「ホルモンって、なんとなく得意じゃないんですよね」
「部位が多すぎて、何を頼めばいいか分からなくて」
「においが気になりそうで、ちょっと不安で」
こういう声、実はよく聞きます。仕事帰りに立ち寄ってくれたお客様から、グループの一人として半ば連れてこられた方から。侍ホルモン清水駅前店を17年間やってきた中で、こういった方と向き合う場面は数え切れないほどありました。
今回は、そんなホルモン初心者のお客様に密着してみました。「ビールに合う料理を探している」という気持ちはあるけれど、「ホルモンは少し苦手かも」という方が、実際に一晩過ごしてどんな時間になったか。店主・鈴木の視点からお伝えしていきます。
こんな方におすすめ
- ✅ ホルモンを食べたことがなく、少し不安な方
- ✅ 仕事帰りにビールに合う料理を楽しみたい方
- ✅ 料理とお酒の相性をもっと意識して楽しみたい方
- ✅ 清水駅周辺でホルモン専門店を探している方
- ✅ 初めての来店でも安心できるお店を探している方

17:30。仕込みが終わった厨房で、今日もあの方たちのことを考える
開店前、厨房で仕込みを終えると少しだけ静かな時間があります。昼過ぎからホルモンの下処理を始め、牛骨のスープを確認し、タレの状態を整える。そのルーティンの中でいつも頭にあるのは、「今日はどんな方が来てくださるだろう」ということです。
17年間、清水駅前でホルモン焼き居酒屋を続けてきました。常連さんはもちろんですが、初めてご来店される方のことが、特に気になります。というのも、ホルモンというジャンルは、初めての方にとって少しだけハードルが高く感じられることが多いからです。
部位の名前が分からない。注文のしかたが分からない。焼き方も分からない。そもそも苦手意識がある方もいる。そういった方が七輪を前にして戸惑ったまま帰ってしまうことが、私にとっては一番悔しいことです。
だから開店前のこの時間に、メニューの説明の言葉や、焼き方の案内の順番を頭の中で整理します。「今日も誰かとホルモンの話ができたらいいな」という気持ちで、暖簾を出します。
18:00。「ホルモンが少し苦手で…」というお客様が来てくれた
開店からしばらくして、同僚らしき二人連れが入ってきました。一人は以前にも来てくださったことのある方で、もう一人は初めて。席についた後に、初めての方がぽそっと言いました。「ホルモン、あんまり得意じゃないんですよね。でも連れてきてもらって」
こういう場面では、私はまず一つ聞くことにしています。「何が苦手に感じますか?においですか、食感ですか?」
その方は「においと、なんとなくのイメージかな」とおっしゃっていました。過去に食べたものが鮮度的に良くなかったのかもしれないし、単純に馴染みがなかっただけかもしれない。どちらにしても、適切に下処理されたホルモンを、正しい焼き方で食べてもらえれば、印象はかなり変わることが多いです。
まずは「ホルモンミックスボウル」をおすすめしました。数種類の部位がバランスよく入っていて、それぞれの食感や脂の甘みの違いを比べながら食べられる一皿です。一品で食べ比べができるので、何を頼んでいいか分からない方にも、その日のうちに好みの部位が見つかりやすい。
「最初はどのくらいの焼き加減がいいですか?」と聞かれたので、七輪の使い方と炭の状態を簡単に説明しました。ホルモンの脂が落ちてじっくり火が通る感覚、表面がきれいに色づいてきたタイミングを目安にすること。難しいことは何もなくて、むしろ自分で焼くこと自体が楽しみになります。
ビールとホルモンの相性が、この夜を変えた
生ビールが来て、最初の一口。その後にホルモンを七輪に乗せて、二人で話しながら焼き加減を待つ。この時間の流れが、私はとても好きです。
ビールとホルモンの相性は、説明するより体験してもらった方が早いのですが、少し言葉にするとこういうことです。炭火でじっくり焼いたホルモンは、表面に軽く焦げ目がついて、脂の甘みが閉じ込められます。それをひと口食べたあとのビールは、脂をすっきり流してくれる。次のひと口が欲しくなる。この繰り返しが、炭火焼きとビールの相性の正体です。
脂が多いと感じる部位は塩ダレと合わせると後味が軽くなりますし、味噌ダレは香ばしさが加わってビールが進みます。どちらが好きかは人によって違うので、両方試してもらうのが一番です。
その晩もやはり、ホルモンの脂が炭に落ちてじゅわっと音が鳴るたびに、「あ、いい感じ」「もう少しかな」という会話が聞こえてきました。料理の話をしながら飲むビールは、ただ飲むより美味しく感じられるものです。
✓ ここまでのポイント
- ホルモンへの苦手意識は、食べ方と下処理の問題であることが多い。適切に処理されたホルモンを正しい焼き方で食べれば、印象が変わることがある。
- 炭火七輪で焼いたホルモンの脂と生ビールの相性は、食べながらでないと分かりにくい。ビールに合う料理を探しているなら、炭火焼きは一つの答えになり得る。
- 何を頼むか迷ったときは、複数の部位を食べ比べできるメニューから始めると、自分の好みが見つかりやすい。
21:00。「気づいたら食べてた」という言葉が一番うれしい
お二人がそろそろ帰られるころ、初めてご来店された方が言ってくれました。「ホルモン、食べられましたよ。というか、気づいたら食べてた」
この言葉が、私にとって一番うれしい言葉のひとつです。頑張って食べたわけでも、無理をしたわけでもなく、話しながらビールを飲んでいたら自然と食べていた。それがホルモンの楽しみ方だと思っています。
「ホルモンが苦手だと思っていたが好きになった」
ご来店いただいたお客様より
この声は、特別な一件ではなく、こういった夜が積み重なった結果です。17年間で、似たような言葉を何度かけていただいたか。そのたびに、この仕事を続けてよかったと思います。
ホルモンは知れば知るほど奥が深くて、部位ごとに表情が全然違います。「苦手かも」という入口から来ても、焼きながら話しながら食べているうちに、気づいたら次の部位を頼んでいる。そういう夜になることが多いです。
和牛のカルビやハラミを間に挟んでみると、ホルモンとの食感の違いが際立って、それもビールが進む理由になります。重いかなと思っていた脂も、炭火で焼くことで余分なものが落ちて、意外と軽やかに食べられることに気づいてもらえます。
23:00。閉店後に思うこと
閉店後、七輪を片付けながら今日の営業を振り返ります。何人かのお客様の顔が浮かぶ。常連さんが「今日もよかった」と言って帰ってくれた顔も。初めて来てくれた方が「また来ます」と言ってくれた顔も。
清水駅から歩いて1分という立地のおかげで、仕事帰りにふらっと寄ってくれる方が多いです。そのほとんどが、特別な日ではなく、普通の平日の夜に来てくれる。その普通の夜を、少しでも気持ちのいい時間にしたいというのが、17年間変わらない気持ちです。
ビールに合う料理を探している方へ、あえてひと言だけ言うとしたら——炭火で焼いたものは、どんな料理もビールを美味しくしてくれます。特にホルモンは、脂の甘みと炭の香りが加わって、ビールとの相性が際立ちます。難しく考えなくていいです。七輪の前に座って、焼き上がりを待ちながら飲む一杯が、その答えになります。
まとめ:初めてでも、七輪があれば大丈夫です
ホルモンが苦手だと思っていた方が「気づいたら食べていた」という夜に変わる。その瞬間を作れるのが、ホルモン専門店の七輪であり、炭火であり、生ビールだと思っています。
「部位が分からない」「何を頼めばいいか迷う」という方は、まずスタッフに声をかけてください。その日の気分や、好みの方向性を聞かせていただければ、一緒に考えます。押しつけがましい案内はしません。ただ、せっかく来てくれたのなら、好きなものに出会えた状態で帰ってほしいと思っています。
清水駅西口から徒歩約1分。今日も17:30からお待ちしています。
ご予約・メニューのご確認は、以下よりどうぞ。初めてのご来店の前に、どんな料理があるかだけでも見ておいていただけると、当日スムーズにお楽しみいただけます。
お電話でのお問い合わせ・ご予約は 054-363-2766 までお気軽にどうぞ。


コメント