「新しいことをやりたいけど、今のスタッフだけでは手が回らない」「採用する余裕もないし、ラーメンなんて自分たちで始められるのか……」——こういった声を、夜営業中心の飲食店経営者からよく聞きます。
人手不足と人件費の高騰が続くいま、新業態を始めるときにまず頭をよぎるのは「何人必要なのか」という問題です。メニューが多ければ仕込みが増え、仕込みが増えれば人が要る。この当たり前の連鎖を崩さない限り、少人数での昼ラーメン営業は夢物語で終わってしまいます。
ただ、崩す方法はあります。「商品数を絞る」「オペレーションをシンプルに設計する」——この2点を徹底すると、既存のスタッフ2名で回せるラーメン営業は現実になります。この記事では、その具体的な手順をステップごとに整理します。
こんな方におすすめ
- ✅ 今いるスタッフだけで昼のラーメン営業を始めたい方
- ✅ 新業態を試したいが、採用コストをかけられない方
- ✅ メニューを何品用意すればいいか分からない方
- ✅ 仕込みを夜営業の妨げにしたくない方
- ✅ 少人数運営の実例を知ってから判断したい方

「スタッフが足りない」のは、メニューが多すぎるからかもしれない
ラーメン営業を始めようとした経営者が最初にやりがちなのが、「せっかくならメニューを充実させよう」という発想です。醤油・塩・味噌を揃えて、サイドメニューも数品……。気持ちは分かりますが、これが少人数運営の最大の落とし穴です。
メニューが増えると仕込みの種類が増え、ピーク時の動線が複雑になります。2名で回せていたものが、3品・4品と増えるうちに「やっぱりもう1人必要」という状況に変わっていく。そうなると、昼営業の利益は人件費に消えてしまいます。
逆の発想をするべきです。昼のラーメン営業は「何を提供するか」より「何を削るか」で決まります。家系ラーメンであれば、ラーメン・半ライス・トッピング数品という構成で十分に勝負できます。スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー——この5要素の品質を丁寧に設計することで、品数が少なくても「本格的な家系ラーメン」という評価につながります。実際に山道家(静岡市清水区)では、シンプルな構成のまま、お客様から「本格的な家系ラーメン」という言葉をいただいています。
品数を絞ることは、手抜きではありません。少ない人員で再現性高く提供するための、正しい設計判断です。
2名で回すための「動線設計」の考え方
メニューを絞ったら、次はポジション設計です。2名でラーメン営業を回すとき、1人が厨房・1人がホールという分け方が基本になります。ただし、5席前後の小規模な店舗であれば、ホール担当も配膳と会計をセットでこなしながら補助に入れる距離感で動けます。
ポイントは「待機の発生を最小化する」ことです。ラーメンは出来上がりが速い分、タイミングがずれると麺が伸びてしまう。だからこそ、オーダーを受ける→スープを温める→麺を茹でる→トッピングを乗せる→提供する、という一連の動きを事前に手順として固めておく必要があります。
もう一つ大切なのが「仕込みの量」を適切に設定することです。11時〜14時の3時間で何杯出せるかを実績から逆算し、仕込みオーバーによるロスを防ぎます。5席から始めるランチ営業の具体的な仕込み量と運営の考え方についても参考になります。
仕込みは「夜営業が始まる前に終わらせる」のが鉄則です。昼の仕込みが夜の準備に食い込むと、スタッフの疲弊につながり、継続が難しくなります。昼だけで完結する仕込み量と手順を設計することが、長く続けるための基本です。
✓ ここまでのポイント
- メニューを絞ることが、少人数運営の出発点。品数より品質の設計に集中する。
- 2名で回すには「厨房・ホールの動線」と「仕込み量の適正化」が鍵になる。
- 昼の仕込みを夜営業に影響させないことが、継続運営の前提条件。
「メニューを絞る」「動線を固める」と書いても、実際に何をどう揃えれば2名で回せるのか、手順が見えないまま止まっている方は多いはずです。山道家モデルの説明ページでは、レシピ・仕入先紹介・オペレーション設計・開業研修まで、導入に必要な内容をまとめて確認できます。
「本格的な家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
スープの「炊かない設計」が少人数営業を支える
ラーメン営業を始めようとしたとき、「スープを長時間炊かなければいけないのでは」と心配する方は少なくありません。確かに、豚骨やガラを何時間も炊き続けるのが一般的なラーメン店のイメージです。しかし、それを昼だけの営業でやろうとすると、早朝から厨房に立つことになり、人件費と体力の両方が消耗します。
山道家モデルでは、店内で長時間スープを炊くことを前提としていません。業務用スープを活用しながら、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を調整することで、「本格的」と感じてもらえる一杯を設計しています。「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」「間違いなく正統派の家系ラーメン」——こういった評価は、店炊きかどうかより、全体のバランスをどう整えるかにかかっています。
これは手を抜いているのではなく、限られたリソースの中で「完成した一杯の満足度」を最優先にした結果です。スープを炊くことが目的ではなく、お客様に満足してもらうことが目的。この順番を間違えないことが、少人数営業を成立させる考え方の核にあります。
飲食店がラーメンを導入する際に知っておきたい基本的な考え方も合わせて読むと、スープ設計の選択肢についてより具体的に整理できます。
昼営業を「実験」として小さく始める手順
いきなり本格的に動かそうとすると、準備に時間がかかりすぎて、始まる前に疲れてしまいます。まずは「小さく始めて、改善する」という順番で動くことをすすめています。
ステップ1:提供メニューを1〜2品に絞る
最初からトッピングを豊富にする必要はありません。ラーメン・ライスのシンプルな構成から始め、オペレーションを安定させることを最優先にします。
ステップ2:仕込み手順を「紙」に落とす
頭の中にあるだけでは、2人目のスタッフが動けません。スープの温め方・麺の茹で時間・盛り付け順——これらを手順書として残すことで、属人化を防ぎます。
ステップ3:試験営業で数字を確認する
週に何日か昼営業を試し、客数・売上・仕込みの過不足を記録します。「5席・3時間・基本2名」の形でも、月間250〜350名のお客様が来られれば月商25万〜33万円という実績があります。最初から完璧を目指さず、数字を見ながら調整する姿勢が大切です。
ステップ4:夜営業との棲み分けを確認する
昼の仕込みが夜のホルモン・焼肉の準備とどう重なるかを確認し、スタッフの動きを最適化します。飲食店がランチ営業を追加するときの流れでも、この棲み分けの考え方を整理しています。
まとめ:少人数でも、始められる形がある
スタッフが少ないことは、昼のラーメン営業を諦める理由にはなりません。むしろ、「少人数で回せる形を先に設計する」という制約が、無駄のない営業をつくります。
メニューを絞る、動線を固める、仕込みを夜に影響させない——この3点を押さえることで、今いるスタッフで昼営業を回せる可能性は十分にあります。新しく採用する前に、今ある店舗・厨房・スタッフで何ができるかを考える。それが「新しく作るのではなく、今ある店舗を活かす」という発想の起点です。
ご不明な点があれば、まずはお電話でご相談ください。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)
「昼だけで2名・3時間・5席という規模でも収益は生まれる」——記事を読んで、その感覚が少し掴めてきた方は、次は自分の店に当てはめた場合の具体的な数字と手順を確認してください。説明会への申込みから始められるので、まず話を聞くだけでも構いません。


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