夜の店で昼に売る商品を決める7ステップ

夏の終わりが近づき、猛暑の中でも昼間の店内は静かなまま——そんな時期に「この時間、もったいないな」とふと感じる経営者の方は多いと思います。夜は満席になるのに、昼は厨房も客席も空いたままで家賃と光熱費だけが出ていく。何とかしたいとは思っても、「何を売ればいいのか」から先に進めない。そういう状態が続いているなら、この記事はそのためのものです。

ただ、昼に何か売ろうとしたとき、最初にぶつかる壁が意外なところにあります。「新業態を始めるなら、フランチャイズに加盟する手もある」と調べていくうちに、「でも屋号を変えなきゃいけないのか」と気づいてブレーキがかかる。長年育ててきた店の名前を手放すのは、思った以上につらいものです。

今回は、自分のブランドを守りながら夜の店で昼に売る商品を決めるための7ステップを、静岡市清水区で実際に二毛作営業を行っている経験をもとにお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業の居酒屋・焼肉店・焼鳥店などを運営しており、昼間の店舗が空いている方
  • ✅ 新業態を始めたいが、今の屋号やブランドを変えたくない方
  • ✅ フランチャイズの屋号変更や継続費用に抵抗を感じている方
  • ✅ ランチの看板商品が決まらず、昼営業に踏み出せずにいる方
  • ✅ 少人数・短時間から試せる昼の利益源を探している方

なぜ「屋号を変えたくない」という気持ちが正しいのか

フランチャイズに加盟すると、たいていの場合は本部の統一ブランドで営業することになります。看板、メニュー表、ユニフォームまで指定される場合もある。それが強みでもあるのですが、夜営業の常連客が昼間に「あれ、この店、違うチェーンになったの?」と感じたとき、積み上げてきた信頼関係に亀裂が入ることがあります。

私自身、2009年に「侍ホルモン清水駅前店」を始めてから17年近く夜営業を続けてきました。自分の店の名前には、そこに積み上げた歴史があります。それを昼だけのために手放すのは、単なるこだわりではなく、経営判断として合理的に「もったいない」ことだと思っています。

昼の新業態は、今ある店舗の資産を使って始めるものです。ブランドもその資産の一つ。屋号を守りながら新しい利益源を作ることは、十分に可能です。

ステップ1〜3:「何を売るか」を決める前にやること

ステップ1|昼間の自店リソースを棚卸しする

まず手をつけるのは、商品選びではなく「自分の店が昼に何を持っているか」の確認です。使える席数、厨房設備、仕込みにかけられる時間、動かせるスタッフ、そして夜営業の仕込みに影響しない時間帯——この5つを書き出してください。ここが出発点です。よくあるのは「売れるメニューを先に決めて、後から無理やり合わせる」パターン。これが昼営業の失敗の入口になります。

ステップ2|夜業態との「共存可能ゾーン」を決める

昼に何かを始めるとき、最も避けたいのは夜の仕込みや雰囲気を崩すことです。たとえば、昼に使った油の臭いが夜の店内に残る、昼の仕込みで夜の食材が圧迫される、スタッフが昼営業で疲弊して夜のサービスが落ちる——こういう問題が重なると、昼は利益が出ても夜が崩れて全体でマイナスになります。昼でできることと、やってはいけないことの境界線を先に決めておくことが、共存の鍵です。

ステップ3|「自店の屋号で出す」か「サブブランドを作る」かを決める

屋号を守る方法は、実は一通りではありません。今の店名そのままで昼メニューを追加するパターンと、「侍ホルモン」を本体として昼は「山道家」という別名を掛け看板のように出すパターン。どちらにも利点があります。前者はお客様への説明がシンプルで、既存ファンへの訴求もしやすい。後者は昼の業態を独立したブランドとして育てられる。どちらを選ぶかは、夜の業態との親和性と、近隣のお客様層によって変わります。ここで「どちらでもいい」と決めずに進むと、看板もメニューも中途半端になります。

ステップ4〜5:昼に売る商品の絞り方

ステップ4|昼に「勝てる土俵」をひとつ選ぶ

昼の商品を決めるとき、「とりあえず定食も、ラーメンも、カレーも」と複数展開したくなる気持ちはわかります。でも、少人数・短時間営業でこれをやると、どれも中途半端になります。昼の看板は一本に絞ることを強くすすめています。

選ぶ基準は「近隣に強い競合がいないジャンル」「自店の厨房・設備と相性がいいもの」「昼の客層が求めているもの」の三つの重なりです。清水駅周辺で言えば、駅前に勤める方々のランチ需要があり、満足感があってすぐ出てくる一品が強い。そういった地域性も、商品選びに直結します。

ステップ5|「作りやすさ」と「満足度」を同時に満たす設計をする

売る商品が決まったら、次はオペレーションとのすり合わせです。「おいしいけれど出すのに15分かかる」「材料の管理が複雑でロスが出やすい」——こういう商品は、昼の短時間営業では続きません。満足度が高く、かつ少人数で安定して提供できる設計にする必要があります。

たとえば家系ラーメンで言えば、スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシューの全体のバランスを調整することで、提供速度を保ちながら「本格的」という評価を得ることができます。「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」というお客様の声は、一つひとつの要素を丁寧に設計した結果として生まれたものです。長時間店内で炊き続けることだけが「本格」ではない、というのが私の考えです。

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

実証店舗ご来店のお客様

✓ ここまでのポイント

  • 商品を決める前に、自店のリソースと夜業態との共存ラインを確認することが先決
  • 屋号を守る方法は「現店名そのまま」と「サブブランドを掛ける」の2パターンがある
  • 昼の看板商品は一本に絞り、満足度と提供のしやすさを両立する設計を優先する

「屋号を変えたくないが、ゼロから商品開発する時間もない」——この記事を読んでまさにそこで詰まっている方に伝えたいことがあります。説明会では、レシピ・仕入先・オペレーションの導入内容と、自店名で始めるオリジナルプランの具体的な中身を確認できます。

自店名で昼営業を始めるための山道家モデル詳細・説明会申込み

ステップ6〜7:始める前の最終確認と小さなスタートの切り方

ステップ6|「フランチャイズではない選択肢」があることを確認する

昼営業の商品設計を自分一人でゼロからやるのは時間がかかります。だからといってフランチャイズに加盟すれば屋号が変わる可能性があり、月額ロイヤリティも発生する。この二択に疲れている経営者の方は少なくありません。

実は、レシピ・仕入先・オペレーション設計を導入しながら、屋号は自分のまま始められる方法があります。山道家モデルで言えば、オリジナルプランは「山道家」の名前を使わず、今の店名または自分で決めた新ブランドでラーメン営業を始めるための仕組みを提供しています。自由度を持ちながら、ゼロから開発する時間と試行錯誤のコストを省ける。これが飲食店の二毛作において、多くの経営者が見落としている第三の選択肢です。

はじめての飲食店二毛作。導入までの8ステップでも詳しく触れていますが、二毛作を始めるときの判断軸は「新しく作る」よりも「今あるものを賢く活かす」に置くことが大切です。

ステップ7|まず5席・3時間で試す

最後のステップは、大きく始めないことです。私の実証店舗は、カウンター5席・11時から14時の3時間・基本2名で運営しています。月間客数は250〜350名程度、月商は25万〜33万円前後。これを「少ない」と見るか「夜営業の補完として十分」と見るかは、経営者ごとの判断ですが、5席でも収益は生まれるということは実際に証明しています。

最初から満席を目指す必要はありません。「昼の家賃分を回収できるか」「スタッフが無理なく回せるか」を最初の基準にして、小さく始めて改善していく。この順番を守ることが、夜の業態を守りながら昼の利益源を育てることにつながります。

店舗の空き時間を収益化する5つのステップや、飲食店にランチ営業を追加する7つのステップも、スタートの組み立て方を考えるうえで参考になると思います。

まとめ:ブランドを守ることと、利益を増やすことは両立できる

夜の店で昼に何を売るか。その答えは、商品選びから始まるように見えて、実は「自分の店に何があるか」と「何を守りたいか」を整理することから始まります。

屋号を変えたくないという気持ちは、経営判断として正しい。その前提を崩さずに昼の利益源を作る方法は、確かに存在します。大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。一律の答えはなく、店舗ごとの最適解があります。

記事についてのご質問や、自店での二毛作が現実的かどうかを確認したい場合は、お電話でもお気軽にどうぞ。
📞 054-363-2766(山道家二毛作モデル/静岡市清水区)

7ステップを読んで「自分の店でも動けそうだ」と感じたなら、次は個別の状況を確認する段階です。席数・営業時間・厨房の状況をもとに、あなたの店舗で二毛作が成立するかどうかを説明会で一緒に整理できます。

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