先日、焼鳥店を営む経営者の方からこんな相談をいただきました。「ラーメンを昼に始めたいんですが、何から手をつければいいか、まったく分からなくて」と。
その方は夜の営業で10年以上のキャリアを持ち、仕込みや接客は問題ない。でも、ラーメンとなると別の話です。スープはどう作るのか、タレは何を使うのか、麺はどこで仕入れるのか。「調べれば調べるほど、情報が多すぎて混乱する」とおっしゃっていました。
その気持ち、よく分かります。私自身も家系ラーメンを始めるとき、横浜の吉村家をはじめ、数えきれないほどの店を食べ歩き、それでも「自分の店でどう再現するか」という問いには、なかなか答えが出ませんでした。
この記事では、既存の飲食店が家系ラーメンを導入するための作り方を、6つのステップに分けて解説します。スープ・タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法のそれぞれで、何を決める必要があるのかを順番に整理していきます。
こんな方におすすめ
- ✅ 家系ラーメンの作り方に興味はあるが、何から始めればいいか分からない方
- ✅ スープ・タレ・麺・チャーシューそれぞれの役割と選び方を知りたい方
- ✅ 独学での商品開発に時間をかけず、実績のある方法を参考にしたい方
- ✅ 昼間の空き時間を使ってラーメン営業を試してみたい飲食店オーナーの方
- ✅ 少ない席数・少人数から小さく始めることを検討している方

ステップ1:「完成した一杯」を先に決める
多くの方が最初に「スープをどう作るか」から考え始めます。でも私がお伝えしたいのは、順番が逆だということです。
まず決めるべきは、「どんな一杯を出したいか」というゴールです。家系ラーメンといっても、濃いめ・薄め、醤油の立ち方、鶏油の量感など、店によってかなり幅があります。自分が食べ歩いて「これだ」と思った一杯のイメージを持っておくことが、その後のすべての判断基準になります。
ここを曖昧にしたまま仕入先や機材を決めると、後になって「何かが違う」と感じても、どこを直せばいいか分からなくなります。食べ歩きは決して無駄ではありません。「自分の一杯のイメージ」を持つための投資です。
ステップ2:スープの調達方法を選ぶ
家系ラーメンのスープは豚骨・鶏ガラをベースに長時間炊くのが一般的なイメージです。ただ、昼の3時間だけのために毎朝何時間もスープを炊くことは、既存店の営業スタイルとはなかなか噛み合いません。
私が山道家で採用しているのは、業務用スープを活用する方法です。ただし、業務用スープをそのまま出すだけでは、家系らしい満足感は出ません。大切なのは次のステップで紹介するタレ・鶏油との組み合わせによる調整です。スープ単体で勝負しようとせず、「スープは一杯のベースとして機能させる」という割り切りが、小規模営業では現実的です。
業務用スープの選び方については、家系ラーメン経営ノウハウの基本7項目でも詳しく触れています。仕入先の比較や品質の確認ポイントなども参考にしてください。
ステップ3:タレと鶏油で「家系らしさ」を作る
家系ラーメンの個性を最も左右するのは、実はスープよりもタレと鶏油のバランスだと私は感じています。
タレ(かえし)は醤油ベースで作りますが、塩分の強さ・甘みの有無・旨みの深さで、仕上がりの印象がかなり変わります。鶏油は家系特有のコクと香りを作る要素で、量が多すぎると重くなり、少なすぎると物足りなくなる。この「ちょうどいい量」は、ロットではなく一杯単位で感覚をつかむ必要があります。
山道家では、タレと鶏油の配合を繰り返し調整することで、お客様から「本格的な家系ラーメン」という声をいただけるようになりました。この言葉は、決して偶然ではなく、何度も修正を重ねた結果です。
「本格的な家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
スープ・タレ・鶏油は別々に考えるのではなく、一杯の中でどう機能するかをセットで設計することが重要です。
✓ ここまでのポイント
- 「完成した一杯のイメージ」を先に持つことが、その後の判断を迷わせない土台になる
- スープは業務用を活用し、タレ・鶏油との組み合わせで家系らしさを作り込む
- タレと鶏油のバランスは繰り返しの調整が必要で、ここに最も時間をかける価値がある
タレ・鶏油のバランス調整が家系らしさを決めると分かっても、「何度修正すればいいのか」「仕入先はどこか」という具体的な壁は記事だけでは越えられません。山道家モデルの説明会では、実証店舗で使っているレシピ・仕入先情報・オペレーション設計の内容を確認できます。
ステップ4:麺を選ぶ
家系ラーメンの麺は、太くてコシがあり、スープを持ち上げる力があるものが向いています。ただ、麺の仕入先は地域によって選択肢が異なります。全国どこでも同じ麺が手に入るわけではないので、近隣の製麺所や業務用麺の卸業者を複数当たることが必要です。
選ぶ際に確認したいのは、茹で時間・麺の太さ・スープへのなじみ方の3点です。試食を繰り返しながら、自分の一杯のイメージに合うものを絞り込んでいきます。麺だけを単独で評価するのではなく、必ずスープと合わせた状態で判断することが大切です。
ステップ5:チャーシューで「一杯の完成度」を上げる
チャーシューは、ラーメンの満足感を左右する重要な要素です。お客様の口コミに「チャーシューが本当に美味しい」という声が残ることは、その一杯の印象を大きく変えます。
山道家のチャーシューは、既存の焼肉・ホルモン営業で培った肉の扱い方を活かして製法を組み立てています。特別な設備は必要なく、今ある厨房の中で仕込める方法を選んでいます。
チャーシューの製法は、レシピを読んだだけでは再現が難しい部分です。火入れの温度・時間・タレの浸透の深さなど、実際に手を動かして確認する工程が必要です。この工程を短縮するためにも、実績のある製法を参照しながら始めることをおすすめします。
チャーシューを含む全体の準備については、家系ラーメン開業の準備から営業までの流れでも整理していますので、あわせて参考にしてください。
ステップ6:提供方法とオペレーションを固める
レシピが完成しても、それを安定して提供できる仕組みがなければ営業は成立しません。特に少人数での運営では、一杯を仕上げるまでの動線と、並行して行う作業の整理が欠かせません。
山道家の実証店舗では、カウンター5席・3時間・基本2名という体制で営業しています。この規模で月間250〜350名のお客様にお越しいただけているのは、提供の流れを事前に細かく組み立てているからです。
具体的には「麺を茹でながらスープを温め、チャーシューを切り、トッピングを並べる」という一連の動作を、誰が何を担当するかまで事前に決めておきます。仕込みのタイミング・器の配置・提供のスピードが安定すると、少ない人数でも落ち着いて営業できます。
既存店にラーメンを導入する際の具体的な手順については、既存店へラーメン業態を導入する6ステップも参照してください。オペレーション設計の参考になります。
まとめ:作り方を「知る」だけでなく「動ける状態」にする
今回は、店舗向けに家系ラーメンの作り方を6つのステップで整理しました。
ゴールのイメージ → スープの調達 → タレ・鶏油の設計 → 麺の選定 → チャーシューの製法 → オペレーションの構築、という順番で考えると、何をいつ決めるべきかが見えやすくなります。
独学でゼロから取り組むと、それぞれのステップに数か月かかることも珍しくありません。仕入先を探し、試作を繰り返し、オペレーションを整えて——という工程を、実証済みの内容をベースに進めることで、その時間を大幅に短縮できます。
「ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的です」という考え方で、山道家モデルでは各ステップの実績をそのまま導入できる形でお伝えしています。
ご質問や個別のご相談は、お電話でも受け付けています。
📞 054-363-2766
6ステップを読んで「順番は分かった、でも自分の店に当てはめると何が問題になるか」が気になった方は、次のページで詳細と説明会への申込みを確認してください。カウンター5席・3時間・2名という小さな規模で実際に動いている内容をベースにお伝えしています。


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