飲食店の固定費は、営業時間を増やせば回収しやすくなりますか?

二毛作・店舗活用

「夜だけ営業しているのに、家賃は一日分まるごと払っている」——そう感じたことがある飲食店オーナーは、決して少なくないと思います。固定費の回収効率を上げるには、同じ店舗を使える時間を増やすことが一番シンプルな答えです。ただし、「営業時間を増やせばいい」という話は頭では分かっていても、「何をどうやって始めるか」が具体的に見えていない方がほとんどです。この記事では、静岡市清水区で夜の焼肉・ホルモン店を経営しながら昼にラーメン営業を加えた私自身の経験をもとに、固定費と営業時間の関係を現場目線で整理してみます。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業だけで固定費の重さを感じている居酒屋・焼肉店・酒場の経営者
  • ✅ 昼間の客席や厨房が使われていない状況を何とかしたい方
  • ✅ 新しく店舗を借りずに収益源を増やしたいと考えている方
  • ✅ 営業時間を増やすメリットとリスクを整理したい方
  • ✅ 小規模・少人数から二毛作を始められるか知りたい方
飲食店の固定費は、営業時間を増やせば回収しやすくなりますか? | 山道家二毛作モデル

固定費と営業時間の関係とは?

家賃・光熱費の基本料・リース料・保険料といった固定費は、お店が開いていても閉まっていても発生します。たとえば月20万円の固定費がかかる店舗が夜だけ(17時〜23時の6時間)しか営業していないとすれば、1日24時間のうち使っているのは6時間。残り18時間は費用だけ発生して、売上はゼロです。

ここに昼の3時間を加えるだけで、稼働時間は6時間から9時間へと1.5倍になります。固定費の総額は変わらなくても、売上を生み出す時間が増えれば、1時間あたりの固定費負担は自然に薄まります。これが「営業時間を増やすと固定費を回収しやすくなる」という理屈の本質です。難しい経営理論ではなく、当たり前の算数の話です。

昼間の遊休時間が「コスト」に変わるのはなぜですか?

夜営業中心の飲食店が昼間に何もしていない場合、その時間は「ゼロ」ではなく「マイナス」に近い状態です。家賃は発生している、冷蔵庫や空調の電気代も動いている、にもかかわらず売上はない。昼間の時間が長くなるほど、月末に残る利益は削られていきます。

私がちょうどそれを実感したのは、夜の焼肉・ホルモン営業を続けながら「昼間のカウンター席がただの物置になっている」と気づいたときでした。夜は満席になるカウンターも、昼の12時には誰も座っていない。家賃を払い続けながら、その席は何も生んでいない。この「遊休状態」こそが、固定費回収を遠ざける原因の一つです。

昼の時間に何かを始めることへの抵抗感は理解できます。仕込みが増える、スタッフが足りない、何を売ればいいか分からない——そういった不安は実際にあります。ただ、遊休時間が続く限り、固定費に対する売上の比率は改善しません。

✓ ここまでのポイント

  • 固定費は営業の有無に関わらず発生するため、稼働時間を増やすほど1時間あたりの負担は下がる
  • 夜しか営業していない店舗の昼間は「ゼロ」ではなく「コストだけかかっている時間」と捉えるべき
  • 昼の遊休時間・遊休席を別業態で動かすことが、固定費回収の現実的な一手になる

昼営業を「何時間から」始めれば現実的ですか?

よく聞かれるのが「何時間くらい昼営業すればいいですか?」という質問です。長く開ければ開けるほど売上は増えそうに思えますが、夜営業の仕込みや店主・スタッフの体力を考えると、無制限に伸ばすわけにはいきません。

私自身の実証店舗では、11:00〜14:00の3時間で昼営業を設定しています。この時間帯を選んだのには理由があります。11時開店であれば、10時から仕込みを始めても夜営業との間に十分な準備時間が確保できる。14時閉店であれば、14時半〜15時には後片付けが終わり、夜の仕込みに集中できる。スタッフも同じ流れの中で動けるため、採用コストを増やさずに運営が成立しやすいのです。

この「3時間」という設定は、夜営業に負担をかけないためのギリギリのラインでもあり、昼食需要が集中するコアタイムを外さないための設計でもあります。大切なのは、「できるだけ長く開ける」ではなく「夜に影響が出ない範囲で、需要がある時間に開ける」という考え方です。

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

実証店舗へのご来店客より

この声は、カウンター5席・営業時間11:00〜14:00という小規模営業の中でいただいたものです。席数や営業時間が少なくても、商品の中身をきちんと整えれば、お客様には「本格的」と感じてもらえる。これは規模の問題ではなく、設計の問題だと考えています。

夜営業の店舗に昼の業態を加えるとき、何を決めれば動き出せますか?

「理屈は分かった。でも具体的に何から手をつければいいのか」——この部分が一番詰まりやすいポイントです。整理すると、昼営業を動かすために決めるべきことは大きく4つあります。

①何を売るか(商品):夜の業態とまったく違うものを一から作る必要はありません。夜の厨房設備・動線を活かせるものを選ぶと、初期投資が抑えられます。ラーメンが有力な選択肢になりやすいのは、客単価・回転率・仕込みの分量を調整しやすいためです。

②何席から始めるか(規模):全席を昼に使う必要はありません。私の場合はカウンター5席だけで始めました。5席でも、月間250〜350名のお客様に来ていただければ、月商25万〜33万円程度の売上になります(客単価約950円・営業日数や季節によって変動します)。「5席だけでも収益は生まれます」——これは実際に続けてきた営業の中で確認してきた事実です。

③何人で回すか(人員):基本は2名で運営しています。メニューを絞り込み、提供の流れをシンプルにすることで、多くの人手を必要としない設計が可能です。

④夜との時間の区切りをどう作るか(スケジュール):10時に準備開始、11時開店、14時閉店、14時半〜片付け・夜仕込みへ移行——この流れを最初から設計しておくことで、昼と夜の業務が混在せずに動きます。

この4つが決まれば、少なくとも「動き出す」ことはできます。完璧な計画を作ることより、小さく始めて改善することの方が、飲食の現場では実際に機能しやすい。

固定費の回収効率を上げるために、まず何をすべきですか?

この記事を読んでいるあなたが夜営業中心の飲食店を経営しているなら、まず確認してほしいのは「昼間の店舗は今、何をしているか」という一点です。客席が空いている、厨房が動いていない、カウンターに誰も座っていない——そういった状態が続いているなら、固定費に対する売上の比率はこれ以上自然に改善しません。

営業時間を増やすことは、新しく店舗を借りることでも、大きな設備投資をすることでもありません。今ある店舗を、今まで使っていなかった時間に動かすだけです。これが、固定費回収を現実的に前進させる一番シンプルな方法だと、17年間飲食に携わってきた中で感じていることです。

昼の業態に何を選ぶか、どのくらいの規模から始めるか、夜営業との両立をどう設計するか——その具体的な部分については、店舗ごとの状況によって最適解が変わります。一律の「これをやれば解決」という答えは存在しないと思っています。だからこそ、実際に話を聞いてから一緒に考えることを大切にしています。

山道家二毛作モデルは、静岡市清水区の実証店舗で今も営業しながら改善を続けているサービスです。加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間はなく、必要なノウハウだけを導入できる形にしています。まずは詳細や説明会の情報を確認していただくところから始めてください。

お電話でのご相談も受け付けています:054-363-2766

山道家モデルの詳細・説明会申込みはこちら


コメント