梅雨が明けるころになると、昼間の暑さが落ち着く夕方以降にお客様が集まり始める夜営業の飲食店では、一日の後半がようやく動き出す感覚があります。でも逆に言えば、朝から昼過ぎにかけての数時間は、店内の厨房も客席もほぼ休眠状態。この時間に家賃は静かに積み上がっています。
私自身、2009年から清水駅前で焼肉・ホルモン店を営みながら、ずっとそのもどかしさを抱えていました。「夜だけの営業で本当にいいのか」という問いに、実際に手を動かして答えを出してきたのが、山道家というラーメン業態です。今回は、その経験とこれまでに見てきた二毛作店舗の事例から、うまくいっているお店に共通する5つのポイントを整理してお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業中心で昼間の客席・厨房が空いたままになっている方
- ✅ 固定費の回収効率を上げる具体的な方法を知りたい方
- ✅ 新規出店をせずに収益の柱をもう一本作りたい方
- ✅ 少人数・短時間で回せる昼業態の事例を知りたい方
- ✅ フランチャイズ以外の選択肢でラーメン導入を検討している方

「空き時間」ではなく「稼働していない資産」と見る
二毛作がうまく機能しているお店の経営者に話を聞くと、必ずといっていいほど最初に出てくる言葉があります。「昼間の店を、空き時間と思うのをやめた」というものです。
たとえば、居酒屋として夜18時から営業しているあるお店。カウンター6席とテーブル2卓、月の家賃は18万円。単純計算でも、昼間に閉めていることで一日6,000円近くの家賃を「使わずに払っている」状態になります。これを一年積み上げると、相当な金額です。
このお店のオーナーが最初に動いたきっかけは、「損を取り戻す」発想ではなく、「今ある資産をちゃんと使う」という視点の切り替えでした。設備は整っている。ガスも電気も引いてある。席もある。ないのは昼営業のメニューと仕組みだけ、という認識です。
新しく作るのではなく、今ある店舗を活かす。これが二毛作の原点です。
共通点①:小さく始めることを迷わなかった
成功している二毛作店舗には、「最初から完璧にやろうとしなかった」という共通点があります。
私が運営している山道家の実証店舗も、カウンター5席・営業時間11時から14時の3時間・基本スタッフ2名という、かなり絞り込んだ規模から始めました。月間客数は250〜350名ほどで、月商は25万〜33万円という数字です(数値は営業日数や季節によって変動します)。「たった5席で」と思われるかもしれませんが、新たに物件を借りずに生まれている利益として見ると、意味は大きく変わります。
大事なのは規模ではなく、「今ある席数・今いるスタッフで始められるか」という問いに正直に答えることです。席数を多く見せようとして準備が滞るより、今日の3席から動いたほうが、半年後の改善のスピードが全然違います。
共通点②:夜営業の仕込みを圧迫しない設計にした
昼営業に踏み出せない理由として、「夜の仕込みに影響が出そう」という不安は非常によく聞きます。特に焼肉店や焼鳥店のように、夜の仕込みに一定の時間が必要な業態ほど、この懸念は切実です。
うまくいっているケースでは、10時に昼の準備を始め、11時から14時まで営業し、終了後にすぐ夜の仕込みへ切り替えるという流れを、事前にきちんと設計しています。昼の業態として家系ラーメンを選んだ場合、長時間スープを炊き続ける必要がある方式ではなく、業務用スープを活用しつつタレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を組み合わせることで、商品の完成度を担保しています。
実際に清水駅前の山道家では、この方式で本格的な評価をいただいています。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
スープを何時間も炊くことが難しい状況でも、一杯の完成度を作り込むことはできます。「炊かないと本格的にならない」という前提を外すところから、二毛作の昼ラーメンは設計し直せます。
✓ ここまでのポイント
- 昼間の店舗は「空き時間」ではなく「稼働していない資産」として捉え直すことが出発点になる
- 5席・3時間・2名という小さな規模から始めることで、夜営業への影響を最小化しながら収益を生み出せる
- 長時間スープを炊かずとも、全体のバランス設計で「本格的」という評価を得ることは可能
「5席・3時間・2名で本当に利益が出るのか」という疑問が残っているとしたら、それは数字だけでは伝わりにくい部分があるからだと思います。山道家モデルの説明ページでは、実証店舗の運営実績や、オリジナルプランとブランドプランの違いを具体的に確認できます。読んだうえで問い合わせるかどうかを判断していただけます。
共通点③:メニューを絞り込み、オペレーションを単純にした
二毛作の昼営業で失速するケースに多いのが、「せっかくだから」とメニューを増やしすぎることです。ランチセット、季節限定、日替わり……と広げるほど、仕込みの手間も判断の数も増えていきます。少人数で回すという前提の中で、これは大きなリスクです。
うまくいっているお店は、看板商品を1〜2品に絞り、それを毎日安定した品質で出すことに集中しています。家系ラーメンを昼業態として選んだ場合、醤油・塩・辛みそなど複数のスープを展開するより、まず1種類のスープで勝負できるクオリティを作り込む。それだけで「ここの家系はブレない」という口コミが積み上がっていきます。
「チャーシューが本当に美味しい」という声も、山道家の実証店舗でいただいています。チャーシューの製法一つにこだわりを持つことが、シンプルなメニュー構成の中で差別化になっています。
共通点④:屋号やブランドを自分で決めた
フランチャイズを検討したことがある経営者の方から、「ブランドは使いたいけど、自分の店名を変えたくない」という声をよく聞きます。これは非常に真っ当な感覚だと思っています。
地元で10年以上看板を守ってきた店名は、それ自体がお客様との信頼の積み重ねです。それを別のブランド名に切り替えることへの抵抗感は、単なる感情論ではありません。
二毛作の文脈で成功しているケースでは、昼の新業態に独自の名前をつけて運営しているパターンと、山道家のブランドを活用して開始しているパターンの両方があります。共通しているのは、「屋号や運営方針を自分で決めている」という点です。誰かに指定されたルールの中で動くのではなく、自店の状況に合わせて選べる余地があることが、長続きする理由の一つになっています。
共通点⑤:「売上を増やす」より「利益源を増やす」と考えた
最後の共通点は、少し視点の話になります。
二毛作を始めた経営者の中で、長く続けられているお店の多くは、「夜の売上を補う」ために昼営業を始めたのではありません。「新しい利益の出口を一つ作る」という目的で動いていました。
この違いは小さいようで、行動に大きな差をもたらします。夜の補完として考えると、夜が忙しくなったときに昼を削ってしまいます。でも独立した利益源として捉えると、昼の改善を続けるモチベーションが維持されます。
固定費は夜が閑散期でも昼が不調でも変わらず発生します。その固定費を、夜だけで回収しようとするか、昼と夜の両方で分担して回収しようとするか。この設計の違いが、数年後の経営体力に効いてきます。
ラーメンを導入することが目的ではなく、利益を生み出すことが目的です。この順番を間違えないことが、二毛作を長続きさせる一番の土台になっています。
まとめ:5つの共通点は、全部「今ある店舗を活かす」という発想から来ている
今回紹介した5つの共通点を振り返ると、すべてに流れている考え方は同じです。新しく作るのではなく、今ある店舗・設備・時間・スタッフを賢く使うこと。小さく始めて、実際に動かしながら改善すること。
私自身、清水駅前という場所で17年間飲食に関わり、夜営業のリアルと昼営業の難しさの両方を経験しています。山道家の実証店舗はいまもJR清水駅西口から徒歩約1分の場所で毎日営業しており、その中で積み上げた実績が山道家二毛作モデルの基盤になっています。
「うちの店でも昼にラーメンをやれるのか」「夜の仕込みに影響しないか」など、具体的な疑問があれば、まずは電話でご相談ください。
📞 054-363-2766
記事で紹介した5つの共通点を「自分の店に当てはめるとどうなるか」を考えたとき、次のステップは情報収集ではなく、具体的な相談です。説明会への申込みページでは、店舗状況に応じた導入相談の入口も案内しています。まず一度、自分の店のケースとして話せる場を探してみてください。


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