人件費高騰の中で、少人数営業はどこまで可能ですか?

ランチ営業・小規模運営

「スタッフを増やさないと、新しい業態なんて始められないよな」と思って、ランチ営業の検討を止めた経験はありませんか?

人件費の上昇が続く中で、「少ない人数で昼営業を回す」というのは、夢物語に聞こえるかもしれません。ただ、少なくとも私の実証店舗では、基本2名で毎日ラーメン営業を続けています。理想論ではなく、今日も現場で動いている話として、できる限り具体的にお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 夜営業中心で昼間の店舗が空いている飲食店オーナー
  • ✅ 新しくスタッフを採用せずに昼営業を始めたい方
  • ✅ 少人数でも回せるオペレーションの設計を知りたい方
  • ✅ 人件費高騰の中で収益構造を変えたい経営者
  • ✅ ラーメン導入に興味はあるが、運営イメージが掴めない方
人件費高騰の中で、少人数営業はどこまで可能ですか? | 山道家二毛作モデル

少人数営業はそもそも成立するのですか?

結論から言えば、メニューと席数を絞れば、2名で十分に回せます。

私が清水駅前で運営している実証店舗「横浜家系ラーメン山道家」は、カウンター5席・営業時間11時から14時・基本運営人数2名という体制です。一人がホール兼接客、もう一人がラーメンの仕上げと調理を担当するというシンプルな分担です。

多くの経営者が昼営業を躊躇する理由は、「夜と同じように店を回そうとする」からだと思います。夜営業と同じ規模感・同じメニュー数・同じオペレーションで昼をやろうとすれば、当然それだけの人数が必要になります。でも昼営業は、最初から「小さく設計する」という発想で始めれば話が変わります。

5席という数は、意図的に選んだ規模です。夜に使っているカウンター席をそのまま活用し、追加の設備投資なしで始めました。席数が少ないから人数も少なくて済む。少人数だから人件費を抑えられる。この循環が、昼営業を利益の出る構造にする基本です。

2名でラーメン営業を回すには、どんな準備が必要ですか?

少人数営業を成立させるには、「当日に考えなくてもいい状態を作ること」が最大のポイントです。

私が最初に直面した課題は、ラーメンという商品の知識がほぼゼロだったことです。横浜の吉村家をはじめ、多くの家系ラーメン店を食べ歩いてきた経験はありましたが、「食べる側」と「作る側」は全くの別物でした。スープはどこから仕入れるのか、タレはどう作るのか、麺はどこから買うのか、鶏油はどう扱うのか。チャーシューひとつとっても、仕込み方・切り方・提供タイミングまで、決めなければならないことが山積みでした。

これを独学で一から揃えようとすれば、どれだけ時間がかかるか。夜営業を続けながら、並行して商品開発・仕入れ先探し・調理研究をこなすのは、現実的ではありません。私自身、試行錯誤の時間がどれほど長かったか、今でもよく覚えています。

少人数営業を実現するための準備として、特に重要だと感じたのは以下の3点です。

  • 商品数を絞る:ラーメン・トッピング数点・ライスという構成にすれば、仕込みも提供もシンプルになります。
  • 仕上げ工程だけに集中できる状態を作る:スープを長時間炊き続けることを前提にしない設計にすれば、昼営業の仕込みが夜の準備を圧迫しません。
  • 動線を先に決める:10時から準備、11時開店、14時閉店、その後夜の仕込みへ移行、という時間の流れを最初に設計しておくことで、2名でも迷わず動けます。

✓ ここまでのポイント

  • 少人数営業の成立条件は「小さく設計すること」。夜と同じ規模感で始めようとしないことが大前提。
  • 商品知識・仕入れ先・オペレーションを一から揃えるのは時間がかかる。実績のある仕組みを活用することで準備期間を大幅に短縮できる。
  • 動線と時間割を先に決めると、2名でも「当日に考えなくていい状態」が作れる。

スープを炊かない設計でも、本当に満足される一杯になりますか?

これは私が一番気にしていた部分でもあります。家系ラーメンが好きだからこそ、「手を抜いた一杯」と思われることへの抵抗がありました。

答えは、スープだけが一杯の満足度を決めるわけではない、ということです。タレのバランス、鶏油の量と質、麺の太さと茹で加減、チャーシューの仕込み方と厚み、そして提供の順番まで含めた全体の設計が、お客様の評価を作ります。

実際に私の店舗に来てくださったお客様からは、こんな言葉をいただいています。

「間違いなく正統派の家系ラーメン」

実証店舗・来店客

「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」

実証店舗・来店客

「本格的かどうか」を決めるのは、最終的にお客様です。私が店炊きにこだわらなかった理由は手を抜きたかったからではなく、昼だけのために長時間スープを炊き続けることが、少人数営業の現実とかけ離れていると判断したからです。夜の仕込みに影響を与えず、2名で回せる状態を保ちながら、お客様に満足していただける一杯を目指す。その設計を実店舗で改善し続けた結果が、今の評価につながっています。

月にどのくらいの収益が見込めますか?

数字を出す際は、正直にお伝えします。実証店舗の実績として、月間客数は約250〜350名、客単価は約950円、月商は約25万〜33万円です。これは営業日数や季節によって変動するもので、保証できる数字ではありません。

ただ、この数字の本質は金額そのものよりも、「5席・3時間・基本2名」という条件で成立しているという事実です。新しく物件を借りることも、スタッフを増員することも、長時間仕込みをすることもなく、今ある店舗の昼間という遊休時間から利益を生み出せています。

夜だけの営業で家賃を一日分払っているなら、昼間は固定費の垂れ流し時間です。その時間を月25万円以上の売上に変えることができれば、経営の話はまったく変わってきます。もちろん、家賃・光熱費・人件費・原価を差し引いた上での利益がいくらになるかは、店舗ごとの条件によります。だからこそ、「自分の店でやったらどうなるか」を個別に考えることが大切です。

ラーメンの知識がゼロでも、少人数営業は始められますか?

始められます。ただし、「何も知らなくていい」という意味ではありません。

私が山道家モデルとして体系化した内容には、レシピだけでなく、仕入れ先の紹介・チャーシューの製法・開業研修・オペレーション設計が含まれています。これは私自身が「ラーメンの知識がない状態から始めた」経験があるからこそ、「どこでつまずくか」が分かっているからです。

独学でゼロから商品開発する道を選べば、試行錯誤の期間だけで数ヶ月以上かかることもあります。その間も家賃は発生し続けます。実店舗で検証されたレシピと仕入れ先をそのまま使えれば、その時間を大幅に短縮できます。

大切なのは、あなたのお店に合った方法を選ぶことです。5席から始めるのか、カウンターを活用するのか、週何日の営業にするのか。店舗ごとに最適解は異なります。一つの正解を押し付けるのではなく、あなたの店舗の条件に合わせて設計する。それが山道家モデルの基本的な考え方です。

まとめ:少人数営業は、設計次第で十分に成立します

人件費が高騰している今だからこそ、「増員しなくてもできる業態」を選ぶことは、経営判断として合理的です。

少人数営業のポイントをまとめると、次の通りです。

  • 席数・メニュー数・営業時間を絞り、小さく設計する
  • 仕込みが夜営業を圧迫しない商品構成にする
  • 動線と時間割を先に決め、2名でも迷わず動ける状態を作る
  • スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体で一杯を設計する
  • ゼロから商品開発するより、実績のある仕組みを活用して準備期間を短縮する

私自身、2009年に焼肉・ホルモン店を創業して以来17年、夜営業中心の飲食店経営を続けてきました。その経験から言えるのは、「新しく店を作るより、今ある店舗を活かす方が現実的な場面が多い」ということです。昼間の遊休時間・空いているカウンター席・使っていない厨房。これらはすでにあなたの手元にある資産です。

少人数での昼営業が自分の店で成立するかどうか、具体的に考えてみたい方は、まずお気軽にご相談ください。店舗の状況をお聞きした上で、実際に動ける形を一緒に整理します。

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