「鈴木さん、いつも何時から動いてるんですか?」
先日、常連のお客様からそんな声をかけていただきました。カウンター越しにラーメンをすすりながら、ふと思い立ったように聞いてくれたんです。考えてみると、営業中の様子はSNSでも発信していますが、準備の時間帯や閉店後のことはあまりお伝えしたことがなかったかもしれない。
今回は、そのお客様の一言がきっかけで、山道家のランチタイム一日を密着形式でまとめてみることにしました。地味な話かもしれませんが、こういう積み重ねの上に「また来たくなる一杯」があると思っているので、よかったらお付き合いください。
こんな方におすすめ
- ✅ 山道家がどんな雰囲気のお店か知りたい方
- ✅ 清水駅周辺で昼ご飯の行きつけを探している方
- ✅ 店主がどんな想いでラーメンを作っているか気になる方
- ✅ 初めて家系ラーメンに挑戦しようか迷っている方
- ✅ 短い昼休みでもしっかり食べられる店を知りたい方

朝9時台──侍ホルモンの仕込み場が山道家の厨房に変わる時間
山道家の一日は、夜の居酒屋「侍ホルモン清水駅前店」の厨房をそのまま使うところから始まります。夜営業が終わった翌朝、私が最初にやることはスープの状態確認です。
豚骨と鶏ガラを合わせたスープは、仕込みに時間がかかります。家系ラーメンの根っこになる部分なので、ここは手を抜けない。温度・色・香り──毎朝同じように確認するルーティンは、飲食店を17年以上続けてきた中で自然と身についたものです。
調理器具の準備も同時進行。チャーシューは低温調理器とスモーカーを使って仕上げます。燻製の香りが厨房にうっすら漂いはじめると、「今日も始まるな」という感覚があります。
古着やミリタリーウェアを集めたり、週末に清水港でルアーを投げたりしている私ですが、この朝の仕込み時間だけは、無駄な動きを削ぎ落とした職人モードに切り替わります。趣味と仕事は別物、というより、この切り替えが気持ちよかったりもします。
10時30分──開店前の最終チェックと「家系初心者」への配慮
開店の11時に向けて、残り30分ほどは仕上げの時間です。スープを最終調整して、麺・具材・食器の配置を整えます。カウンター5席しかないこじんまりした店なので、どこに何を置くかは決まっているんですが、それでも毎日確認します。
家系ラーメンって、「なんとなく入りにくそう」と思っている方が結構いるんですよ。「常連ばかりで雰囲気が独特」「注文の仕方がよくわからない」みたいな先入観を持っている方に、実際に来てもらうと「思ったより入りやすかった」と言っていただけることが多い。だから、メニューはなるべくシンプルにしています。迷わなくていい、というのは昼休みが短い方には特に大事なことだと思っているので。
ライス無料にしているのも、そういう考えからです。「せっかく来たのにちょっと物足りなかった」という経験をさせたくない。仕事で体を使っている方に、満腹で午後に臨んでもらいたいんです。
✓ ここまでのポイント
- スープは豚骨と鶏ガラを合わせた毎朝仕込みのもの。チャーシューは低温調理+スモーカーで丁寧に仕上げている。
- メニューをシンプルにしているのは、昼休みが短い方・家系初心者の方への配慮から。
- ライス無料は「満足して午後に戻ってほしい」という想いが出発点。
11時〜13時──清水駅前の昼ご飯ラッシュ、カウンターの向こう側
11時の開店と同時に、JR清水駅の西口方面から足早にやってくる方が多い。駅から徒歩1分という立地は、やっぱり昼営業との相性がいいです。
配送の仕事の合間に立ち寄る方、営業回りの途中でふらっと入ってくる方、近くのオフィスから毎週決まった曜日に来てくれる方。清水区で働く30〜60代の男性が中心で、常連の顔が揃ってくると「今日も来てくれたな」と自然と気持ちが引き締まります。
ピークは12時前後。カウンター5席なので、正直ギュッとした時間帯ではあります。でも逆に言うと、ひとりひとりのお客様の様子がよく見える。「今日は急いでそうだな」と感じたら提供を急ぎ、「ゆっくりしてそうだな」と思ったら少し間を取る。大箱の店ではできないことが、この席数だからできると思っています。
「提供が早くて助かりました。昼休みが短いので、いつも時間を気にしながら食べてるんですが、ここは安心して入れます」
40代・男性(配送業)
「ライス無料が嬉しいです。ラーメンと一緒に食べると午後も頑張れました」
30代・男性(会社員)
13時以降──終盤の落ち着いた時間帯と、常連さんとの会話
13時を過ぎると、ランチラッシュが少し落ち着いてきます。この時間に来てくれるのは、少し遅めにランチを取る方や、休日に家族でぶらっと来てくれる方など。清水駅周辺は、エスパルスドリームプラザや清水港・河岸の市も近いので、週末はそちらに寄った後に立ち寄ってくれるお客様もいます。
この落ち着いた時間帯は、カウンター越しにちょっとした話ができる時間でもあります。「最近どうですか」「どこから来たんですか」みたいな、たわいない会話。私自身、食べ歩きが好きで、いろんな店の話を聞くのが好きなので、この時間は結構楽しみにしています。
2009年に侍ホルモンを立ち上げてから17年以上が経ちます。山道家を始めたのはまだ3年ほどですが、「居酒屋の昼間をどう活かすか」という問いへの答えのひとつがこの形でした。夜とは違うお客様層に出会えるし、清水の街の昼の顔を毎日見られる。そういう意味でも、この昼営業は自分にとって大事な時間になっています。
14時──閉店後の片付けと、翌日への準備
14時でランチ営業は終了します。片付けをしながら、今日の状態を振り返ります。スープの減り具合、残った具材の量、お客様の反応。特別なことを記録するわけではないですが、「今日はこうだったな」という感覚の積み重ねが、次の日の仕込みの微調整につながっています。
厨房を元の状態に戻し終えると、山道家の一日は終わりです。夜になればここは再び侍ホルモンの厨房になる。同じ空間が昼と夜で別の顔を持つ、というのが面白いところでもあります。
閉店後、私は清水港の方を少し歩くことがあります。港の景色を見ながら、「今日も来てくれてありがとう」と思う時間が、自分なりのリセットの仕方です。
まとめ──山道家のランチタイムは、働く皆さまのための時間
今回は一日の流れを追ってみましたが、やっていることは意外とシンプルです。毎朝スープを確認して、具材を整えて、開けて、提供して、片付ける。ただそれだけのことを、丁寧に繰り返しています。
「また来ます」という言葉をいただくたびに、その積み重ねが間違っていないと感じます。清水駅から徒歩1分、火曜から日曜の11時〜14時、カウンター5席の小さな店ですが、働く皆さまの昼ご飯の一択になれたら、これ以上嬉しいことはありません。
初めての方も、ぜひ気軽にのれんをくぐってみてください。家系ラーメンが初めてでも大丈夫です。シンプルなメニューと、一杯分の時間があれば十分です。
山道家の詳しい情報は、以下からご確認いただけます。お気軽にのぞいてみてください。
日々の様子はInstagramでも発信しています。スープの仕込みやチャーシューの燻製など、厨房の風景もたまに載せていますので、ぜひフォローしてみてください。

