春先になると、「夜の客足が戻ってきた」「週末は席が埋まった」という声をよく聞くようになります。それはそれで嬉しいことなのですが、私が少し気になるのは、昼間の話が一切出てこないことです。
焼肉店の昼間——カウンターも換気扇も冷蔵庫も、すべてそのままそこにあります。家賃は1日分発生している。でも、誰も来ない。その時間が何も生み出していない、という状況が、実は多くの焼肉店に共通しています。
「焼肉店の売上アップにラーメン営業は向いていますか?」——答えから先に言います。向いています。むしろ、焼肉店はラーメン二毛作との相性がいい業態のひとつです。ただし、「どんなラーメンを」「どうやって」始めるかによって、結果は大きく変わります。
今回は、その理由と具体的な仕組みを順番に説明していきます。
こんな方におすすめ
- ✅ 夜営業中心の焼肉店で、昼間の客席・厨房が空いている方
- ✅ ラーメン営業に興味はあるが、スープを長時間炊く余裕がない方
- ✅ 新しく店舗を借りずに収益源を増やしたい方
- ✅ フランチャイズ以外の方法でラーメンを始めたい方
- ✅ 少人数・短時間から試せる昼営業を探している方

焼肉店の昼間はなぜ「空き時間」になりやすいのか?
焼肉店の多くは、夕方から深夜にかけてが営業のメインです。仕込みも夕方から始まり、ランチタイムは準備時間か休憩時間として使われていることが多い。
ただ、立ち止まって考えると、ランチタイムの11時〜14時というのは、商業立地であればもっとも人通りが多い時間帯のひとつです。オフィスワーカー、買い物客、近隣の住民——昼食を探して動いている人が、あなたのお店の前を通っている。
焼肉店としての営業は夕方からで問題ありません。でも、そのための厨房・客席・冷蔵設備が、昼間に何も稼いでいないとしたら、固定費の回収という観点では効率が低い状態が続いていることになります。
家賃10万円の店舗なら、1日あたり約3,300円。昼の3時間が空いているだけで、月に7〜8万円相当の時間を使わずに過ごしていることになります。この「使われていない時間」を活かすことが、二毛作の出発点です。
焼肉店がラーメン営業と相性がいい理由は何ですか?
焼肉店には、ラーメン営業を始めるうえで有利な条件がいくつかそろっています。
まず、換気設備が強いこと。焼肉店はロースターを使うため、業務用の排気・換気設備が標準でついています。ラーメンの厨房でも換気は必須ですが、焼肉店なら追加投資なしで対応できることがほとんどです。
次に、カウンター席があること。焼肉店でも、1人客やカップル向けにカウンター席を設けているケースが多い。ラーメンはカウンター席と相性がよく、5席あれば昼営業として成立する規模です。
そして、肉の取り扱い経験があること。ラーメンのトッピングで欠かせないチャーシューは、仕込みの手間がかかりますが、焼肉店なら豚バラや豚肩ロースを扱い慣れているスタッフがいる。製法さえ知れば、チャーシューの品質を高めやすい土台があります。
逆に言えば、「新しくゼロから整えなければならない設備」が少ない。これが、焼肉店がラーメン二毛作に向いている理由です。
✓ ここまでのポイント
- 焼肉店の昼間は固定費が発生しているにもかかわらず、収益を生んでいない時間になりやすい
- 換気設備・カウンター席・肉の取り扱い経験など、焼肉店にはラーメン営業を始めやすい条件がそろっている
- 新しく店舗を借りるのではなく、今ある設備と時間を活かすことが二毛作の基本的な考え方
長時間スープを炊かないと、本格的なラーメンにならないのでは?
これは、最もよく聞かれる疑問です。正直に答えます——「スープを長時間炊くこと」と「本格的な一杯であること」は、必ずしも同じではありません。
私自身、横浜の吉村家をはじめ多くの家系ラーメン店を食べ歩いてきました。そのなかで感じたのは、お客さんが「本格的だ」と感じる瞬間というのは、スープの製法を見て判断しているのではなく、口に入れた瞬間のトータルの満足感で判断しているということです。
山道家では、昼だけのために何時間もスープを炊き続ける方式をとっていません。それでも、スープだけでなく、タレ・鶏油・麺・チャーシュー・提供方法の全体を丁寧に調整することで、お客さんから「本格的」という声を継続的にいただいています。
「真面目に家系をやっていると思わせる一杯」
実証店舗ご来店のお客様
「間違いなく正統派の家系ラーメン」
実証店舗ご来店のお客様
焼肉店の朝、スタッフが夜営業の仕込みを始める前に、何時間もスープを炊き続けるというのは現実的ではありません。それを無理に実行しようとすれば、夜営業の品質か、スタッフの労働環境のどちらかにしわ寄せがいく。
だからこそ、「炊き方」ではなく「組み合わせ方」で満足度を作る設計が必要になります。業務用スープのベースを使いながら、タレ・鶏油・麺・チャーシューそれぞれのバランスを丁寧に設計する。これが、焼肉店がラーメン営業を無理なく続けられる現実的な方法です。
実際にどのくらいの規模・収益が見込めますか?
ここは、抽象的な話より数字で示したほうが伝わると思うので、実証店舗の実績をそのままお伝えします。
静岡市清水区、JR清水駅西口から徒歩1分の実証店舗「横浜家系ラーメン山道家」は、夜営業の焼肉・ホルモン店のカウンター5席を使い、11:00〜14:00の3時間だけ営業しています。
- 席数:カウンター5席
- 営業時間:11:00〜14:00(3時間)
- 客単価:約950円
- 月間客数:約250〜350名
- 月商:約25万〜33万円
- 基本運営人数:2名
数字は営業日数や季節によって変動しますが、ここで伝えたいのは「5席・3時間・2名でも収益は生まれる」という事実です。
焼肉店の夜営業に影響を与えないために、ランチ終了後に片付けと夜の仕込みへ移れるよう、オペレーションの流れを設計しておくことが重要です。10時に準備を始め、14時に締めて、14時半から夜の仕込みに入る——この流れが整えば、昼と夜を分けて独立して動かせます。
フランチャイズではなく自分の屋号でやりたい場合はどうすればいいですか?
「ラーメンを始めたいけど、フランチャイズには縛られたくない」——この声も非常に多く聞きます。
一般的なラーメンフランチャイズは、加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間・指定食材の使用義務など、さまざまな条件がついてきます。それ自体が悪いわけではありませんが、すでに自店の屋号や運営スタイルを持っている焼肉店の経営者にとっては、「必要なものだけ取り入れたい」という気持ちのほうが自然です。
山道家モデルには、加盟金・月額ロイヤリティ・契約期間がありません。レシピ・仕入先・調理研修・オペレーション設計など、実際に営業を始めるために必要なものを導入したうえで、あとは自店の判断で動かせる仕組みです。
自分の店名でやりたい方向けの「オリジナルプラン」と、山道家のブランドとロゴ・メニューデータ・POPデータをまとめて使える「ブランドプラン」の2種類があり、自店の状況に合わせて選べるようになっています。
「ラーメンを始めること」が目的ではなく、「昼間の遊休時間から新しい利益源を作ること」が目的です。だから、あなたのお店に合った方法を選べることが大切だと考えています。
まとめ:焼肉店のカウンターは、昼間も働ける
焼肉店にとってラーメン営業が向いているかどうか——その答えは、設備・席数・業態の相性だけでなく、「今ある資産を昼間も動かせるかどうか」という問いに置き換えると、よりはっきりします。
カウンター席はある。換気設備はある。肉の仕込みに慣れたスタッフもいる。足りないのは、ラーメンのレシピと仕組みだけ——というケースが多いのが焼肉店です。
小さく始めて、昼の3時間が利益を生むようになれば、夜営業の売上に上乗せできる新しい柱ができます。新しく店を作るのではなく、今ある店舗を昼間も稼働させる。それが、固定費の回収効率を上げる最も現実的な方法のひとつです。
もし「うちの店でも始められるか確かめたい」「何から手をつければいいか相談したい」という方は、お気軽にご連絡ください。実際の店舗状況をもとに、具体的なお話ができます。
お電話でのご相談も受け付けています:054-363-2766


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