飲食店の家賃を回収するには、昼営業が有効でしょうか?

二毛作・店舗活用

6月に入り、電気代の請求書を見てため息をついた経営者の方、いらっしゃいませんか。夏に向けて光熱費が上がり始めるこの時期、「家賃・光熱費・仕込みコストを夜の売上だけで回していること」への不安が、ふと頭をよぎる季節でもあります。

昼営業を始めれば家賃の回収効率は上がる。頭では分かっている。でも「昼に何かやると、夜の仕込みが回らなくなるんじゃないか」という不安がブレーキをかけている——そういう経営者の方が、実はとても多いんです。今回は、その疑問に正面からお答えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業だけで家賃・固定費を賄うことに限界を感じている方
  • ✅ 昼営業を始めたいが、夜の仕込みへの影響が心配な方
  • ✅ 昼間の厨房・客席・カウンター席が空いていてもったいないと感じている方
  • ✅ 少人数・短時間で運営できる昼業態を探している方
  • ✅ フランチャイズ以外の方法で新しい収益源を作りたい方
飲食店の家賃を回収するには、昼営業が有効でしょうか? | 山道家二毛作モデル

昼営業は家賃の回収に有効でしょうか?

結論からいえば、「動線を正しく設計すれば、有効です」。ただし「始めること」が目的ではなく、「夜営業に影響させずに始めること」が条件になります。

考えてみてください。夜だけ営業している店舗は、家賃を100%払いながら、厨房も客席も昼間は完全に止まっています。11時〜14時の3時間、カウンター5席でも使えたとすれば、その時間帯の分だけ固定費の回収に貢献します。「新しく店を作るのではなく、今ある店舗を活かす」という考え方が、ここでは非常に有効に機能します。

私自身、清水駅前で焼肉・ホルモン店「侍ホルモン」を2009年から経営してきました。夜は元々使っていなかったカウンター席を活用し、昼だけ家系ラーメン「山道家」を始めたのも、全く同じ発想からです。新しいものを作ったのではなく、今あるものの稼働時間を増やした、それだけのことです。

昼営業が夜に影響してしまうのはなぜでしょうか?

昼営業を始めたのに夜の仕込みが崩れてしまうケースには、だいたい共通したパターンがあります。「動線が整理されないまま、とりあえず始めてしまう」ことです。

具体的に言うと——

  • 昼営業の片付けが終わらないまま夜の準備が始まる
  • 昼で疲弊したスタッフが夜に回れない
  • 食材・調理器具の使い分けが決まっていない
  • 昼のゴミ・洗い物・油汚れが夜の仕込みスペースに残る

これらは昼営業そのものの問題ではなく、準備・営業・終了・夜仕込みの流れが設計されていないことから生じています。つまり、設計次第で避けられることでもあります。

私が山道家の実証店舗を立ち上げたとき、最初に考えたのは「何を売るか」より「どう動けば夜に支障がないか」でした。夜の焼肉営業を守りながら昼を回すために、時間の流れを何度も書き出して、現場で試しました。

✓ ここまでのポイント

  • 昼営業は固定費回収に有効だが、「夜への影響をゼロにする設計」が前提になる
  • 昼営業が夜に影響するのは、準備・片付け・仕込みの動線が整理されていないことが原因

夜営業に影響させないための時間の流れはどう組めばよいでしょうか?

実際に山道家で実証している基本の流れを、具体的にお見せします。

10:00 / 昼営業の準備開始
スープの温め・タレの確認・麺の計量・チャーシューのスライスなど、昼営業に必要な作業だけを行います。夜の仕込みにはまだ手をつけません。使う道具・食材のゾーンを物理的に分けておくことで、混在を防ぎます。

11:00〜14:00 / 昼営業(3時間)
基本2名で運営。山道家の実証店舗はカウンター5席のみ。席数が少ないからこそ、厨房の動きも単純に保てます。メニューを絞ることで、スタッフが覚える手順も少なくて済みます。

14:00〜15:30 / 昼営業の片付け・清掃
ここが一番大事です。洗い物・ゴミ処理・調理スペースの清掃を昼のうちに完結させる。夜の仕込みスペースに昼の痕跡を残さない。この1時間〜1時間半が、夜営業を守る緩衝地帯になります。

15:30以降 / 夜営業の仕込みへ移行
昼の作業が終わったスタッフが、そのまま夜の仕込みに入れる状態になっています。体力的な負担を減らすため、昼の作業量は「2名で無理なく回せる量」を超えないよう設計することがポイントです。

この流れは一つの例であって、すべての店舗に同じ形が当てはまるわけではありません。店舗の厨房の広さ・スタッフの人数・夜の仕込み開始時間によって、最適な流れは変わります。山道家モデルでは、導入の際に店舗ごとの動線を個別に整理することを大切にしています。

昼のメニューは何を選ぶと夜への影響が少ないでしょうか?

夜営業の仕込みに影響させないためには、昼メニューの選び方も重要です。具体的には、次の条件を満たすものが向いています。

  • 仕込みに長時間を要しないもの
  • 夜の食材と重複しないもの(または計画的に共有できるもの)
  • 少人数で提供できるもの
  • メニュー数が少なくまとめられるもの

山道家が家系ラーメンを選んだ理由の一つが、ここにあります。長時間スープを炊き続けることが難しい昼営業という条件の中でも、スープだけに頼らず、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を丁寧に調整することで、商品としての満足感を作ることができます。

「間違いなく正統派の家系ラーメン」

実証店舗ご来店のお客様

この声は、昼だけ3時間・カウンター5席の実証店舗に来てくださったお客様からいただいたものです。長時間スープを炊かなくても、全体のバランスを丁寧に設計すれば、お客様にはちゃんと届くんだと実感しました。良い評価をくださるのはいつもお客様で、そのお客様の声が、今の仕組みの根拠になっています。

夜営業が焼肉・ホルモン・居酒屋・焼鳥といった業態であれば、昼に家系ラーメンを持ってきても食材の重複が少なく、動線の干渉もほぼ生じません。組み合わせとしての相性もいい。

実際に5席・3時間で収益は出るのでしょうか?

山道家の実証店舗の数字をそのままお伝えします。

  • 席数:カウンター5席
  • 営業時間:11:00〜14:00(3時間)
  • 客単価:約950円
  • 月間客数:約250〜350名
  • 月商:約25万〜33万円
  • 基本運営人数:2名

数字は営業日数や季節によって変動します。ここで伝えたいのは保証ではなく、5席・3時間という小さな営業でも、設計次第で収益源になり得るという事実です。

月に25万〜33万円の売上があれば、家賃の一部〜全額を昼営業で賄えるケースも出てきます。「昼を始めて夜の利益を守る」ではなく、「昼を始めることで固定費の回収構造そのものを変える」という発想です。売上を増やすことより、利益の出口を増やすことが目的だと考えています。

まとめ:昼営業は「設計」次第で夜への影響を最小化できます

飲食店の家賃回収に昼営業は有効か、という問いへの答えをまとめると——有効です。ただし条件があります。「夜への影響を前提として設計する」こと。これができれば、今ある店舗を活かして新しい利益源を作ることは、現実的な選択肢になります。

時間の流れを整え、動線を分け、メニューを絞る。その上で、昼だけでも収益が生まれる仕組みを作る。大切なのは、あなたのお店の現状に合った方法を選ぶことです。

山道家モデルでは、レシピや仕入先の提供だけでなく、店舗ごとのオペレーション設計まで一緒に考えます。「自分の店でこれが使えるか」が分からないまま動くのは不安だと思うので、まずは相談だけでも構いません。

詳しい内容や説明会のご案内は、以下からご確認ください。お気軽にお問い合わせいただければと思います。

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