炭火を準備する開店前の様子に密着してみました

梅雨が明けたと思ったら、今年もあっという間に夏の熱気が清水の街に漂いはじめました。清水駅西口を出て真砂町の路地をちょっと歩くと、夕方前からじんわりと炭の香りが漂ってくるこの季節。「あ、今日も始まったな」と、なんとなく気持ちが切り替わる瞬間があります。

今回は、そんな開店前の時間帯に密着してみました。主役は店主の鈴木諭。毎日17時30分の開店に向けて、実は午後から黙々と準備を積み重ねています。料理を提供する前の「ここ」にこそ、侍ホルモンの味の土台があると鈴木は言います。表からは見えない開店前のルーティン、のぞいていきましょう。

こんな方におすすめ

  • ✅ 侍ホルモンの雰囲気や日常を知りたい方
  • ✅ 炭火焼きへのこだわりが気になる方
  • ✅ 清水駅周辺でホルモン専門店を探している方
  • ✅ 初めてご来店を検討していて、どんなお店か確認したい方
  • ✅ 個人店のお仕事ぶりに興味がある方
炭火を準備する開店前の様子に密着してみました | 侍ホルモン 清水駅前店

午後3時。まず鈴木が向かうのは、炭の確認から

開店時間より4時間以上前。鈴木が店に入ってまず確認するのは、その日使う炭の状態です。

「炭は生き物みたいなもので、同じメーカーのものでも保管状態や季節によって火のつき方が変わります。だから毎日ちょっと手に取って確認しています」

侍ホルモンで使っているのは、卓上七輪に合わせた備長炭系の炭。ホルモンを炭火で焼く際に大切なのは、均一に熱が入ること。火力が偏ると焼きムラが生まれ、脂の甘みや食感が変わってしまいます。お客様が「自分で焼く」楽しさを存分に味わえるよう、炭の準備には毎日時間をかけています。

「最初から炭が安定していないと、お客様が焼きはじめたとき困る。特にホルモン初心者の方は焼き加減に不安があるから、七輪のコンディションだけはいつも整えておきたい」と鈴木。ここでの一手間が、テーブルを囲む時間の快適さに直結しています。

午後4時。ホルモンの下処理と仕込みが本格スタート

炭の確認を終えると、次はホルモンの仕込みへ。部位ごとに下処理の仕方は異なり、それぞれに適した手順があります。

ホルモンというと「臭い」というイメージを持っている方がいますが、それは鮮度や下処理の問題であることがほとんどです。鈴木が18年の経験の中で大切にしてきたのも、まさにここ。「余分なものをしっかり取り除いて、素材が持つ本来の旨味を引き出す」という工程を、毎日丁寧に繰り返しています。

「ホルモンって、食べてみたら案外好きになる方が多いんです。でも最初の印象で嫌いになってしまうのはもったいない。下処理をきちんとすることが、その方のホルモン観を変えるかもしれないと思っています」

この時間帯は、牛骨塩もつ鍋のスープの仕上げも並行して行います。牛骨をじっくり炊き上げたスープは前日から仕込んでいますが、当日の味の調整は開店前に行います。一年を通じてご注文いただく名物鍋ですが、スープの仕上げに手を抜いたことはないと言います。

✓ ここまでのポイント

  • 炭は毎日状態を確認し、七輪のコンディションを整えてからお客様を迎えている
  • ホルモンの下処理は、素材の旨味を引き出すために経験を積んだ手順で毎日丁寧に行っている
  • 牛骨塩もつ鍋のスープも、開店前に必ず最終調整を行っている

午後5時。七輪のセッティングと、テーブルの整え

仕込みが一段落すると、いよいよ七輪のセッティングへ。各テーブルに卓上七輪を設置し、炭を入れて火をおこす準備を整えます。

七輪は、ただテーブルに置けばよいというものではありません。炭の量のバランス、七輪の向き、お客様が焼きやすい位置。細かいことのように聞こえますが、テーブルを囲む4人がそれぞれ肉を焼ける状態を作るためには、置き方一つで変わります。

「七輪を囲む時間って、ただ食事をする以上の意味があると思っていて。みんなで火を見ながら話して、焼きながら笑って、気づいたら仕事の疲れが取れてた、みたいな。そういう時間を作りたいから、場所づくりにも気を配っています」

掘りごたつの座敷席(最大27名収容)やテーブル席、半個室など、清水駅前店にはさまざまな席形態があります。その日の予約状況を確認しながら、どのテーブルにどの七輪を用意するかも、この時間帯に判断しています。

「七輪で焼くホルモンが、想像以上に美味しかったです。炭火の香りが食欲を刺激して、自分で焼く楽しさもありました」

40代・男性

午後5時20分。開店10分前の最終チェック

セッティングが終わると、鈴木は店内を一通り歩いて確認します。七輪の位置、ドリンクメニューの補充、スタッフへの当日の共有事項。この10分間は、わりと静かな時間です。

「開店直前ってちょっと緊張しますよ、今でも。17年経っても、最初のお客様がいらっしゃる前はスイッチが入る感じがあります」

この時間、鈴木がもう一つ確認しているのが「その日のおすすめ」の整理。初めてご来店される方やホルモンに慣れていない方に、どの部位から案内するか。ホルモンミックスボウルをまず試していただくのか、今日の状態が特によい部位を先に勧めるのか。スタッフとも軽く共有しておくのが、開店前の小さな習慣です。

「部位が多いからこそ、案内する順番が大事。最初に何を食べたかで、ホルモンへの印象が全然変わります」

「初めてでも安心して注文できました。スタッフの方が部位の説明をしてくれて、どれから食べるか教えてもらえたのでよかったです」

30代・女性

17時30分。開店。今日も一日が始まります

店の入口を開け、看板に明かりが入る。これが鈴木の一日の中で、いちばん気持ちが整う瞬間だと言います。

清水駅西口から徒歩約1分という立地もあって、仕事を終えた会社員の方が真っすぐ立ち寄ってくださることも多い。「今日も一日お疲れさまでした」という気持ちは、毎回本当にそう思っています、と鈴木は話します。

炭火の準備、ホルモンの仕込み、七輪のセッティング。これらは表からは見えない作業ですが、夕方のテーブルで「美味しい」と感じていただける時間のために積み重ねてきた日課です。2009年の創業から17年間、この流れを変えずに続けてきました。

まとめ:見えないところで積み重ねる、毎日のこと

「炭火を準備する」というのは、ただ火をつける作業ではありませんでした。素材の状態を確認し、七輪の置き方を整え、初めてご来店される方が安心して楽しめる状態を作る。その連なりが、侍ホルモンの開店前の時間です。

仕込みの細かさやスタッフへの共有、テーブルの整え方。どれも来てくださるお客様との時間を、少しでも気持ちよくするための積み重ねです。鈴木がよく言う「ホルモンの楽しさを伝えること」は、テーブルに着いた瞬間だけでなく、開店前のこの時間からすでに始まっています。

清水駅から歩いて1分。今日の夕方、七輪を囲んでみませんか。初めての方も、久しぶりの方も、いつでもお気軽にどうぞ。ご来店をお待ちしております。

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