6月も後半に差し掛かって、静岡もじわじわと夏の気配が漂い始めましたね。清水駅の周りを歩いていると、昼休みに汗をかきながらランチを探して歩いている方の姿をよく見かけます。「早く決めなきゃ」という焦りが伝わってくるあの感じ、こちらも思わず声をかけたくなります。
今回は、山道家の店主・鈴木が昼営業専門という形に踏み切ってから見えてきた景色について、少しだけ裏話をさせてください。普段カウンター越しにはなかなか話せないことです。
こんな方におすすめ
- ✅ 昼休みが短くて毎日ランチに悩んでいる方
- ✅ 午後の仕事で体がだるくなりがちだと感じている方
- ✅ 山道家がどういう想いで運営されているか知りたい方
- ✅ 清水駅周辺で満足度の高い昼食スポットを探している方
- ✅ 家系ラーメンに興味はあるけれど入りづらいと感じていた方

夜の店が昼に本気を出した、そのきっかけ
私が「侍ホルモン清水駅前店」を始めたのは2009年のことです。それから17年、夜の居酒屋として地域の皆さまに支えていただいてきました。焼肉・ホルモンのお店として、清水の夜を一緒に過ごしてきた時間はかけがえのないものがあります。
ただ、ある時期からずっと気になっていたことがありました。昼間の時間帯、仕込みや掃除が終わったあとの静かなキッチンを見ていると、「この時間と設備を何かに使えないか」という気持ちが頭から離れなかったんです。
夜の飲食店は、昼の間は基本的に何も生まない。設備はある、人もいる、場所もある。でも売上はゼロ。経営者として、それが長年のもどかしさでした。そこで考えたのが、昼営業専門のラーメン店という形です。余剰時間を活用するという発想ではなく、「昼だからこそできる飲食のカタチ」を本気で作ろうと思った。それが山道家の始まりです。
昼専業にして初めて見えた、「働く人の昼食」の重さ
山道家を始めるまで、正直なところ昼食というものをそこまで深く考えていませんでした。夜の飲食の世界で生きてきた自分にとって、昼ごはんは「日常の当たり前」だったんです。
でも、カウンターに立って毎日お客様を見ていると、それがいかに大事な時間かということが、少しずつ体でわかってきました。昼休みにお越しになるお客様の多くは、時間が限られている。11時台に入ってこられる現場仕事の方、12時ちょうどに入って急いで食べる営業マンの方、配送の途中にちょっと寄ってくださる方。それぞれの「昼」があります。
そのなかで気づいたのは、昼食というのは単なる「お腹を満たす行為」ではなく、午後の仕事のための燃料補給だということです。軽く食べて午後に失速してしまうより、しっかり食べてエンジンをかけ直す。そのための一杯を提供することが、自分の仕事なんだと思うようになりました。
豚骨と鶏ガラを合わせたスープにしたのも、こってりしすぎず、でも満足感はしっかりある、という昼食にぴったりのバランスを意識したからです。家系ラーメンをベースにしながら「食べやすさ」にこだわったのは、昼専業という業態だからこそ生まれたこだわりかもしれません。
✓ ここまでのポイント
- 山道家は夜の居酒屋の昼間の時間を活かすのではなく、「昼のための飲食」を本気で作ることを目的に立ち上げた
- 毎日カウンターで働く人のランチを見続けることで、昼食が午後の活力を左右するという実感が積み重なった
- スープのバランスも、昼食に適した「食べやすく満足感がある」一杯を意識して設計している
「また来ます」という一言が、何より嬉しい理由
昼営業専門にしてよかったと一番感じる瞬間は、お客様がお帰りになるときの一言です。食べ終えて立ち上がり、「また来ます」と言ってくれるお客様がいらっしゃいます。その短い言葉が、正直なところ一番の励みになっています。
「また来ます」
常連のお客様より
夜の飲食と昼の飲食は、お客様との関係の作り方が違います。夜は時間をかけて過ごす場所ですが、昼は短い時間のなかで完結します。だからこそ、その短い時間の満足度がすべてです。「また来ます」という言葉が出るということは、その短い昼休みが良いものになったということ。それが繰り返されることで、初めてお客様との関係が生まれると思っています。
ライスを無料にしているのも、「また来たい」と思ってもらうための一つの姿勢です。働く人が毎日通ってくれる店になるためには、コスパの良さは外せない。950円で満腹になれて、また来ようと思ってもらえる。そのバランスを意識し続けています。
燻製チャーシューに、誰にも言っていないこだわりがある
普段カウンターでわざわざ説明することはないんですが、チャーシューにはひとつこだわりがあります。豚肩ロースを使い、低温調理したあとスモーカーで燻製にしています。
家系ラーメンのチャーシューというと、煮豚のイメージが強いかもしれません。でも燻製にすることで、一口食べたときに香りが立ちます。スープの中に入っていても風味が飛びにくく、食べ進めるほどに存在感が出てくる。ラーメン全体のトーンを引き締めてくれる役割があると思っています。
居酒屋をやっているからこそ、燻製という調理法が身近にありました。ホルモン店で磨いた技術が、昼の一杯にもちゃんと活きている。これは、昼営業専門にしたことで自分自身が発見した、嬉しい誤算でした。
清水駅のそばで、昼だけ本気でやっています
JR清水駅の西口を出て、徒歩約1分。侍ホルモン清水駅前店の中で、火曜から日曜の11時から14時だけ山道家は開いています。席数はカウンター5席。こじんまりとした空間ですが、一人でも気兼ねなく入れる雰囲気にしています。
家系ラーメンは「常連だけの店」というイメージを持っている方もいらっしゃいますが、山道家はシンプルなメニュー構成で初めての方でも迷いません。ラーメンを注文して、ライスをもらって、食べる。それだけです。
清水港や清水駅前銀座商店街の近くで仕事をされている方、配送で清水を通る方、休日に家族でランチをという方にも、一度試してみていただきたいと思っています。「午後も頑張れた」と思える昼食を、清水でお待ちしています。
まとめ:昼専業だからこそ、届けられるものがある
昼営業に専念するという選択は、最初から正解が見えていたわけではありませんでした。やってみて初めて、「働く人の昼食がいかに大事か」が体でわかりました。そしてその実感が、スープのこと、チャーシューのこと、提供スピードのこと、価格のこと——山道家のすべての判断の根拠になっています。
昼専業にして見えた景色は、夜の飲食では気づけなかったものでした。その景色をこれからも一杯一杯で伝えていけたら、と思っています。
清水駅周辺でランチを探されている方、山道家のことが気になった方は、ぜひ一度のぞいてみてください。お待ちしています。

