費がいくら増えるか」という視点です。

新しくラーメン専門店を出店する場合、物件保証金・内装費・厨房設備・採用コストがすべてゼロからかかります。月の固定費が30万円なら、粗利650円のラーメンで462杯以上を毎月売って、ようやく固定費をカバーできる計算です。そこから人件費の変動分や消耗品を引いていくと、実際に「利益」として残る水準はさらに先になります。

一方、夜営業中心の既存店が昼の遊休時間を使う場合はどうでしょう。家賃はすでに払っています。厨房設備もある。客席も空いている。追加で発生する固定費は、ほぼゼロに近い状態から始められます。この違いが、「何杯売れば利益になるか」という問いへの答えを根本から変えます。

なぜ「杯数を増やす」だけでは利益が出ないのか?

売上が上がっているのに利益が残らない——夜営業中心の飲食店経営者から、こういう声をよく聞きます。原材料費・人件費・光熱費がじわじわ上がり続ける中、客数を増やすことだけを考えていると、いつの間にか追加のコストも一緒に増えてしまうからです。

飲食業の利益構造を整理すると、こうなります。

  • 家賃は売上に関係なく毎月発生する
  • 光熱費の基本料金も営業しない日でも発生する
  • 設備の減価償却は稼働時間に関係なく進む

つまり、「稼働させていない時間にも、コストは発生している」という構造があります。夜だけ営業している店が昼間に何もしていないとき、家賃の半分以上はそのまま「空き時間への支払い」になっています。

この問題を解決するアプローチは2つあります。ひとつは夜の客単価・回転率を上げること。もうひとつは、同じ固定費の上に新しい売上を重ねること。後者のほうが、追加コストを最小限にしながら利益を増やしやすいという点で、小規模飲食店には現実的な選択肢です。

✓ ここまでのポイント

  • ラーメン1杯の利益は売価・原価・固定費の構造によって大きく変わる
  • 新規出店と既存店の二毛作では、「何杯で黒字になるか」がまるで異なる
  • 夜営業の固定費はすでに発生しており、昼の遊休時間を活かすことで追加コストなく利益を積み上げられる

5席・3時間の昼営業で月25万〜33万円の売上は現実的か?

「5席しかなくても、本当に数字になるんですか?」という疑問は当然です。

静岡市清水区のJR清水駅西口から徒歩約1分にある山道家の実証店舗では、カウンター5席・11時〜14時の3時間営業・基本2名という体制で運営しています。客単価は約950円、月間客数は約250〜350名、月商は約25万〜33万円という実績があります。

これは決して「理論値」ではなく、実際の店舗営業を通じて積み上げた数字です。数字は営業日数や季節によって変動しますが、重要なのは「5席・3時間という小規模運営でも、新しい利益源として機能する」という事実です。

では、この月商のうち「利益」はどのくらいになるのか。既存の夜営業店舗が昼に二毛作で導入する場合、追加で発生する主なコストは食材原価と昼営業担当の人件費(またはシフト調整)です。家賃・設備・厨房はすでにある。この構造であれば、新規出店と比べて損益分岐点が格段に低くなります。

月商25万円で食材原価30%・人件費2名分を仮計算しても、固定費の多くを夜営業がすでに吸収しているという前提のもとでは、昼の売上の大半が「追加利益」に近い形で残りやすい構造になっています。「何杯売れば利益になるか」を考えるとき、どの固定費を前提に置くかが答えを決めるのです。

本格的と評価されるラーメンは、設備投資なしで作れるのか?

昼ラーメンを始めようとすると「スープを何時間も炊かないといけないんでしょ?」という懸念が出てきます。夜の仕込みを抱えた店主にとって、それは現実的ではありません。

山道家では、長時間店内で豚骨やガラを炊き続ける方式を採用していません。それでも、実際に来店したお客様からは次のような声をいただいています。

「本格的な家系ラーメン」

実証店舗へのご来店客より

なぜこのような評価を得られるのか。答えはスープ単体ではなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体バランスにあります。ラーメンの満足度は、スープが何時間炊かれたかではなく、完成した一杯が口に入ったときの体験で決まります。

私自身、横浜の吉村家をはじめ多数の家系ラーメン店を食べ歩いてきましたが、「本格的」と感じる一杯の共通点は、各要素が互いを活かし合うバランスにあると感じています。業務用スープを使う場合でも、タレの配合・鶏油の量・麺の選定・チャーシューの製法・丼への注ぎ方まで細かく調整することで、お客様が「本物だ」と感じる一杯は作れます。

これは理論ではなく、清水の実証店舗で改善を重ねながら確認してきたことです。

既存の飲食店が昼ラーメンで利益を出すために何から始めるべきか?

「やってみたいけど、何から手を付ければいいか分からない」という方に向けて、考え方の順番をお伝えします。

まず現状の固定費を把握する
月々の家賃・光熱費の基本料金・設備リース料など、「営業していなくても発生するコスト」を把握します。この金額が昼営業の損益分岐点を決める土台になります。

次に昼の使える席数と時間を確認する
カウンター席が何席空いているか、準備から片付けまで含めて何時間確保できるか。5席・3時間でも収益は生まれます。まず「今あるもので何ができるか」を起点にします。

商品設計とオペレーションを同時に考える
ラーメンのレシピを決めるだけでなく、仕込みに何時間かかるか・夜の準備に影響しないか・誰が何をするかを同時に設計します。商品が良くても、夜営業の仕込みを圧迫する昼営業は長続きしません。

小さく始めて改善する
最初から完璧を目指す必要はありません。まず3席・週3日でも始められるなら始める。実際に営業しながら改善するほうが、準備だけに時間をかけるより早く利益に近づきます。

大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。一律の答えはなく、店舗ごとの最適解があります。

まとめ:「何杯売ればいいか」より「何を前提に売るか」が先

ラーメン経営で利益を出すために必要な杯数は、固定費をどれだけ既存の資産で吸収できるかによって大きく異なります。新規出店であれば損益分岐点は高く、既存の夜営業店が昼に二毛作で始める場合は、追加コストが小さい分だけ利益に転じやすい構造があります。

売上を増やすことだけを考えるのではなく、すでに支払っている家賃・設備・厨房の稼働時間を増やして新しい利益源を作る——この発想の転換が、小規模飲食店にとって現実的な経営改善の一歩になると考えています。

山道家では、こうした考え方をもとに、既存飲食店が昼の遊休時間を使って家系ラーメン営業を始めるための仕組みを提供しています。レシピや仕入先の紹介だけでなく、オペレーション設計・開業研修まで含めた形でサポートしていますので、「うちの店でできるのか知りたい」という段階からでもお気軽にご相談ください。

まずは詳細をご覧いただくか、お電話でお問い合わせいただければと思います。
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