焼鳥店の昼営業を軌道に乗せる6ステップ

ランチ営業・小規模運営

「ランチをやってみたいけど、夜の仕込みが間に合わなくなりそうで踏み出せない。」
「スタッフが昼も夜も続けて働くことになったら、体力的に持たない。」
「片付けと仕込みが重なって、夜の開店時間に間に合わなかったらどうしよう。」

焼鳥店のオーナーさんとお話しすると、こういう声をよく聞きます。昼間の厨房も客席も空いている。でも「始めたら夜に影響が出る」という不安が、最初の一歩を止めてしまっている。

私自身、清水駅前で夜営業の焼肉・ホルモン店を2009年から続けながら、昼の遊休時間に家系ラーメンの営業を始めました。最初から完璧だったわけではなく、片付けが押して夜の仕込みがバタバタした日もありました。その経験から言えるのは、「影響が出るかどうか」ではなく、「動線を整理できているかどうか」だということです。

今回は、焼鳥店が昼営業を軌道に乗せるための6ステップを、夜営業への影響を最小限に抑える視点から具体的に解説します。

こんな方におすすめ

  • ✅ 焼鳥店を夜中心で営んでいて、昼の時間帯が丸ごと空いている方
  • ✅ ランチを始めたいが、夜の仕込みへの影響が心配な方
  • ✅ スタッフを増やさず、今いる人数で昼営業を回したい方
  • ✅ 家賃を日中も活かしたいが、何を提供すべきか決まっていない方
  • ✅ フランチャイズ以外の方法で新しい利益源を作りたい方
焼鳥店の昼営業を軌道に乗せる6ステップ | 山道家二毛作モデル

なぜ「夜への影響が出る」と感じるのか——問題の本質を整理する

多くの焼鳥店が昼営業を躊躇する理由は、実はメニューでも集客でもなく、時間の動線が頭の中で整理されていないことにあります。

「ランチ営業=昼も夜もフル稼働」というイメージが先行してしまい、スタッフの負荷が倍になると感じるわけです。でも実際には、昼営業が終わる時刻と夜の仕込みが本格化する時刻のあいだに、必ずギャップがあります。このギャップを意図的に設計することが、すべての出発点です。

焼鳥店の場合、夜の仕込み(串打ち・タレの確認・炭の準備など)が本格化するのは15時〜16時台が多い。つまり、14時までに昼の片付けを終えられれば、夜への影響はほぼ出ません。問題が起きるのは、この14時という締め切りを意識せずに昼営業をスタートしてしまったときです。

ステップ1〜2:「やれる形」を先に決める

ステップ1|夜の仕込みの「Xデイライン」を確認する

まず、自分の店の夜仕込みが何時から本格化するかを書き出してください。串打ちは何時から?タレの仕込みは?スタッフが出勤するのは何時?この「夜のXデイライン」を把握することが、昼営業の設計の土台になります。

一般的な焼鳥店では、15時〜16時を夜仕込みの開始ラインと設定している店が多いはずです。ならば昼営業のゴールラインは14時30分。そこから逆算して、営業終了・片付け・洗い場・ゴミ処理の所要時間を見積もります。

ステップ2|昼の「席数・営業時間・人数」を絞り込む

多くの経営者が「せっかく昼営業をするなら、客席をフルに使おう」と考えます。でもそれが、夜への影響を生む一番の原因です。小さく始めることが、夜を守ることにもなります。

私が実証している店舗では、カウンター5席・11時〜14時・基本2名という形で昼営業を運営しています。この規模なら、14時の営業終了後に1時間もあれば片付けまで完了できます。焼鳥店でも同じ発想が使えます。今夜に使っていないカウンター席だけに絞るだけで、昼と夜の動線がきれいに分かれます。

焼鳥店ランチを始める前に押さえたい5つのポイントでも触れていますが、席数を絞ることは「妥協」ではなく、持続可能な運営のための「設計」です。

ステップ3〜4:時間割と仕込み分離を決める

ステップ3|昼の「時間割」を1枚の紙に書く

頭の中で「なんとなくできそう」のままにしないことが大切です。以下のような時間割を実際に紙に書いて、スタッフと共有してください。

  • 10:00〜10:45|昼仕込み・開店準備(チャーシューやサイドメニューの仕上げ、卓上セッティングなど)
  • 11:00〜14:00|昼営業
  • 14:00〜14:45|片付け・洗い場・ゴミ出し
  • 14:45〜15:00|休憩・切り替え
  • 15:00〜|夜仕込み開始

この時間割で鍵になるのは、昼営業の「準備開始が10時」であること。夜からの流れで「朝ゆっくり来てからランチの仕込みをする」では、11時開店に間に合わなくなります。準備の開始時刻を固定することで、スタッフの動きも安定します。

ステップ4|昼の仕込みと夜の仕込みを「物理的に分ける」

昼と夜で仕込みが混在すると、「どれが昼用でどれが夜用か」の確認に時間がかかります。焼鳥店なら特に、タレや食材の管理が重なりがちです。

シンプルな解決策は、昼用の食材・容器・調味料をあらかじめ専用のトレーや棚に分けておくことです。「昼のもの」がどこにあるか一目でわかる状態にするだけで、仕込みのスピードと正確さが上がります。こういった小さな仕組みが、夜への「余波」を防ぎます。

✓ ここまでのポイント

  • 夜への影響を防ぐには、「夜仕込みが始まる時刻」を先に確認してから逆算で昼の設計をすること
  • 席数・営業時間・人数を絞り込むことが、昼と夜の動線を分ける最短ルート
  • 昼の仕込みと夜の仕込みを物理的に分けておくと、混乱と時間ロスが大幅に減る

「時間割は頭では分かった。でも自分の店の夜仕込みのタイミングや席数に当てはめると、どう組めばいいか分からない」——そこが一番詰まる部分です。山道家モデルの説明会では、店舗ごとのオペレーション設計の考え方と、導入の流れを具体的に確認できます。事前に何かを準備する必要はありません。

焼鳥店の昼営業オペレーション設計について説明会で確認する

ステップ5:メニューを「夜の仕込みを増やさない」基準で選ぶ

焼鳥店がランチに提供するメニューを考えるとき、つい「焼鳥定食」「親子丼」など、夜の食材と連動させようとします。連動自体は悪くないのですが、「夜の仕込み量が増えないか」「昼専用の管理が発生しないか」を必ず確認してください。

昼営業で夜仕込みに影響が出る典型的なパターンは、昼の売れ行きによって夜の食材残量が読めなくなることです。たとえば昼に鶏もも肉を使う量が日によってばらつくと、夜の串打ちの本数計画が立てにくくなります。

解決策は、昼専用の仕入れルートを持つか、夜と完全に切り離した食材を使うメニューを選ぶことです。家系ラーメンのようにスープ・麺・チャーシューが夜の焼鳥食材と重ならない業態は、この「仕込みの干渉」が起きにくいという理由からも、夜営業の焼鳥店との相性がよいと感じています。

「本格的な家系ラーメン。真面目に家系をやっていると思わせる一杯だった。」

実証店舗ご来店のお客様

実証店舗でこうした評価をいただけているのは、長時間スープを炊いているからではありません。スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体のバランスを設計した結果です。昼メニューの完成度は、手間の量ではなく設計の精度で決まります。

ステップ6:最初の1ヶ月を「検証期間」と決めて運営する

ここまでの5ステップを整えたら、いよいよ営業を始めます。ただし、最初の1ヶ月は「完成形を目指す」のではなく、「仮説を検証する期間」と割り切ることが重要です。

具体的には、以下の3点を毎日記録してください。

  1. 片付けが何時に完了したか——14時30分を超えた日は何が原因だったか
  2. 昼の仕込みが夜仕込みのどこかに影響したか——影響が出た場合、どの手順を変えれば防げたか
  3. 客数と売上の傾向——曜日・天候による変動はどのくらいあるか

私たちの実証店舗では、カウンター5席・3時間という小規模営業で月間250〜350名のお客様にお越しいただき、月商25万〜33万円という結果を出しています。「数字は営業日数や季節によって変動します。実績の中心的な意味は、5席・3時間という小規模営業でも収益を生み出せることです」——これは、規模を抑えることへの言い訳ではなく、その設計が機能することを示すものです。

あなたの焼鳥店が最初から同じ数字を出す必要はありません。大切なのは、夜に影響を出さない形で昼営業を継続し、改善を重ねていくことです。はじめての飲食店二毛作・導入までの8ステップも合わせて読むと、全体の流れがよりイメージしやすくなります。

まとめ:夜を守りながら昼を育てる

今回解説した6ステップを振り返ります。

  1. 夜仕込みの「Xデイライン」を確認する
  2. 席数・営業時間・人数を絞り込む
  3. 昼の時間割を1枚の紙に書く
  4. 昼の仕込みと夜の仕込みを物理的に分ける
  5. 夜の仕込みを増やさないメニューを選ぶ
  6. 最初の1ヶ月を検証期間と決めて運営する

昼営業が夜に影響するかどうかは、やってみるまで分からない——ではなく、設計次第でコントロールできる問題です。動線が整っていれば、夜の仕込みの質を落とさずに昼の収益を積み上げることができます。

焼鳥店の昼間の厨房と客席は、今この瞬間もコストだけを生んでいます。「新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす」——その視点で一歩踏み出してみてください。

個別のご相談は電話でも承っています。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル)

6ステップを整理しても、「自分の店の夜仕込みの時間と、昼の動線がうまく噛み合うか」は、実際の店舗の状況を見ないと判断しにくいところです。山道家モデルの詳細ページでは、実証店舗の運営実績と、導入相談・オペレーション設計のサポート内容を確認できます。まず情報を揃えるところから始めてください。

山道家モデルの実績とオペレーション設計サポートの詳細を見る

コメント