飲食店経営者の約6割は、収益の柱が「夜営業の一本だけ」という状態にあると言われています。売上があるのに利益が残らない、原価と人件費を引くと手元に何も残らないと感じている方は、この割合をご覧になってどう思われるでしょうか。私自身、長年夜営業一本で焼肉・ホルモン店を切り盛りしてきた一人として、その感覚はよく分かります。
この記事では「収益の柱は何本あるべきか」という問いに正面から答えながら、自分の店名を変えずに新しい利益源を加える具体的な方法について、実際の運営経験をもとにお話しします。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業だけで利益が残らないと感じている飲食店オーナー
- ✅ 新業態を始めたいが、自分の店名や看板を変えたくない方
- ✅ フランチャイズの屋号変更やロイヤリティに不安を感じている経営者
- ✅ 昼間の客席・厨房が空いているまま家賃を払い続けている方
- ✅ 小さく始めて、手応えを見ながら育てたい店主

収益の柱は「2本以上」が現実的な理由は?
結論から言うと、小規模飲食店が安定した経営を続けるためには、収益の柱は少なくとも2本持つことが現実的です。ただし、これは「手を広げなさい」という話ではありません。
夜営業だけに収益を頼っている状態では、悪天候・季節変動・周辺の競合出店・コロナのような外部要因のどれか一つが起きるだけで、売上が一気に落ちます。固定費(家賃・光熱費・保険料など)は営業しなくても毎日発生しているのに、収益を生む時間帯は夜の数時間だけ、というのは構造的に脆い状態です。
私が昼のラーメン営業を加えることにしたのも、リスク分散のためというより「昼間の時間と空間が何も生んでいないことへの違和感」がきっかけでした。夜に使っていないカウンター席が、昼間は完全に死んでいる。家賃は一日分払っているのに、動いているのは夜だけ。それが長年ずっと引っかかっていました。
新業態を始めるとき、店名を変えなければいけないのでしょうか?
「新しい業態を始めたいが、今の店名を変えたくない」という相談を、他の飲食店オーナーからよくいただきます。特にフランチャイズを検討したことがある方ほど、この点で躊躇されています。
一般的なフランチャイズでは、加盟すると指定の屋号を使うことが求められます。看板・のれん・メニューブック・SNSの表記まで統一されることが多く、長年積み上げてきた自店のブランドとの共存が難しくなるケースがあります。常連客から「あの店、なんか変わった?」と思われることへの不安は、経営者として当然の感覚だと思います。
山道家モデルの場合は、屋号の選択は導入される店舗の判断に委ねています。「山道家」ブランドをそのまま使いたい方はブランドプランを、自分の店名や独自の新ブランドで始めたい方はオリジナルプランを選ぶことができます。大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことであって、どちらが正解かは一概に言えません。
実際に私自身、「侍ホルモン清水駅前店」という既存の焼肉・ホルモン店の中で昼営業の家系ラーメンを始めました。別の場所に店を構えたわけでも、夜の業態を変えたわけでもない。今ある店舗と設備を活かしながら、昼という時間帯を利益へ変えたのです。
「5席・3時間」でも収益は生まれるのでしょうか?
「たった5席では意味がない」と思われる方もいるかもしれません。でも、実証店舗の数字はそうではありませんでした。
カウンター5席・営業時間11時〜14時・客単価約950円・月間客数250〜350名という規模で、月商は約25万〜33万円です。この数字は季節や営業日数によって変動しますし、利益を保証するものでもありません。ただ、この実績が示す本質的な意味は一つです。
「5席・3時間という小規模営業でも、新しい収益は生み出せる」ということです。
新しく物件を借りなくても、何十席もなくても、スタッフを大量に採用しなくても、今ある空間と時間の使い方を変えるだけで、収益の柱を一本加えることは可能です。基本的な運営人数も2名。夜営業のスタッフをそのまま活用できるケースが多く、夜の仕込みへの影響を最小限に抑えるオペレーション設計も一緒に考えていきます。
✓ ここまでのポイント
- 夜営業一本への依存は、固定費の面でも外部リスクの面でも構造的に不安定
- 新業態を加えるとき、フランチャイズでは屋号変更を求められる場合があるが、自店の名前で始める選択肢もある
- 5席・3時間という小規模でも収益を生み出せることは、実証店舗の運営で確認されている
「本格的」と言ってもらえる一杯は、何が決めているのでしょうか?
昼営業にラーメンを加える際、多くの経営者が気にされることの一つが「本当に美味しいものを出せるか」という点です。特に夜が焼肉や居酒屋の場合、「ラーメンを出していいのか」という引け目を感じる方もいらっしゃいます。
山道家では、長時間かけて豚骨やガラを炊き続ける方式は採用していません。それでも、実際に食べに来てくださったお客様からは次のような声をいただいています。
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗へのご来店客より
「チャーシューが本当に美味しい」
実証店舗へのご来店客より
なぜ、店炊きスープなしで「正統派」「本格的」という評価につながるのか。それは、スープだけが一杯の完成度を決めているわけではないからです。タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供のタイミングと温度管理、これらを総合的に調整することで、お客様が「本格的」と感じる一杯は作れます。
「良いか悪いかを最終的に判断するのはお客様」という考え方は、私が飲食業に携わって17年間ずっと持ち続けている軸です。料理人として自己満足するためではなく、食べた方が「また来たい」と思える一杯を設計することが先にあります。
自店のブランドを守りながら、収益の柱を増やすにはどうすればいいのでしょうか?
ここまで読んでいただいた方の中には、「新業態には興味があるが、長年育ててきた自分の店名や雰囲気を崩したくない」という想いを持っている方も多いと思います。その感覚は、むしろ正しいと思います。
お店のブランドは、お客様との信頼の積み重ねです。看板を変えることで常連さんが戸惑ったり、店のコンセプトがぼやけたりするリスクは、軽視できません。だからこそ、新業態を加えるときの設計が重要になります。
具体的な進め方として参考にしていただけるのは次のような流れです。
- 昼営業の業態と夜の業態を「別のもの」として設計し、双方のお客様層が混在しにくい時間帯・メニュー構成にする
- 屋号を変える必要がない場合は既存の店名のままで、メニュー表や看板を昼だけ差し替える方法も選べる
- 昼営業の準備・片付けが夜の仕込みと重ならないよう、動線を事前に整理する
山道家モデルでは、「一律の正解を押しつける」ことはしていません。居酒屋と焼肉店では厨房の動線が違いますし、蕎麦店とダイニングバーでは昼のお客様層も異なります。店舗ごとの状況に合わせて、どう設計するかを一緒に考えることが支援の出発点になっています。
まとめ:収益の柱を増やすことと、ブランドを守ることは両立できます
「収益の柱はいくつ持つべきか」という問いへの答えは、「理想は2本以上、ただし今ある店舗と時間を活かして小さく始める」です。新しく物件を借りたり、多額の資金を使ったりしなければ新業態を始められないわけではありません。
そして、新業態を始めることと、自分のブランドを守ることは矛盾しません。自店の屋号のまま昼営業を追加する方法は、すでに実証店舗で確かめられています。
静岡・清水を拠点に実際に営業している山道家の現場で積み上げてきた仕組みを、全国の既存飲食店に向けて提供しています。まずは現状のお話を聞かせてください。あなたのお店の昼間の時間が、どんな形で利益に変えられるか、一緒に考えます。
お電話でのご相談も歓迎しています。
📞 054-363-2766


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