飲食店の平均利益率は、一般的に売上の5〜10%程度といわれています。つまり、月商100万円の店でも、手元に残るのは5万〜10万円程度という現実があります。この数字を改善しようとするとき、多くの経営者がまず「コスト削減」か「新規出店」を考えますが、実はどちらでもない第三の切り口が存在します。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業だけでは利益が残らず、改善策を探している方
- ✅ 新規出店をしたいが、まとまった資金を用意できない方
- ✅ 昼間の店舗や厨房が何も生み出していない状況に悩んでいる方
- ✅ フランチャイズ以外の選択肢で収益源を増やしたい方
- ✅ 少人数・小規模から新しい業態を試したい飲食店オーナーの方

利益率の低さは、本当にコスト削減で解決できるのか?
利益率を上げるには「売上を増やす」か「コストを下げる」か、という話になりがちです。しかし実際のところ、原材料費・人件費・光熱費はすでにギリギリまで絞っているという店主も多い。
コスト削減には限界があります。食材の質を落とせばお客様が離れ、人件費を削れば現場が回らなくなる。削れる余地がないところをさらに削ろうとすると、むしろ売上が落ちて本末転倒になることすらあります。
私自身、2009年に「侍ホルモン清水駅前店」を立ち上げてから17年間、焼肉・ホルモンの夜営業を続けてきました。夜の売上が安定しているように見えても、家賃・設備・光熱費を引いていくと、思ったより利益が残らない時期がある。その経験から気づいたのは、「コストを削ること」ではなく、「今ある資産がどれだけ眠っているか」を見直すことの方が先決だということです。
利益率が改善しない本当の原因とは?
夜営業中心の飲食店の多くが抱える構造的な問題があります。それは、固定費が24時間発生しているのに、営業は夜だけという非効率です。
家賃は昼も夜も同じ額が請求されます。厨房設備も、冷蔵庫も、客席も、昼間はただそこに存在しているだけ。これは「使っていない資産にお金を払い続けている」状態です。
利益率を改善したいなら、売上を増やすことより先に、「固定費を回収できていない時間帯」を見直す方が早い場合があります。新しく店舗を借りるのではなく、今すでに払っている家賃の中に、まだ使われていない時間が眠っていないか——そこを問い直すことが、利益率改善の入り口になります。
✓ ここまでのポイント
- コスト削減だけでは利益率改善に限界がある
- 夜営業中心の店舗は、昼間の固定費が回収できていない構造的な問題を抱えている
- 新規出店よりも「今ある資産の稼働時間を増やす」方向が現実的な第一歩になる
新規出店なしに収益源を増やせる方法はあるのか?
新しい事業を始めようとすると、多くの人が「物件を探す→保証金を払う→内装工事をする→設備を揃える→スタッフを採用する」という流れを想定します。これだけで数百万円単位の投資になることは珍しくありません。
資金が十分にあれば選択肢のひとつですが、現実には「新しいことを始めたいが、そこまでの資金はない」という経営者の方が圧倒的に多い。
ここで考え方を変えてみてほしいのです。新しく店舗を作る必要があるのか、と。
夜営業で使っているカウンター席は、昼間は空いています。厨房も、冷蔵庫も、ガスレンジも、昼は誰も使っていません。これらはすでに「払い済みの資産」です。ここに昼営業を一本加えるだけで、新たな固定費をほぼ発生させずに収益源を追加できる可能性があります。
私が清水で実際に取り組んだのも、まさにこの発想でした。夜に使っていないカウンター5席を昼の11時から14時の3時間だけ活用して、横浜家系ラーメンの昼営業を始めました。新しく物件を借りたわけでも、大規模な改装をしたわけでもありません。
実際に5席・3時間の営業で、どのくらいの収益になるのか?
「5席程度では大した売上にならないのでは」という声をよく聞きます。確かに、大きな数字は出ません。ただ、ここで重要なのは売上の絶対額よりも、追加で発生する固定費がほぼゼロという点です。
実証店舗として現在も営業しているデータをお伝えすると、カウンター5席・11時〜14時の3時間・基本2名で運営し、月間客数は約250〜350名、月商は約25万〜33万円です。客単価は約950円。これが追加の物件費ゼロで生まれている収益です。
もちろん、この数字は営業日数や季節によって変動しますし、これを「保証する」ものではありません。ただ、5席・3時間という小規模な営業であっても、既存の固定費の中から新しい収益源を生み出せることは、実際に営業しながら確認できています。
では、なぜラーメン、それも家系ラーメンなのか。理由は、スープを長時間炊く必要がない業務用スープを活用しながらも、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を丁寧に調整することで、本格的な満足感を作れると判断したからです。昼営業のために朝から何時間もスープを炊いていては、夜営業の仕込みに影響が出ます。夜の営業を守りながら昼を成立させる設計が必要でした。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
長時間炊き続ける方式でなくても、こうした評価をいただけることは、私自身が横浜の吉村家をはじめ多数の家系ラーメン店を食べ歩いてきた経験と、実店舗での地道な改善の積み重ねがあってこそだと思っています。
利益率を改善するための「手順」はどう考えればいいのか?
まとめると、利益率の改善に手を付けるべき順番はこうです。
①まず、自店の「空いている資産」を棚卸しする
昼間の客席・厨房・設備は何時間空いているか。この時間に収益を生む可能性があるかどうかを確認します。
②新規出店という選択肢を一度保留する
資金・リスク・準備時間を考えたとき、新しく物件を借りることが本当に最短経路かどうかを問い直します。
③既存資産を活用した業態追加を検討する
夜営業の流れを壊さず、少ない席数・短い時間から始められる業態を選ぶ。商品はシンプルに絞ることがオペレーションの安定につながります。
④小さく始めて、実際の数字で判断する
いきなり大きな投資をする前に、今の資産の中で試せる規模から始める。売上が出なければやめればよく、軌道に乗れば拡大を考えればいい。
大切なのは、「あなたのお店に合った方法を選ぶこと」です。5席でも収益を生み出せる場合があれば、10席でなければ成立しない業態もある。一律の正解はなく、店舗ごとの最適解があります。
まとめ:利益率の改善は「削る」より「活かす」が先にある
飲食店の利益率を改善したいとき、コスト削減か新規出店かという二択に持っていかれがちです。しかし17年間、小規模飲食店の経営を続けてきた立場からすると、まず確認してほしいのは「今ある店舗の何時間が、収益を生んでいないか」という一点です。
昼間が空いているなら、そこが手を付けるべき場所かもしれません。新しく作るのではなく、今ある店舗を賢く活かすことが、資金をかけずに利益率を改善する現実的な道筋になります。
山道家二毛作モデルは、こうした考え方をもとに、実際の店舗営業の中で形にしてきた仕組みです。加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間はなく、自分の屋号で始めることもできます。「まず話だけ聞いてみたい」という段階でもかまいません。
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